Erdbeere ~苺~ ★36.日常が変わる時 忍者ブログ
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2025年03月09日 (Sun)
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2015年04月09日 (Thu)
36話/甘/戦闘/※ヒロイン視点

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いつしか日常に変化を求めていた。
でもこの平和な時が一番なんだなって気付かされた今日このごろ。


望んでない時にほど、変化というものは訪れるわけで。



今度行われる天下一武道会で、一日だけ悟空が生き返って参加するという話が私達に伝わった。
そこからだ。日常がボロボロと崩れ始めたのは。


戦いをやめていたベジータが、再度戦いに燃えて私に相手をしろと追いかけ始め。

悟飯とピッコロも修行にいつも以上の力が入って、私を体力的に追い詰める。


しかも最強サイヤ人の子供である”悟天”と”トランクス”までもが修行を始めたらしく。
時々神殿にやってきては、何故か私が相手をさせられていた。


「今日は平和だといいんですけどぉ・・・・」
「なんだ?今まで少しは賑やかな方がいいって言ってただろうが」
「でもピッコロとイチャイチャできないよー?」
「フッ・・・そんなにしたいのか?別に夜でもいいだろう・・・?」


神殿に近づいてくる気を感じながら、ピッコロと軽い口づけを交わす。

皆で修行を始めちゃうと、中々こういうこと出来ないから。
何度か口付けた後、私達が離れたのを見計らったように気の正体が姿を現した。


「あー、ピッコロさんとお姉ちゃんがイチャイチャしてるー」
「悟天・・・ガキみたいなこと言うなよなー。ねーちゃん可愛いんだからしょうがないだろ?」
「いやトランクス君。そこは夫婦なんだからしょうがないって言わないと・・・・」


全部おかしいことに気づけ。

わざわざイチャイチャしてることに触れるな。


・・・なんて色々怒りたい部分はあったけど、こいつらは今更なのだ。
悟天とトランクスのガキっぷりとそれに対する悟飯の優しさは今に始まったことじゃない。


「よく来たな、悟飯」
「はい!」


ピッコロも最初のうちは怒っていたが、もう慣れたのかあえて悟天達には触れず、悟飯に挨拶をしていた。

トランクスと悟天は私の方にまっすぐ走ってきてニコニコと笑みを浮かべる。
ここだけ見れば可愛いが、2人は超サイヤ人にもなれる超戦士なのだから侮れない。


しかも修行したんじゃなくて、なんとなくでなれたって言うし。

天才、というか。血筋というか。


「お姉ちゃん、こんにちわ!」
「遊びにきたぜ、ねーちゃん!」
「はいはい、こんにちわ」


足元でぴょんぴょん跳ねる2人を優しく撫でる。
もうこの時点で私のお腹ぐらいは身長あるから、子供って感じがしないんだけども。


そして親譲りの筋肉。

うん・・・やっぱりサイヤ人、恐ろしい。


「ねーちゃん、俺達と修行しようぜ!」
「しようしようー!!」
「なーんで私なのさ・・・ピッコロと悟飯がいるでしょー」
「ええー!?お兄ちゃん達とやってもつまんないもん!」
「そうそう、ソレにパパも修行するならねーちゃんとやれって!」
「・・・それはベジータが言ったのか」
「うん!」
「ほう・・・」


会話を聞いていたピッコロがニヤける。
ベジータをからかう材料が出来たと言わんばかりの表情に、私もつられて笑った。

確かに、ベジータがそんなこと言うなんて珍しい。


まるで私を認めてるような―――――そんな言葉だ。


「それに今日はねーちゃんとゲームしに来たんだぜ!」
「ゲーム?」


トランクスに言葉に笑みが引っ込んだ。


このガキたちの考えることだ。
ロクなゲームなわけがない。

一応聞くだけ聞こうと、トランクスに目線を合わせて座った。


「ゲーム?」
「そう!!俺達がねーちゃんに勝ったら、1個お願いごと聞いてよ!」
「ほーう?」
「もちろん、ゆえ姉ちゃんが勝ったら、僕達が何かしてあげるよ!」


なるほど。
この子達は私が魔法で色々出せるのを知ってる。

何か欲しい玩具でもあるのかな?と。

そんな呑気な気持ちで聞いた私は、このガキ達の無駄な知識に驚かされることになった。


「何がほしいの?玩具?」
「え、ねーちゃんに膝枕してほしい」
「ひ・・・・?」
「そうそう!!お兄ちゃんが、ピッコロさんがゆえお姉ちゃんに膝枕されてる時すごく幸せそうだったって言ってたんだよ!僕達もしてもらいたーい!!」


その言葉と同時に、遠くから悟飯の悲鳴が上がる。
どうやら組手をしている最中のピッコロが、こちらの会話を盗み聞きしていたらしい。

ご愁傷様、悟飯。

そしてご愁傷様、私。


こういう遊びが掛かったこの子たちを、いかに手加減して相手しきれるか。

全力を出してしまえば倒すのは簡単だけど、それじゃあ修行にならない。
だからといってちょうどいいレベルで打ち合えば―――体力的に死ぬのは私な予感。


「・・・・おーけー。分かった。その代わりいつもより厳し目でいくよ?」
「もちろん!!」
「俺達だって・・・本気で行くぜ!!」
「っ!!」


合図もなしに始まった勝負。

一斉に超化した2人が、私の真正面から気弾を放った。

もちろん当たらないけどその威力とスピードは子どもとは思えないもので。
通り過ぎた後のそれを見て、思わず冷や汗が流れる。


「うひゃー、なんて気弾だよ・・・・」
「どんなもんだーい!」
「こらこら・・・調子のんな、よっ!!!」
「うわぁあ!?」
「ぎゃあ!?」


神殿の床を破壊した罰として少し重めの攻撃を悟天に叩き込んだ。
そのままの流れでトランクスにも回し蹴りを入れ、吹き飛ばす。


トランクスは少し痛みに慣れてるのか、蹴られてもすぐに立ち上がった。

悟天はうずくまったまま、私に殴られた頭を押さえて座り込んでいる。


「う・・・・」
「へ?」
「うわあああぁん!!痛いよぉおお!」
「うえっ!?そ、そんなに強かったかな・・・!?」


今まで悟天が修行中に泣くことなんてなかったから、慌てて駆け寄った。

その瞬間、悟天が見せた表情に動きを止める。
全然泣いてない。こいつ、嘘泣き・・・!!


「隙ありぃ!」
「がふっ!」


顔を確認した瞬間には悟天の頭突きが私の顔面にヒットしていた。

後ろでケラケラ笑うトランクスの声が、やたら遠く聞こえる。


「ダメだぜねーちゃん、悟天の嘘泣きに騙されちゃ」


ああ、私が間違ってたんだ。
こんな大人と同じ力を持った奴らに、手加減する必要なかったんだ。

無言で立ち上がり、2人に対して満面の笑みを浮かべる。


笑みから私の怒りを感じ取ったのか、次に表情を歪めるのは2人の方だった。


「ね、ねーちゃん、子供相手にマジなんて大人げな・・・」
「問答無用じゃこのクソガキ共ぉおおおお!!」
「「うわぁああああ!!!」」
































子どもたちってこれだから恐ろしい。
雲のない青い空を見上げた私は、そんな私を見下ろす2人を見てため息を吐いた。


「ねーちゃんもう終わりかー?」
「痛かったけど、僕達まだまだやれるよ!」
「どんだけ元気なんだよ・・・・」


別に攻撃を食らったわけじゃない。
魔力を使い果たしたわけでもない。

でも、この子たちの相手をするのは疲れるのだ。


まだ戦いの基礎が出来ていない子どもたちは、どんな動きをするかも分からなくて。

チョロチョロと動き、予想の出来ない行動をする2人を相手にするのは疲れる。


精神と体力的に。


「ねーちゃーん?」
「もうギブアップでいいです・・・疲れた・・・」
「え、じゃあ僕達の勝ちだね、トランクス君っ!」
「やったぜ!!」


喜ぶ2人を尻目に、疲れ果てた私は寝転がったまま服を魔法で着替えた。

2人の服もついでに取り替えてやる。
あのまま帰したらブルマやチチが大変そうだしね。


「わ、服が綺麗になった!」
「魔法ってすげぇなぁ・・・それ、俺にも使えるようにならないの?」
「なりませんー。トランクスにはその力があるんだから十分でしょー?」


サイヤ人としてのその力は確かに2人に引き継がれてる。
修行の日々でそれを強く感じていた。


ベジータの血。悟空の血。

どちらも最強の戦闘民族の、そして天才の血筋だ。


そんな2人の子供だからなんだろう。
意識しなくてもここまでの力があるのは。


「さぁて・・・ほら、あんまり遅くなると怒られちゃうから、早めにね」
「!やったーーー!!」
「あ、トランクス君早いよぉ!!」


女の子座りでぺたんと座り込み、ぽんぽんと膝を叩いた。
それが何を意味するか分かったらしい2人が、照れ笑いしながら私に近づいてくる。


私の膝に預けられた2つの頭。

ゆっくりと頭を撫でてやれば、はしゃいでいた2人の瞼が静かに閉じる。


「むにゃ・・・・」
「んー・・・」
「・・・静かにしてれば可愛いんだけどなぁ・・・・」


指を通り抜けていくトランクスの綺麗な髪。

トランクスの髪はブルマに似たのかな。
さらさらで、凄く綺麗。


トランクスより子供っぽく眠る悟天は、悟空にそっくりだ。

子供の頃の悟空の写真とかあったら、きっと見分けがつかない。


「・・・きっとカッコイイ兄ちゃん達になるねー」
「なにしてるんだお前は・・・・」
「あ、ピッコロ、悟飯。修行終わったの?」


2人をまじまじと観察していた私の背中に、ピッコロの声が掛かる。
振り返れば汗だくの悟飯とピッコロが私を見下ろしていて。


・・・とりあえず、服を魔法で取り替えてあげた。


「私達は着替えたんだから、汗だくで近寄らないでよね」
「あはは、すみません・・・」
「謝ることないだろう悟飯。俺達はただ修行してきただけだ」
「あー、静かにしてください。2人が起きたらどうすんのさ?」


しーっと人差し指を立ててピッコロを静かにさせる。

意味に気づいたピッコロが私とトランクス達を交互に見つめ、少し苛立ったような表情で口を開いた。


「・・・俺はどうしてこういう状態になってるのか聞きたいんだがな」
「え、聞いてたんじゃないの?」
「・・・・あれは負けたらお前が言うことを聞く賭けだっただろう。お前まさか、こいつら相手に負けたのか?」
「そのまさかですー」
「なんだと!?貴様まじめにやらなかったのか・・・!!」
「なんでそんなに怒るのさ!?」


最初やりすぎた時は、手加減できるようになるのもお前の課題だとか言ってたくせに。

やりすぎないように調整して修行相手してたんだよ?
褒めてほしいもんだね。手加減も疲れるんだから!


ベーッと舌を出した私に、悟飯が耳打ちする。


ゆえさん、ピッコロさんは悟天やトランクス君達に嫉妬し「悟飯ッ」」


嫉妬?

いやでも、相手は子供だよ?
そんなことを思いながら見上げれば、ピッコロが気まずそうに私から目をそらした。


え、まじか。まじなのか。そんな表情。

――――ずるい、じゃん。


「っ・・・・」


あのピッコロが子供相手に嫉妬して。
しかもそれが悪いと気づいてて気まずそうにするその姿は。


いつも、嫉妬して何が悪い?って感じのピッコロを、覆すものだった。


やめてよ、そんな表情。ずるいってば。
ドキドキしちゃうよ。

夫婦になってもう5年以上経ってるのにさ。


ゆえさん、疲れたんじゃないですか?ちょっと顔が赤いですよ?」
「だ、大丈夫っ!それよりこの寝てるやつら連れて帰るのどうする?」
「起きてから帰らせればいいだろう」
「じゃあ、僕はそれまでデンデとお話してきますね!」


嬉しそうにデンデのところへ走って行く悟飯を見送りながら、隣に腰掛けたピッコロへ身体を預けた。

ごく自然なその行動を、咎めるものは誰もいない。


「家族みたい」
「・・・フッ。子供が欲しいのか?」
「んー・・・うめたら、欲しかったかな・・・」


私の体に性別は存在する。
でもこの体は所詮入れ物。天使や悪魔に生殖機能は備わっていない。

だからたとえ行為は出来ても、子を宿すことは出来ない。


正直言えば悲しい。

愛する人の子供を産みたいと思うのは、女性としての本能か。


別にいらないって思ってたのに、今ではこういう家族に憧れを抱く自分がいる。
考えこんでしまった私に気づいたのか、ピッコロが私の腰に手を回した。


「深く考えるな・・・聞いてみただけだ。別に産めないからといってお前にどうこういうつもりはない」
「わかってるけど・・・」
「お前がそこまで俺の子供を欲しがってくれるのは嬉しいがな。だが、永遠に出来ないとは限られてないだろう?」


耳元に落ちるキス。
わざとらしく音を立てて離れるそれに、私の身体がぴくりと震えた。


一応子どもたちが寝てるんだから、心臓に悪いことはやめてよね。

そう言いかけた私の口唇を、ピッコロの指がなぞる。


「いつかは願いが叶うかもしれん。その時はたっぷりと可愛がってやる」
「あー・・・変態発言で色々台無し・・・・」
「何が変態だ」
「いだっ!すぐ殴るんだから・・・あれ」


そういえば。


「ナメック星人って卵で子供産めるんだよね?ピッコロが産めば良「馬鹿か貴様はっ!!」」


ふと浮かんだ考えをすぐ口にしてしまった私は愚かかもしれない。

さっきよりも数倍強い力で殴られた私は、悲鳴すら上げられず涙を浮かべた。


「どうやったらそんな考えが浮かぶんだお前は!俺が産んでどうする!!」
「えー!?いい考えだと思ったのに・・・あ、でも純粋にピッコロの血しか引かないからだめかぁ・・・ひねくれそう」
「・・・ほう、言いたいことはそれだけか?」
「あ、まってピッコロ。ここで暴れたら2人が起きちゃうよ?」
「大丈夫だ。起きないようにするだけだ」
「え、それってどうい・・・・」


塞がれた口唇。
2人が膝の上にいて動けないことを良いことに、ピッコロは深く深く私に口付けた。

ああ、殴られるよりもタチが悪いです。


抵抗出来ない私はただひたすらこのお仕置きに耐えるしかなかった。


天下一武道会まであと1週間。
この平和な日々が続くかは、まだ分からない。

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