Erdbeere ~苺~ 分かりにくい愛情表現 忍者ブログ
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2015年04月21日 (Tue)
甘々/ほのぼの/結婚後/※デンデ視点

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平和な神殿。
ここには僕だけじゃなく、ポポさんや元神様のピッコロさん、そしてその奥さんのゆえさんが住んでいます。

ゆえさんとピッコロさんは師弟関係でもあるそうです。

だから毎日、修業してるんです。


結婚する前に暮らしていた頃はピッコロさんのほうが強かったんですが、最近はずっとゆえさんが勝ってます。


「調子に乗るなよ!!」
「っさいな!!調子になんかのってないっつの!!」
「っふ・・・!右ががら空きだ!!」
「がはっ!?んのやろ・・・!!!」
「ぐっ!!」


本気の殴り合い。
戦闘に慣れてない僕はハラハラしてそれを見ています。

お二人は修業で絶対に手を抜きません。

本気の、勝負です。
気絶したり、出血多量で死にかけて僕のところに来たことだってありました。


それでも夫婦なんですよね。

ちょっと、びっくりしちゃいます。


・・・だからこそ、なのかもしれませんが。


「っはー!ピッコロ疲れたー!」
「ダメだ」
「え、いやまだ何も言ってな「ダメだ」」
「・・・・」
「・・・・」
「ピッコロ、休憩を希望しま・・・ぐふっ!?」


疲れ果てて座っていたゆえさんがピッコロさんに蹴られて吹き飛んでいく。

本当に容赦無いです。
でも僕は止めません。あれがあの2人だって最近分かりましたから。


蹴られたゆえさんがピッコロさんの胸ぐらに掴みかかって怒鳴っています。

ちょっと鼻血が出てるけど、大丈夫かな?


「いったいな!!乙女の顔面蹴るなよ!!」
「乙女?ハッ・・・そんなのどこにいる」
「へぇ?そういうこと言う?喧嘩売ってるよね?買うよ?」
「買えるものならな」
「よし、ぶっ飛ばす」


そうしてまた響き始まる爆音。
慣れた僕は静かに本を開いてその場に座る。

僕には戦闘が出来ないから、ある意味2人が羨ましかったりするんですけどね。


「っだ!!よけるな!!」
「貴様こそ、ちょこまかしやがって・・・!!」
「何さ。なんなら真正面からやる?」
「フッ・・・来い」
「どぉおらぁあぁああ!!のぅあ!?」
「馬鹿か。本当にするわけないだろうが!」
「あ、汚ッ!!そういうの汚・・・あぐっ!」


・・・。

・・・・。


しばらくして、音が止んだ。
空を見上げると太陽が高く登っていて、僕は2人が休憩に入ったことを知りました。

いつもお昼過ぎになるとお互いに自由行動するんです。


ゆえさんは色んなことにチャレンジしてみたり、魔法の研究をしてみたり。
ピッコロさんは日課の瞑想に。


今日は珍しく、お互いに同じ場所に居ました。


ゆえさんは前やり始めた”機械いじり”ってやつをやめてしまったらしいです。
ピッコロさんに邪魔されたから、とか何とか。

だからか今日も魔法の研究をするらしく、色々本を開き始めました。


「・・・・」
「・・・・」


といっても、ゆえさんの研究が続くことはありません。
無言の時間が嫌いだって言ってましたし、何より・・・本が嫌いらしいです。


昔、悟飯さんが持ってきていた本を見て発狂してました。

ピッコロさんの誕生日のためにナメック語を勉強してた時も、僕に対して泣いてましたし。


・・・一応、僕よりもすっごく偉い天使さんだったんですけどね。
今はその面影なく、日々を過ごしています。

あ、馬鹿にしてるわけじゃないですよ?


「・・・・・」
「ふぁう・・・・」
「うるさい」
「すみまふぇん」


僕はそんなゆえさんが大好きです。

楽しくて、明るくて、そばにいるだけで幸せになります。


ピッコロさんは何も言わないけど、きっとピッコロさんも同じだと思います。
本当に1人になりたければ、ピッコロさんは無理にでもゆえさんを追い払えると思うから。


それをしないのが愛情表現っていうのは可笑しいかもしれませんが・・・。

僕にはなんとなく、そう思えるんです。


「・・・・」
「くしゅっ」
「うるさいぞ」
「ずみまぜん」
「・・・なんだその声は」
「いや、鼻水が・・・」
「チッ・・・・」
「おわっ」


人間には少し寒い時期らしいですから、ゆえさんは寒かったんでしょう。
ピッコロさんは舌打ちをしながらも、静かにゆえさんを抱き寄せました。


それにゆえさんは、何も言いません。

いっちゃいけないって分かってるんです。
からかったりしたら、ピッコロさんが怒るから。


「寒いなぁ・・・」


僕達はあまり寒さとか感じないんですが、ゆえさんは違うらしいです。

でも、確かに他の人より薄着で寒いと思います。
だってゆえさん、ピッコロさんと同じ服ですもん。


お気に入り、らしいです。

ピッコロさんとお揃いの道着。


「あ、そうだ。暖かくなる魔法でもつくろう」
「・・・・お前、一瞬で強い攻撃が出来る魔法を作るんじゃなかったのか」
「めんどくさくなった」


詫びれもなく答えたゆえさんに、ピッコロさんがため息を吐く。


「あー、魔法作るのめんどい」
「お前な・・・」
「えい!」
「のあっ!?」


可愛い掛け声と共に上がるピッコロさんの悲鳴。
驚いて本から視線を外すと、ゆえさんがピッコロさんを襲っていた。


襲ってるっていうより、抱きついてくるんですけどね。

ピッコロさんのマントの中に入って、嬉しそうに笑ってるのが見えます。


「んぁー・・・あったかーい・・・」
「重い。どけ、邪魔だ」
「ことーわるー」
「・・・・ちっ」
「きもちいー・・・あ、眠くなってきた・・・」
「おい。そのまま寝たら神殿から放り投げるぞ」
「んー・・・・」


ピッコロさんの怒った声も通用しない。
背中に抱きつくようにしてマントの中に潜り込んだゆえさんが、静かに目を閉じる。

あ。あれは寝そう。


思ってた通り、しばらくしてゆえさんは穏やかな寝息を立て始めた。


瞑想していたピッコロさんが、その寝息を聞いて舌打ちする。
でもゆえさんを神殿から放り投げるなんてことはせず・・・そっと腕を回してゆえさんを抱きかかえた。


「ったく・・・」


ほら、ね。

ピッコロさんは愛情表現が下手なだけなんですよ。

ゆえさんもそのことを分かってて、小さな愛情表現を見逃さないんだから凄いですよね。
僕はそんな2人を、ここでずっと見守り続けれたら―――すごく幸せだと思います。


僕に、恋愛なんて分からないけど。


ちょっとだけ、ピッコロさんが羨ましいです。


「おい、起きろ、ゆえ
「んー・・・・ピッコ、ロ・・・」
「抱きつくな!!動きにくいだろうが・・・っ!!」
「やーだー・・・・」
「・・・っ馬鹿野郎が」


そう言いながらしっかりお姫様抱っこして。
自分の部屋に連れて行くピッコロさんを、僕は見送りました。

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