いらっしゃいませ!
名前変更所
「ピッコローーー!!」
「っ!?」
いつも通りの神殿が、いつも通りじゃなくなったのはその声のせいだった。
その声の主がゆえならまだ理解できただろう。
アイツは突然騒ぎを持ち込み、俺を呆れさせる天才だからな。
だが今回は違った。
声の主は俺の名前を叫びながら、何かを抱えて近づいてくる。
「騒がしいぞブルマ・・・」
「何落ち着いてんのよ!ほら!!」
「っ!?な、ゆえ・・・!?」
ブルマが抱えてきたモノ。
それはゆえだった。
「はい!!受け取って!」
「お、おい!きちんと説明しろ!」
手渡されたゆえを慌てて抱きかかえる。
ぐったりとしているが、生命に危険があるようには見えない。
「何があった?」
「いやー、ちょっと実験に付き合ってもらっちゃってねー」
「・・・・どういうことだ」
実験?
嫌な予感しか過ぎらないその言葉に顔を顰める。
しかもその言葉を放っているのが、凄腕の研究者なのだ。
心配になり、もう一度ゆえを見つめる。
外傷は見られない。
なら、何か中に・・・?
「ちょっと実験で薬飲んでもらったんだけど、案外強くてねー。しかも効果が全然違う感じになっちゃって・・・・」
「何を飲ませた」
「そ、そんな怖い顔しないでよ!別に命に関わるものじゃないわよ!」
必死に言い返すブルマをジロリと睨む。
すると観念したように一つの瓶を取り出した。
透明な綺麗な瓶に入っている液体は、青色に怪しく揺れている。
「これは回復薬よ。ベジータが前に使ってたメディカルマシーンの薬を、飲み薬の方に改良してみたんだけど・・・・」
どうやら、サイヤ人や地球人にしか効果が無いみたいなのよねぇ・・・と一言。
ため息混じりに呟かれたその言葉は、更に俺の表情を歪めた。
ため息を吐きたいのはこっちだと。
相変わらず起きる様子を見せないゆえを抱きかかえなおしつつ、ブルマに先を促した。
「それで?」
「ウーロンに飲ませたら真実薬?っていえば良いのかしら・・・素直になる薬って感じ?まったく違う効果になったのよね」
「真実薬・・・?」
「そうそう。自分の感情に素直になるのを手助けする薬って感じかしら」
聞いた限りでは、そこまで悪い影響があるようには思えない。
不思議がる俺にブルマが言葉を続ける。
「ゆえちゃんも今その状態ってわけ。まぁ薬の効果は明日には切れるから大丈夫だと思うわ。じゃ、後は任せたわよ!」
「お、おい!!待ちやがれ!!それと今のこの状態がどう・・・!」
「眠たいって感情に素直になって寝ただけよ。じゃ!」
「貴様・・・・ッ!」
俺が二言目の文句を言う前にブルマはエアカーに乗って逃げていった。
取り残された俺は、大きなため息を吐きながらゆえを部屋に運ぶ。
ったく、こいつはお人好しすぎる。
どうせブルマのも、特に疑うこと無く実験に乗ったんだろう。
「起きたら説教だな」
ゆっくりと部屋の扉を開け、広いベッドにゆえを寝かせる。
するとその動きで目が覚めたのか、ゆえがゆっくりと目を開けて身体を起こした。
眠そうに何度か首を振って、それから俺の方を見る。
――――トロンとした、甘い、目で。
「・・・ゆえ?」
これが薬のせいなのか?
いつもとは明らかに違う表情だ。
一応異常が無いか調べたほうが良いだろう。
そう思い手を伸ばせば、その手をゆえがゆっくり掴んだ。
そして俺を引き寄せ、口付ける。
「っ!?」
「ん、っう・・・」
普段のゆえからはしないような、濃厚な口付け。
舌を絡ませ、驚きのあまり固まる俺を貪る。
「っ・・・は・・・!」
唇を離したゆえの、妖しい表情。
誘われるように俺も少しだけ唇を追いかけて舌を出した。
銀色の色が俺とゆえの間に伸びて切れる。
欲望を誘うそれは、いつものゆえからは見れないものかもしれない。
「ゆえ・・・?」
「ピッコロ、大好き・・・」
素直薬。
真実薬。
「大好き・・・もっと、キスしていい?」
いつもゆえは俺にそういうことを言わない。
正しくは、言うが真面目には言わない。
何故か?
俺の、ためだ。
俺がそのような言葉を苦手としているのを知っているから。
だからワザと冗談の中で言うのだ。
愛の言葉を。
《ピッコロってば厳しいー。性格わるーい!!》
《フン。いまさらだろうが》
《さっすが魔族様。ま、そんなピッコロも好きだよー?》
《ほう、つまりいじめられるのが好きと?》
《なんでそうなんの!》
《ククッ・・・冗談だ》
そうすれば俺が戸惑わなくて済むから。
そうすれば俺が、無理をしなくて済むから。
「ゆえ・・・っ」
「ピッコロの肌、綺麗・・・」
「なっ・・・!」
だが、今のゆえにはそんな優しさはない。
あるのはいつも隠していた、俺への素直な気持ち。
俺を揺さぶる、妖艶な、素直さ。
「んー、いい香り。すべすべだし、目も綺麗だし、牙もかっこいい」
「っ・・・・やめろ、ゆえ・・・」
薬とはいえ、ここまで素直に言われると理性が。
そんな俺の気持ちなど気にせず、ゆえの手が俺の肌をなぞっていく。
俺の異型な緑の肌をなぞる白い手。
時々愛おしそうに細められる目は、俺だけを見つめていて。
赤い唇が、俺の名前を呼びながら笑う。
「ピッコロ・・・・」
「ゆえ、もう一度言う。離れろ・・・」
「なんで・・・・いやなの?」
「違う・・・理性が、持たん」
「・・・別にいいよ?ピッコロの好きにして?」
「ッ・・・・」
理性など、細い糸に過ぎないのだと知った。
薬の効果からか、恥ずかしがりもせず誘うゆえ。
そんな彼女を見て我慢出来るはずがない。
血がうずく。
穢したいと、いじめたいと、支配したいと。
「好きにしていいんだな?」
「うん」
「泣くなよ」
「うん、いいよ」
素直に頷くゆえを押し倒す。
いつもならこの段階で恥ずかしがるというのに、今のゆえはまっすぐ俺を見ていた。
もう一度、口付ける。
そのまま服を消しても、ゆえは恥ずかしそうに笑うだけ。
いつものような暴言も暴力も無い。
見るなバカ!とかなんとか言って暴れるあいつの裏側は、俺を求めてくれていたというわけだ。
「くくっ・・・・」
そう思うと、自然と笑みが零れた。
真実薬、か?
たまには良いかもしれないな。
「んっ・・・」
胸に触れると動くゆえの足。
それを押さえ付けて口づけを続ければ、絡めた舌にゆえの舌が応える。
なんて厭らしい音だ。
背筋がゾクゾクと震える。
「気持ち良いのか?」
「んっ・・・は、うん、気持ち、いい・・・」
「普段もそのぐらい言えばいいんだがな」
「はっぁ、あっ・・・!」
からかうように言った言葉は聞こえてないらしい。
ただ俺の与える快楽に震える彼女を見て、俺は早急に下へと手を伸ばした。
こんな姿を見せられて、余裕でいられるほど俺は優しくない。
ぐちゃりという音。
そして、香り。
触れなくても分かるほど濡れたそこは、俺の指をゆっくりと呑み込んだ。
ぴくぴくと震えるゆえを楽しみながら指を奥に突き立てる。
「っは、ぁ、あぁっ!」
いつもみたいな、いやだ、だめという言葉は出ない。
「ぁ、ひぅっ、あぁあ・・・!ひゃ、ぁ」
「いつもみたいに声を抑えないのか?」
「ん・・・はっ、もっと、して・・・」
「ッ・・・・」
中に入れた指をゆっくり曲げて、空いた指で蕾にも刺激を与える。
強い刺激に身体が自然と逃げようとしたため、逃すまいと体重をかけながら首筋に噛み付いた。
漏れる吐息が俺の欲望を刺激する。
首筋に赤い痕が付いたのを確認すると、それを見たゆえが嬉しそうに笑った。
「もっと、つけて」
「・・・・っ、嫌なんじゃなかったのか?」
いつもゆえは痕を付けると目をそらす。
そして次の日、怒るのだ。
「いやじゃないよ、ただ見えるところにつけると・・・恥ずかしいでしょ?でも、つけたいならいいよ?」
赤い痕は独占欲の証。
俺の欲望と、支配の痕。
「ん・・・・」
「っあ・・・!」
刺激を続けながらいくつも痕を残した。
見える場所にも、見えない場所にも、全て。
そのたびに気持ちよさそうにするゆえが、とても愛おしい。
「は、嬉しい・・・・」
「・・・・バカが」
煽る言葉。
俺を、崩すには十分すぎるそれ。
中に埋め込んだ指をイカせない程度に動かし続ければ、焦らされていると気づいたゆえがもどかしそうに俺を見た。
擦り寄るように俺の腕に頬を寄せ、熱い息を吐く。
「ピッコロ・・・・」
「なんだ・・・?どうしてほしいんだ・・・?」
性悪だと言われるかもしれない。
だが俺は、彼女の理性が崩れていくこの瞬間が好きだ。
焦らして壊して、普段の無邪気な表情を全て消して。
俺だけに見せる表情。
いやらしく。
妖しく。
「言えるだろ・・・?」
さすがに羞恥を覚えたのか?
今の今まで素直に全てを言ってきたゆえが、少しだけ瞳を揺らす。
揺らいだ瞳さえも、俺を欲情させた。
「ね、ぁ、ピッコロ・・・・っ」
「ん・・・?」
「もっと、意地悪、して」
「っ・・・・?」
予想外の言葉に思わず動きを止める。
「・・・・ゆえ」
「ピッコロ・・・?だめ、なの?」
「いや・・・・」
支配欲が俺をゾクゾクさせた。
嬉しくないわけがない。
自分の女が、自分に支配されることを”望んで”いるんだ。
普段は恥ずかしがって、理性を崩さないと俺を求めないゆえが。
心のなかでは俺に支配されることを望んでいた。
その真実だけで俺は――――。
「・・・・すまない」
「え?・・・・ひ、あぁああぁあっ!?」
焦らしていた中に、一気に欲望を突き立てた。
焦らされていたゆえは刺激に耐え切れず達してしまったらしい。
だが、そんなことは俺には関係ない。
締め付ける中に歯を食いしばりながら、容赦なく腰を打ち付けた。
「ひあ、あぁあ!だ、だめ!ぁ、こわれ、ちゃぁあぁ・・・・っ!!」
「イジメて欲しいんだろう?・・・たっぷりといじめてやる」
「っあ、んっ、あぁあ!」
イッてる最中でも関係なしに奥を突く。
そのたびに悲鳴に近い声が上がり、ゆえの瞳から涙が零れた。
「んぁ、あ、ひぁ、ピッコロぉ・・・っ」
「ゆえ・・・ゆえっ・・・・!」
「ぁ、好き、大好き・・・・!!」
「俺にいじめられるのが好きなのか?なぁ、ゆえ・・・・っ」
「大好き、ピッコロにされるのは、全部、好き・・・!」
煽る言葉に、情けなくも限界を越える。
支配するのは厭らしい音と声。
ゆえが震える手で俺にしがみつくのが、愛おしい。
「ゆえ・・・・っ」
余裕がないのを見られるのは気に食わないが・・・。
もうゆえにも、何も分からないだろう。
「ぁ、ピッコロ、もっと」
「・・・っほら」
「ひぅ、あぁっ、や、はっ・・・ひぁあぁあっ!」
「また、イッたのか・・・?」
高い悲鳴と、強い締め付け。
俺は動きを続けながら限界を迎えそうになるのを耐えた。
まだ、もっと、感じていたいと。
そう思ったのだ。
「ほら、まだだ・・・っ!」
「んぁ、あ、ぁっ」
「ゆえ・・・・」
「ピッコロ、ピッコロ・・・っ!私の、全部、あげるから・・・もっと、いっぱいして・・・・」
ゆえの本当に嬉しそうな笑みに、全てが揺らぐ。
「お前は俺のものだ・・・!!ゆえ、お前は誰にも渡さんぞ、この姿も、お前の声も、全部、俺が・・・・っ!!」
余裕を無くしているのはゆえだけか?
いや、もう俺も。
等に余裕なんてものは・・・無い。
「ぁ、ピッコロ、全部あげる・・・っ、全部、貰って・・・!だから・・・私の傍に、ずっといて・・・・っ」
余裕をなくした俺達は、気絶するまでお互いを求めた。
溺れるように、ずっと――――狂ったように。
隣で微かな物音が聞こえる。
ゆっくりと目を開ければ、そこには長い黒髪を揺らした裸のゆえが上半身を起こしていた。
バレないように薄っすらと目を開けて様子を見守る。
「・・・・っ、ば、かじゃないの、ブルマのやろ・・・」
見る見る内に顔が真っ赤に染まっていくのが分かった。
黒い潤んだ瞳が、俺を見る。
恥ずかしそうにしながらも、何故か嬉しそうに笑って。
そっと俺の頬に口付ける。
「・・・・ま、ぁ。たまには・・・ね」
今起きれば彼女はきっと、怒りながら「昨日のは嘘だ!」とか何とか言うんだろう。
だからこそ。
俺はニヤリと笑って、彼女が見ている目の前で目を開けた。
「っ・・・!!!!」
驚いたゆえが身を引こうとするが、もちろん逃さない。
捕まえてベッドに押し倒した俺を睨む視線は・・・いつも通りの彼女だ。
「離せ!」
「断る」
「っ・・・もう、昨日散々やったでしょ!!」
「そうだったか?でもいじめられるのが好きなんだろう?」
「ッ・・・そんなこと、言ってない!!」
「いや、言った」
「・・・・っそれは・・・!」
俺に攻められ、必死に言い訳を考える姿にゾクリとする。
お前が悪いんだろう?
魔族の俺に、火をつけるようなことをするのが。
「・・・・っ、ピッコロに」
「・・・ん?」
「ピッコロに、されることは、全部好きだから・・・別に、いじめられるのが好きなわけじゃ・・・・ない」
それは言い訳になってるのか?
そんなことを聞くよりも先に、俺の身体はゆえを求めて動いていた。
文句も悲鳴も全て閉じ込めて。
俺はただゆえを求めた。
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