Erdbeere ~苺~ 番外10.いつもの優しさの裏側 忍者ブログ
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2015年05月19日 (Tue)
35話前後/R18/甘々/※ピッコロ視点

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「ピッコローーー!!」
「っ!?」


いつも通りの神殿が、いつも通りじゃなくなったのはその声のせいだった。

その声の主がゆえならまだ理解できただろう。
アイツは突然騒ぎを持ち込み、俺を呆れさせる天才だからな。


だが今回は違った。

声の主は俺の名前を叫びながら、何かを抱えて近づいてくる。


「騒がしいぞブルマ・・・」
「何落ち着いてんのよ!ほら!!」
「っ!?な、ゆえ・・・!?」


ブルマが抱えてきたモノ。
それはゆえだった。


「はい!!受け取って!」
「お、おい!きちんと説明しろ!」


手渡されたゆえを慌てて抱きかかえる。

ぐったりとしているが、生命に危険があるようには見えない。


「何があった?」
「いやー、ちょっと実験に付き合ってもらっちゃってねー」
「・・・・どういうことだ」


実験?
嫌な予感しか過ぎらないその言葉に顔を顰める。

しかもその言葉を放っているのが、凄腕の研究者なのだ。


心配になり、もう一度ゆえを見つめる。


外傷は見られない。
なら、何か中に・・・?


「ちょっと実験で薬飲んでもらったんだけど、案外強くてねー。しかも効果が全然違う感じになっちゃって・・・・」
「何を飲ませた」
「そ、そんな怖い顔しないでよ!別に命に関わるものじゃないわよ!」


必死に言い返すブルマをジロリと睨む。

すると観念したように一つの瓶を取り出した。
透明な綺麗な瓶に入っている液体は、青色に怪しく揺れている。


「これは回復薬よ。ベジータが前に使ってたメディカルマシーンの薬を、飲み薬の方に改良してみたんだけど・・・・」


どうやら、サイヤ人や地球人にしか効果が無いみたいなのよねぇ・・・と一言。

ため息混じりに呟かれたその言葉は、更に俺の表情を歪めた。


ため息を吐きたいのはこっちだと。
相変わらず起きる様子を見せないゆえを抱きかかえなおしつつ、ブルマに先を促した。


「それで?」
「ウーロンに飲ませたら真実薬?っていえば良いのかしら・・・素直になる薬って感じ?まったく違う効果になったのよね」
「真実薬・・・?」
「そうそう。自分の感情に素直になるのを手助けする薬って感じかしら」


聞いた限りでは、そこまで悪い影響があるようには思えない。
不思議がる俺にブルマが言葉を続ける。


ゆえちゃんも今その状態ってわけ。まぁ薬の効果は明日には切れるから大丈夫だと思うわ。じゃ、後は任せたわよ!」
「お、おい!!待ちやがれ!!それと今のこの状態がどう・・・!」
「眠たいって感情に素直になって寝ただけよ。じゃ!」
「貴様・・・・ッ!」


俺が二言目の文句を言う前にブルマはエアカーに乗って逃げていった。
取り残された俺は、大きなため息を吐きながらゆえを部屋に運ぶ。


ったく、こいつはお人好しすぎる。

どうせブルマのも、特に疑うこと無く実験に乗ったんだろう。


「起きたら説教だな」


ゆっくりと部屋の扉を開け、広いベッドにゆえを寝かせる。
するとその動きで目が覚めたのか、ゆえがゆっくりと目を開けて身体を起こした。

眠そうに何度か首を振って、それから俺の方を見る。


――――トロンとした、甘い、目で。


「・・・ゆえ?」


これが薬のせいなのか?
いつもとは明らかに違う表情だ。


一応異常が無いか調べたほうが良いだろう。

そう思い手を伸ばせば、その手をゆえがゆっくり掴んだ。


そして俺を引き寄せ、口付ける。


「っ!?」
「ん、っう・・・」


普段のゆえからはしないような、濃厚な口付け。
舌を絡ませ、驚きのあまり固まる俺を貪る。


「っ・・・は・・・!」


唇を離したゆえの、妖しい表情。
誘われるように俺も少しだけ唇を追いかけて舌を出した。


銀色の色が俺とゆえの間に伸びて切れる。

欲望を誘うそれは、いつものゆえからは見れないものかもしれない。


ゆえ・・・?」
「ピッコロ、大好き・・・」


素直薬。

真実薬。


「大好き・・・もっと、キスしていい?」


いつもゆえは俺にそういうことを言わない。
正しくは、言うが真面目には言わない。

何故か?


俺の、ためだ。


俺がそのような言葉を苦手としているのを知っているから。
だからワザと冗談の中で言うのだ。

愛の言葉を。


《ピッコロってば厳しいー。性格わるーい!!》
《フン。いまさらだろうが》
《さっすが魔族様。ま、そんなピッコロも好きだよー?》
《ほう、つまりいじめられるのが好きと?》
《なんでそうなんの!》
《ククッ・・・冗談だ》


そうすれば俺が戸惑わなくて済むから。

そうすれば俺が、無理をしなくて済むから。


ゆえ・・・っ」
「ピッコロの肌、綺麗・・・」
「なっ・・・!」


だが、今のゆえにはそんな優しさはない。
あるのはいつも隠していた、俺への素直な気持ち。


俺を揺さぶる、妖艶な、素直さ。


「んー、いい香り。すべすべだし、目も綺麗だし、牙もかっこいい」
「っ・・・・やめろ、ゆえ・・・」


薬とはいえ、ここまで素直に言われると理性が。

そんな俺の気持ちなど気にせず、ゆえの手が俺の肌をなぞっていく。


俺の異型な緑の肌をなぞる白い手。
時々愛おしそうに細められる目は、俺だけを見つめていて。

赤い唇が、俺の名前を呼びながら笑う。


「ピッコロ・・・・」
ゆえ、もう一度言う。離れろ・・・」
「なんで・・・・いやなの?」
「違う・・・理性が、持たん」
「・・・別にいいよ?ピッコロの好きにして?」
「ッ・・・・」


理性など、細い糸に過ぎないのだと知った。


薬の効果からか、恥ずかしがりもせず誘うゆえ
そんな彼女を見て我慢出来るはずがない。


血がうずく。

穢したいと、いじめたいと、支配したいと。


「好きにしていいんだな?」
「うん」
「泣くなよ」
「うん、いいよ」


素直に頷くゆえを押し倒す。
いつもならこの段階で恥ずかしがるというのに、今のゆえはまっすぐ俺を見ていた。

もう一度、口付ける。

そのまま服を消しても、ゆえは恥ずかしそうに笑うだけ。


いつものような暴言も暴力も無い。
見るなバカ!とかなんとか言って暴れるあいつの裏側は、俺を求めてくれていたというわけだ。


「くくっ・・・・」


そう思うと、自然と笑みが零れた。


真実薬、か?
たまには良いかもしれないな。


「んっ・・・」


胸に触れると動くゆえの足。

それを押さえ付けて口づけを続ければ、絡めた舌にゆえの舌が応える。


なんて厭らしい音だ。
背筋がゾクゾクと震える。


「気持ち良いのか?」
「んっ・・・は、うん、気持ち、いい・・・」
「普段もそのぐらい言えばいいんだがな」
「はっぁ、あっ・・・!」


からかうように言った言葉は聞こえてないらしい。
ただ俺の与える快楽に震える彼女を見て、俺は早急に下へと手を伸ばした。

こんな姿を見せられて、余裕でいられるほど俺は優しくない。


ぐちゃりという音。

そして、香り。


触れなくても分かるほど濡れたそこは、俺の指をゆっくりと呑み込んだ。
ぴくぴくと震えるゆえを楽しみながら指を奥に突き立てる。


「っは、ぁ、あぁっ!」


いつもみたいな、いやだ、だめという言葉は出ない。


「ぁ、ひぅっ、あぁあ・・・!ひゃ、ぁ」
「いつもみたいに声を抑えないのか?」
「ん・・・はっ、もっと、して・・・」
「ッ・・・・」


中に入れた指をゆっくり曲げて、空いた指で蕾にも刺激を与える。

強い刺激に身体が自然と逃げようとしたため、逃すまいと体重をかけながら首筋に噛み付いた。


漏れる吐息が俺の欲望を刺激する。
首筋に赤い痕が付いたのを確認すると、それを見たゆえが嬉しそうに笑った。


「もっと、つけて」
「・・・・っ、嫌なんじゃなかったのか?」


いつもゆえは痕を付けると目をそらす。
そして次の日、怒るのだ。


「いやじゃないよ、ただ見えるところにつけると・・・恥ずかしいでしょ?でも、つけたいならいいよ?」


赤い痕は独占欲の証。

俺の欲望と、支配の痕。


「ん・・・・」
「っあ・・・!」


刺激を続けながらいくつも痕を残した。
見える場所にも、見えない場所にも、全て。


そのたびに気持ちよさそうにするゆえが、とても愛おしい。


「は、嬉しい・・・・」
「・・・・バカが」


煽る言葉。

俺を、崩すには十分すぎるそれ。


中に埋め込んだ指をイカせない程度に動かし続ければ、焦らされていると気づいたゆえがもどかしそうに俺を見た。
擦り寄るように俺の腕に頬を寄せ、熱い息を吐く。


「ピッコロ・・・・」
「なんだ・・・?どうしてほしいんだ・・・?」


性悪だと言われるかもしれない。
だが俺は、彼女の理性が崩れていくこの瞬間が好きだ。


焦らして壊して、普段の無邪気な表情を全て消して。


俺だけに見せる表情。

いやらしく。
妖しく。


「言えるだろ・・・?」


さすがに羞恥を覚えたのか?
今の今まで素直に全てを言ってきたゆえが、少しだけ瞳を揺らす。

揺らいだ瞳さえも、俺を欲情させた。


「ね、ぁ、ピッコロ・・・・っ」
「ん・・・?」
「もっと、意地悪、して」
「っ・・・・?」


予想外の言葉に思わず動きを止める。


「・・・・ゆえ
「ピッコロ・・・?だめ、なの?」
「いや・・・・」


支配欲が俺をゾクゾクさせた。

嬉しくないわけがない。
自分の女が、自分に支配されることを”望んで”いるんだ。


普段は恥ずかしがって、理性を崩さないと俺を求めないゆえが。

心のなかでは俺に支配されることを望んでいた。
その真実だけで俺は――――。


「・・・・すまない」
「え?・・・・ひ、あぁああぁあっ!?」


焦らしていた中に、一気に欲望を突き立てた。
焦らされていたゆえは刺激に耐え切れず達してしまったらしい。

だが、そんなことは俺には関係ない。

締め付ける中に歯を食いしばりながら、容赦なく腰を打ち付けた。


「ひあ、あぁあ!だ、だめ!ぁ、こわれ、ちゃぁあぁ・・・・っ!!」
「イジメて欲しいんだろう?・・・たっぷりといじめてやる」
「っあ、んっ、あぁあ!」


イッてる最中でも関係なしに奥を突く。

そのたびに悲鳴に近い声が上がり、ゆえの瞳から涙が零れた。


「んぁ、あ、ひぁ、ピッコロぉ・・・っ」
ゆえ・・・ゆえっ・・・・!」
「ぁ、好き、大好き・・・・!!」
「俺にいじめられるのが好きなのか?なぁ、ゆえ・・・・っ」
「大好き、ピッコロにされるのは、全部、好き・・・!」


煽る言葉に、情けなくも限界を越える。


支配するのは厭らしい音と声。
ゆえが震える手で俺にしがみつくのが、愛おしい。


ゆえ・・・・っ」


余裕がないのを見られるのは気に食わないが・・・。

もうゆえにも、何も分からないだろう。


「ぁ、ピッコロ、もっと」
「・・・っほら」
「ひぅ、あぁっ、や、はっ・・・ひぁあぁあっ!」
「また、イッたのか・・・?」


高い悲鳴と、強い締め付け。
俺は動きを続けながら限界を迎えそうになるのを耐えた。


まだ、もっと、感じていたいと。

そう思ったのだ。


「ほら、まだだ・・・っ!」
「んぁ、あ、ぁっ」
ゆえ・・・・」
「ピッコロ、ピッコロ・・・っ!私の、全部、あげるから・・・もっと、いっぱいして・・・・」


ゆえの本当に嬉しそうな笑みに、全てが揺らぐ。


「お前は俺のものだ・・・!!ゆえ、お前は誰にも渡さんぞ、この姿も、お前の声も、全部、俺が・・・・っ!!」


余裕を無くしているのはゆえだけか?


いや、もう俺も。
等に余裕なんてものは・・・無い。


「ぁ、ピッコロ、全部あげる・・・っ、全部、貰って・・・!だから・・・私の傍に、ずっといて・・・・っ」


余裕をなくした俺達は、気絶するまでお互いを求めた。
溺れるように、ずっと――――狂ったように。






























隣で微かな物音が聞こえる。
ゆっくりと目を開ければ、そこには長い黒髪を揺らした裸のゆえが上半身を起こしていた。

バレないように薄っすらと目を開けて様子を見守る。


「・・・・っ、ば、かじゃないの、ブルマのやろ・・・」


見る見る内に顔が真っ赤に染まっていくのが分かった。


黒い潤んだ瞳が、俺を見る。
恥ずかしそうにしながらも、何故か嬉しそうに笑って。

そっと俺の頬に口付ける。


「・・・・ま、ぁ。たまには・・・ね」


今起きれば彼女はきっと、怒りながら「昨日のは嘘だ!」とか何とか言うんだろう。
だからこそ。

俺はニヤリと笑って、彼女が見ている目の前で目を開けた。


「っ・・・!!!!」


驚いたゆえが身を引こうとするが、もちろん逃さない。

捕まえてベッドに押し倒した俺を睨む視線は・・・いつも通りの彼女だ。


「離せ!」
「断る」
「っ・・・もう、昨日散々やったでしょ!!」
「そうだったか?でもいじめられるのが好きなんだろう?」
「ッ・・・そんなこと、言ってない!!」
「いや、言った」
「・・・・っそれは・・・!」


俺に攻められ、必死に言い訳を考える姿にゾクリとする。


お前が悪いんだろう?
魔族の俺に、火をつけるようなことをするのが。


「・・・・っ、ピッコロに」
「・・・ん?」
「ピッコロに、されることは、全部好きだから・・・別に、いじめられるのが好きなわけじゃ・・・・ない」


それは言い訳になってるのか?

そんなことを聞くよりも先に、俺の身体はゆえを求めて動いていた。


文句も悲鳴も全て閉じ込めて。
俺はただゆえを求めた。





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(龍如/オール・海賊/剣豪)