Erdbeere ~苺~ 真に欲しいのは忠誠ではなく 忍者ブログ
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2024年11月15日 (Fri)
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2015年05月24日 (Sun)
フリーザ夢/ギャグ甘/部下・恋人未満/※ヒロイン視点

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「仕事は」
「終わりました」
「・・・・」
「あ、死んじゃいますフリーザ様。待って待って!!これで終わるから!!」
「ならさっさとしなさい。次の仕事は私とやってもらいます」
「ええー!?」


いつも通りのフリーザ様とのやりとり。
傍で私達を見ているザーボンは、ありえないといった表情で私を見ている。


手元にあるのは地上げの資料。

フリーザ様に監視されながら適当に終わらせた私は、その資料をザーボンに投げた。


「ザーボン、ぱーす!」
「こ、こら!!資料を投げるんじゃない!」


そう言いながらもきちんと資料を受け止めるザーボンは鍛えられている。

え、誰にって?
もちろん、私に。


フリーザ様はその光景を見慣れたように咳払いで一喝した。


慌てて姿勢を正すザーボンを見ながら、私はいつも通り笑う。

ザーボンに視線で注意されても気にしない。


「では、次の仕事にまいりましょうか?」
「次はなーに?」
「あなたの好きな仕事ですよ」
「え、まさか殲滅!?」
「これです」


そう言って笑顔で差し出してきた資料の束。
顔を引きつかせながら後ずさりすれば、有無をいわさない殺気を放たれる。


「フリーザ様、あ、あの、フリーザ様との仕事ってその・・・」
「ええ、私はこっちに目を通しますから。貴方はこちらの整理を」
「ええー!ぐふっ!?」
「文句があるならそれなりの罰を受けてもらいますが?」
「いや、いま、いまもう既に殴ったよね・・・・」


尻尾で軽く腹部を殴られた私は、痛みに震えながらフリーザ様を睨んだ。

まぁ、これもいつものこと。
ザーボンがドン引きレベルで私を見ているのを感じるが、気にせず資料を手にとった。


フリーザ様にここまで言えるのは私だけだろう。


だって私はフリーザ様を恐れてはいないから。

側近のザーボンやドドリアのように、恐怖で支配されてはいない。


「フリーザ様、これ誰の報告書?読めない」
「・・・・アプールですね。ですが訂正させるのも面倒です、適当に書きなおしておきなさい」
「ええーー!?私が!?仕事増えるよ!!」
「何か文句でも・・・?」
「フリーザ様、隣に座ってるんだから尻尾振り回したら私に当たっちゃう」
「当ててもいいんですよ」
「死んじゃう」


流れるような会話は私達の信頼の証。

そう、私は。
フリーザ様に忠誠ではなく信頼を捧げている。


それは忠誠よりも強くて。

何よりも重い愛に近いモノ。


「はいフリーザ様」
「では次はこれを」
「・・・・・・・・・・」
「なんですかその顔は」
「い、いや、また読めないんだけど・・・・?」
「・・・貴方から注意でもしておきなさい」
「いやここはフリーザ様がびしっと言えばいいでしょ!」


作業する手は止めずにフリーザ様に突っかかる。
するとフリーザ様は私の方を見向きもせず尻尾を回し、私の首筋を一撃殴った。


ある意味、ここまでフリーザ様が会話にのって殴ってくるのは貴重な気もする。

咳き込みながらそんなことを考えていれば、本気の一発が飛んできて思わず気で防御した。


「さすがですね。そのくだらない考えと発言とサボりぐせが無くなれば最高の部下ですよ」
「やっだなーフリーザ様!!そんなに褒めても何も出ませんよ?褒めるならサボらせて?」
「・・・・・」
「あだっ!?ちょ、せっかく張ったバリアー壊さないでよ!!」
ゆえ。少しは言葉を慎め!」


見かねたザーボンが私を怒る。

綺麗な顔をしたザーボンは怒ると怖い。
腕組みしたまま睨みつけられ、思わず謝る。


「そ、そんなに怖い顔しないでよー・・・綺麗な顔が台無しだよ?」
「お前はフリーザ様になんて口を・・・!!」
「わぁあああごめんって!!だからその殺気をしまっ・・・・」
「ザーボンさん」


ザーボンの怒りを止めたのは、意外にもフリーザ様だった。

止められたザーボンは驚いた様子で目をぱちぱちさせる。


ゆえは私以外の命令は聞きませんよ」
「フリーザ様・・・・」
「さっすがフリーザ様、わかってる!」
「こんな馬鹿は放っておいて、ザーボンさんはザーボンさんのお仕事を」
「・・・分かりました」
「うぐっ・・・・」


調子に乗った私に突き刺さる、フリーザ様とザーボンの冷たい視線。

さすがに堪えて大人しく仕事を進めれば、隣で仕事をしていたフリーザ様がクツクツと喉を鳴らして意地悪く笑った。


その笑い声に噛み付こうとして、後悔した。


フリーザ様の方を見て映ったのは意地悪い笑み。
そして何故か――――優しい、雰囲気。


「本当に貴方は飽きませんねぇ」
「ほ、褒められてる?」
「えぇ・・・褒めてますよ」
「嬉しい!!」
「ふふ・・・私にしか貴方は扱えないでしょうね・・・貴方はそのままで居てください」


言葉を理解するまでに数秒。
理解してからの恥ずかしさで数秒。


その間ずっと固まっていた私を、フリーザ様は攻めることなく笑って見ていた。


ああ、そうか。

フリーザ様も私に望んでいるのは忠誠ではなく。


忠誠は無いけど誓ってるよ、フリーザ様。
私は信頼の元、一生フリーザ様と共にあることを。


「心配しなくてもずっとフリーザ様だけのものだよ私は!」
「気色悪い言い方しなくても分かってます」
「ひどっ」

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