Erdbeere ~苺~ 本能のままの恋愛 忍者ブログ
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2015年05月01日 (Fri)
結婚後/甘々/※ヒロイン視点

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好きって、なに?
恋愛って何?

私達はそれを知らない。


知らないけど、いないと足りない。

分からないけど、聞こえないと寂しい。


「ピッコロー」
「・・・・」
「今日のお昼からの修業どうするー?ここでするー?」
「・・・ん?あぁ、ここでいいだろう」
「また神殿壊しちゃうね」
「直せばいいだろうが」
「やだこわーい!その発想、死んでも戻せばいいってレベルの発想」
「あぁ・・・それはいいな。まずはお前で試すか」
「んがが!!しまる!!首がっ!!!!」


ピッコロの部屋でいつもどおりの時間を過ごす。

ピッコロは孤独が好き。
私は賑やかなのが好き。


お互いに正反対のような私達。

でも、離れない。


ないと足りないから。
触れられないと悲しいから。


「ピッコロ」
「ん?」
「好き」
「・・・・あぁ」
「大好きー好きー」
「・・・・」


珍しく言葉に出して甘えてみても、彼はいつもどおりの反応を示す。

知ってる。
彼はこういうのが苦手なんだって。


でも知ってる。

彼が言葉にしなくても、私を愛してくれてることは。


「ピッコロたーん」
「気持ち悪い」
「うわ!ひど!!」
「うるさいぞ・・・少しは静かに出来ないのか」
「できませーん」
「・・・チッ」
「ぶふわっ!?」


後ろから抱え込まれるように抱きしめられた。
思わず変な声が出たが、ピッコロは何も言わず私を抱きしめている。

この温もりが彼の愛。


”行動”だけの愛。


たとえそれが自惚れでもいい。
私は、すごく幸せだと思う。


「ピッコロかっこいー」
「・・・・・」
「誰よりも、何よりも、大好き」
「・・・・っ。どうした?今日はヤケに誘うな?」
「誘ってなんかないです。愛情表現ですー」
「そうか」


彼は孤独を愛する。

だからこそ、本当に嫌なら私のことなんて放り投げちゃうはずだもん。


でも私は毎日ここにいる。
ピッコロと毎日同じ時間を過ごしてる。

彼から離れたことなんて、あの時から一度もない。


離れさせられたことも一度もない。


「んー、ピッコロのいい匂い」
「おい・・・!?」
「んふふふふー」
「変態が」
「うわ、本物の変態に言われたくない」
「ほう・・・?」
「いひゃひゃ!!いひゃいっ!!!」


彼が言葉をくれるのは、1ヶ月に1回ぐらいかな。

でもそれ以外に無意識な愛情の言葉はくれる。
独占欲とか、そういう部分だけど。


皆はピッコロのことを”不器用”だって。

でも違うと思うんだ。
ただ彼は”本能”のままの恋愛をしてるんだよ。


「いったいな・・・このいじわる野郎・・・」
「・・・黙れ」
「っ・・・・ん!」


したいと思った時にキスをする。
愛したいと思った時に”男”になって私を抱く。


ある意味”魔族としての彼”に戻るんだ、私の前では。


それが素の彼。
本当の、彼。


「ん、はっ・・・・」
「静かになったな・・・?」
「ずるい」
「ハッ。お前もずるいだろうが、十分」
「なにがさ」
「言っただろ?誘ってるのかってな・・・あれだけ言われて、俺がおとなしくしてやれると思うか?」
「うわっ・・・!?わ、ばかっ!!」


腰に回されていた手が厭らしく私の腰のラインをなぞる。

くすぐったくて身を捩れば、ピッコロが嬉しそうに笑った。


「こら、暴れるな」
「暴れるに決まってるでしょ!!セクハラ!!」


ピッコロが私に心を開いてくれたのはいつだったっけ。

悟飯みたいな純粋さがあれば、早かったんだろうけど。
結構時間掛かったんだよね。


やったことは追いかけ回すの作戦一つのみ。

最初は話をしてくれないピッコロと、どうしても話をしてみたくてやっただけだったのに。


しつこさに負けたんだろってベジータが意地悪って言って来たのを思い出す。
今思えば、本当にそうだったかもなんて。


「お前のしつこさには今でも負ける」
「むぐ・・・・」


心を読まれ、恥ずかしくなった私は考えるのを止めた。


「どうした?別に考えてくれてもいいんだぞ?」
「っさいやい!」


いっつも余裕を見せるのはピッコロ。
こうやって悶々と考えこむのは私。

そんな私の頭を、ピッコロの大きな手が撫でる。


「・・・・最初はうざったいやつだとしか思ってなかった」
「・・・・・」
「だがこの俺を怖がらず、純粋に俺に興味を示し・・・近づいてきてくれたお前に、俺は・・・惹かれたんだと思う。現にお前は殺しかけても逃げない馬鹿だったしな」


それ、褒められてる?

心の中を見られていると知ってるからこそ、私は心の中で毒づいた。


「あぁ、褒めてる」
「・・・・っ」
「・・・・すまないな、こんなことしか・・・言えずに」
「っ・・・ばか。別にいいよ、満足です。てかもう満足すぎるから離して・・・・」


ピッコロ、私の心の中・・・ずっと見てたんだ。
私が言葉が欲しいとどこかで思ってたことに、気づいて言ってくれたんだ。


隠し事なんて出来ないな、ほんと。

恥ずかしくてピッコロから逃げだそうとしたけどそれは叶わなかった。


そのまま力強く後ろに引っ張られ、ベッドに押し倒される。
ふわりと自分の黒髪が舞った。


「心見るのはんたーい」
「お前は普段うるさいくせして、気持ち悪いぐらいにワガママは言わないからな・・・・」
「ひどいな。私はこうしてピッコロの一番傍にいられるだけで幸せなの、だからワガママとかは言わないんですっ」


それに、今更かもしれないけどさ。

・・・・ピッコロに愛の言葉なんて言われたら、心臓もたないや。


これぐらいがバランス良いんだよ、うん。
私、ピッコロ。極端な2人だからこそ。


「遠慮するな」
「ッ」


押し倒されたまま耳元で囁かれる。

無意識に身体が震えた。
この声さえも、聞けるだけで私は幸せ。


「お前がワガママ言わないのなら、俺が言おうか」
「へっ!?」
「逆にお前は言葉だけで何も行動しないだろう?確かに正反対もいいが・・・・」


耳元に、キス。
それから頬をなぞって、私の目の前で牙を剥く彼。


「俺はワガママなんでな?」


弄られる服。

ピッコロが切るなっていったから伸ばし続けた黒髪が、彼の口元に運ばれる。


王子様がやるような、ロマンチックな光景のはずなのに。
ピッコロがやるとまるで迎えに来た魔王のよう。


ゆえ


唇と唇が重なる寸前の距離でピッコロが私の名を読んだ。


「俺のワガママは叶えてくれないのか?ん?」


意地悪な言い方に視線を逸らす。

ドキドキして心臓が痛い。
こんなにも長く一緒にいるのに、どうしてこんなに――――惹かれちゃうの。


「ピ、ピッコロ」
「俺も同じだ」
「・・・っ」
「世界を支配するよりも、お前をこうやって・・・支配するほうが、満たされるとはな」
「歪んでる」
「なんとでもいえ」


流れるような会話の後、ピタッと静かになる。
そしてまたピッコロが囁いた。


「早くしろ」


命令。

でもそれは、私を支配して誘う魔法。


声にも、視線にも・・・狂わされる。
また唇を寄せてきたピッコロを見ていた私は、誘われるがままその唇に自ら唇を寄せた。


「ん・・・・」
「・・・っは、それだけか?」
「・・・・じゃあ、口開けてよっ・・・」
「ほう?俺は別にそういう意味で言ったんじゃないんだがな?ただ1回で終わりかと、そう聞くつもりだったんだが・・・」


クツクツと喉を鳴らしながら笑われる。
むかついた私はそれ以上ピッコロになにも言わせないよう、もう一度唇を塞いだ。


次は深く、長く。


唇をこじ開けて舌を絡める。
ピッコロの香りが流れてきて、ゾクゾクした。


「っは、ぁ・・・!」
「・・・・っは」
「ピッコロ、大好き、だから」


”ちょうだい”

そう言うとピッコロは今日一番の悪い笑みを浮かべて、私の首筋に噛み付いた。


なんか罠に掛かった気分だけど。
これが私たちの、”本能のまま”の恋愛。




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