いらっしゃいませ!
名前変更所
地球の神様が誕生した。
凄く若いその神様は、あっという間にドラゴンボールを復活させて神としての力を見せた。
出来たドラゴンボールは悟空が回収しに行っている。
少しずつ明るくなる現状に、神殿も賑やかさを増した。
新しい神様デンデと、その隣で楽しそうに話をする悟飯とクリリン。
修行を続けるトランクス。
瞑想してるピッコロ。
・・・ほんと、賑やかだ。
「悟飯なにしてんの?」
暇になった私は、悟飯達のグループに首を突っ込んだ。
悟飯とデンデとクリリンの手元を見れば、何やら見たことのない文字の書かれたノートが置かれている。
「うへえ・・・なにそれ?何語・・・?」
勉強自体苦手な私は、悟飯の持ってる読めるノートと、デンデの持ってる読めないノートを見比べて顔を歪めた。
そんな私を見て、デンデと悟飯が楽しそうに笑う。
「これ、ナメック語のドリルなんです!」
「へ、へぇ・・・読めないからどんなのか分からないけど、偉いんだねデンデは・・・」
「僕のもドリルですよ?」
「読めるけどちょっとあの・・・・」
悟飯から見せられたドリル。
この子ぐらいがやってるドリルだから出来るはず、とか。
そんなこと思ったのは、馬鹿だったと思い知らされた。
見れば見るほど意味の分からない問題。
数式なんて、私が解けるものは一つもなかった。
「ゆえさんもやってみます?」
「私の反応を見て、よくやってみますとか言えるな・・・・」
「えへへ、ゆえさんの弱点なんて、中々見れないから」
「か・・・からかったな!?このっ!」
イタズラに笑う悟飯に掴みかかる。
ちょっと意地悪なところを師匠から受け継いだか?ん?
暴れる悟飯を魔法で押さえつけ、仕返しだとばかりに脇をくすぐった。
「あははははっ!!ひぃい!!や、やめ!!やめてくださいよーー!!」
「いくら兄弟子とはいえ、年上をからかうのは良くないなぁ??」
「い、もう、もうギブアップ・・・・っ!!」
ひぃひぃと荒い息を吐く悟飯に満足し、魔法を解いてやる。
するとすぐに悟飯が私の手を押さえ、にっこりと笑顔でクリリンと目を合わせた。
「クリリンさん」
「お?なーるほどな、いいぜ?」
「あ、ちょっとこら、今からかうなっていったばっか・・・!?」
二人の表情の意味に気づいた私は腕を振り解こうとするが、力の差は歴然。
さすがに悟飯の力の方が強かった。
あっさりと両手を取られた私は、クリリンと悟飯にくすぐりの仕返しを受けて転げる。
「あははははは!!!や、やめてえぇええ!!!!」
「そらそらぁ!」
「仕返しですよー?」
「っ・・・・のやろ!!!」
やってくれやがったな、こいつら。
魔法で二人を軽く弾き飛ばした私は、指をパキパキと鳴らしながらワザとらしく微笑んだ。
それを見た二人の笑みが、ぴしりと凍りつく。
「あ、いや、ゆえさんあの・・・・」
「ったく・・・クリリンはともかく、純粋な悟飯はどこいっちゃったの?あんな意地悪い奴が師匠だから意地悪くなるんだよ」
「え・・・そ、それはピッコロさんに怒られますよ?」
「そうだぜゆえ。仮にもお前のお師匠さんでもあるだろ?」
「でも否定出来ないでしょーが」
「ま、まぁ・・・?」
そう言う二人の顔も、少し笑ってるのは気のせいじゃ無いはずだ。
否定出来ないんだろう。一応悟飯も相当ひどい修行つけられてたし。
クリリンもピッコロの戦いを見てきたから、ね。
優しい部分があるってことも分かってるから出来る、会話だ。
「おい、ゆえ」
「んうー?」
私達の話にデンデも混ざって修行や勉強の話をしていると、ピッコロが私の肩を叩いた。
好き勝手言ってたから怒ってるのかと思いきや、普通に荷物のように抱えられる。
「へ?」
「修行の時間だ。さぼるな」
「あ、いやあの、私まだ悟飯達と会話が・・・」
「俺の悪口を言うのは会話とは言わん」
「わーーー!!悟飯、デンデ、助けて・・・・!!」
手を伸ばした先の二人が、苦笑いしながらドリルを開いた。
あ、あれは完全に私を見捨てる感じのやつ・・・!!
「つべこべ言うな。さっさと来い」
「ひぃいいぃい!!」
神殿の出入口とは逆の、下界が見える神殿の端っこへと引きずられていく。
どうせ逃げることが出来ないと分かっていた私は、静かにピッコロの肩に手を回した。
それに応えるかのように、ピッコロの手が私の腰に触れる。
そして突然、視界がぐるっと回った。
荷物抱きだった自分の身体が、お姫様抱っこの状態に変わる。
「今日は何の修行?」
「今日は普通の組み手だ。久しぶりに、な」
「イエッサー!」
ピッコロの優しい笑みに、ピシッと敬礼を返して地面に降りた。
優しい表情をすぐに厳しく変化させて構えるピッコロは、やっぱり師匠だ。
悪口とか言いまくってたけど、ちゃんと信頼してるんですよ?もちろん。
言わなくても心の中で読んでるだろうから、言わないだけで。
きっとピッコロも分かってるから怒らなかったんだろう。
可愛いところあるなぁ、なんて、呑気なことを思ってた私に響く”低い”声。
「さぁて・・・俺に勝てたらさっきの悪口を聞かなかったことにしてやろう」
「え?」
「負けたら・・・どうなるだろうな?」
「い、いや、あ、あのそれは!!」
「始めるぞ!!」
前言撤回。
やっぱりこの人は可愛いんじゃなくて、意地悪です。
ピリピリと痛む腕と足。
攻撃を受け続けた身体が痛むのを我慢しながら、私はピッコロのベッドに寝転がった。
もちろん修行は容赦無く、負けました。負けましたとも。
悔しさに口唇を噛み、痛む傷口にそっと手を這わす。
「っだあぁあ・・・・!!」
「フン。まだまだだな」
「のわ!入ってくるならノックしろ!」
「ここは俺の部屋だ」
「あーあーそうですねー!」
スカートを肌蹴させて傷口を治療していた私は、突然入ってきたピッコロに慌てて足を丁寧に閉じた。
「・・・・痛むか?」
「んー、もう少しで大丈夫。次は勝ってやるからね」
「あぁ・・・楽しみにしておいてやる」
マントとターバンを消しながら私に近づいてくるピッコロ。
その手慣れた光景に、トキメク。
二人きりの時間のピッコロは少し違う。
二人きりだということを分からせるような甘い言葉を、平気で吐くようになるから。
皆の前だと厳しいのは、これの反動なのかなって思ったりするぐらい。
腰に回された手を感じながら、治療を続ける。
「段々足技はまともになってきたな」
「あ、ほんと?確かに足のほうが使いやすいんだよねー」
「お前はバランス感覚がいいからな。逆立ち状態でも足技に持ち込めるのは高評価だ」
「褒められると照れるなー」
調子に乗るなって言われるのは分かってるけど、滅多にないお褒めの言葉。
にやけながらピッコロの身体に背中を預ける。
じんわりと温まっていく身体。魔法が効き始め、痛みも無くなってきた。
後はふくらはぎぐらい。
ついいつもの癖でスカートをめくろうとした私は、ピッコロが居ることを思い出して手を止めた。
「ピッコロ、後ろ向いててよ」
「何故だ?」
「・・・パンツ見えちゃう」
「今更だろうが」
「やだなー、恥じらいぐらいないと、女の子度がどんどん下がっちゃうでしょ?」
「自覚はあるんだな?」
「うわひど・・・」
ぐったり肩を落とし、私の後ろから引く気のないピッコロに諦める。
少し足を広げてふくらはぎに手を伸ばしたその瞬間、がしっと私の手を掴むピッコロの手。
「この体勢じゃやりにくいだろう?」
「え?いや、全然別に大丈夫」
「遠慮するな・・・・」
「のわぁああっ!?」
掴んだ手を引っ張られ、ベッドに押し倒された。
そのままピッコロは私のスカートを遠慮無くめくり、ふくらはぎに手を伸ばす。
じんわりと熱くなる肌。
それは触れられているから、だけじゃない。
驚いてピッコロの方を見れば、ピッコロの手から淡い光が放たれていた。
私の治癒魔法とさほど変わらないその力に、恥じらいも忘れてはしゃぐ。
「え、すご!!デンデみたいなこと出来るんだ!?」
「・・・少しなら、な。これは神の能力だ」
「へー!!じゃあこのままお願いしますっ」
「あぁ・・・任せておけ」
ニヤリ、と。
意味深な笑みと同時に私の身体がぴくりと跳ねた。
治すだけなら必要のないであろう、その手の動き。
治療する場所をすぅっと撫でるピッコロの手がくすぐったくて、思わず声を漏らす。
「ふ・・・・ぁ」
「ん?どうした?痛むか?」
「い、いや・・・大丈夫、です・・・」
ワザと違う心配をしてるって分かってるけど、何も言えない。
厭らしく焦らすような動きが、段々と私の思考を奪っていく。
やがてじんわりとした熱が引き、ピッコロの手がゆっくりと離れた。
そこにあった傷跡は一つ残らず消えている。
「あ・・・・」
「何を呆けてるんだ?終わったぞ」
「あ、ありがとー!さっすがピッコロ!」
身体を、動かせない。
「何してやがる。さっさと退け。俺が寝れんだろうが」
やだ。
・・・いやだ。
でも口から強請ることは言えない。
プライドなんてゼロ。ただ恥ずかしいだけ。
「・・・・やーだ」
「ほう?」
「あぁああぁ潰れる!!潰れますっ!!!」
ベッドに仰向けになってた私に、そのままピッコロが倒れこんだ。
2メートル以上のガタイのいいやつが倒れこんでくれば、死にそうになるのは当たり前で。
「あ、お花畑・・・・」
死にかけてぐったりと沈み込んだ私を見て、ピッコロが仕方ないと身体を上げる。
まるで私を食べてしまう前のようなその格好に、またドキドキした。
や、やだな、なんか。私だけ欲情してたら。
熱い目で見つめても、ピッコロは目を細めて私を見ているだけ。
「ね、ピッコロ・・・・」
こういう時のピッコロは何を考えてるか分からなくて、もっと言葉を言い難くさせる。
私に言わせたいから、意地悪で黙ってるのか。
それともただ、本当に気づいてないのか。
分からない。
だから、むかつく。
私だけが翻弄されているようで。
「ピッコロ」
だから、つい。
負けたくなくて慣れないことをしようとする。
「なんだ?」
「んー、なんでもー?」
「っ・・・・」
私の顔の横についてる手に、擦り寄った。
女の色気とか皆無なのは知ってるけど。
必死に色気とか女の子要素を絞り出す。
出せてるのか分からないけど出す。
「大好き」
私に出来るのは、触れることと、ただ気持ちを真っ直ぐ伝えること。
色気で言えばピッコロの方があるんだもん。
「・・・・キス、したいな・・・・」
「ゆえ・・・・」
「お願い・・・・」
きっと真っ赤なんだろうな、私。
目を瞑ってピッコロのキスを待つが、何も来ない。
疑問に思って目を開けると、ピッコロの笑みが私を震わせる。
ああ、あの笑みは。
「したいんだろう?」
精神と時の部屋で教えられた全てが疼く。
何度も何度も、彼が魔族だということを刻まれた身体が、心が。
「う・・・」
「ほら」
「・・・っ」
自分からしろと。
無言で命令する視線が私に注がれる。
赤い目に食べられてしまいそうな感覚。
吸い込まれるように上半身を起こして、口付ける。
「ん、ぅ」
「んっ」
ピッコロから漏れた吐息。
やっぱり私も悪魔だから、さ。
考えることは魔族と一緒なんだよ。
欲しい。
欲しいものは、いくらでも、貪りたい。
「は、ぁ・・・ピッコロ・・・」
何だ?
そうやって意地悪に囁かれる。
「ね、ぇ・・・分かってる、くせにー!」
「分からんな・・・どうしてほしい?」
「変態意地悪」
「フッ・・・別に俺はいいんだぜ?このまま寝ても」
「うぐ・・・」
「嫌なんだろう?」
じわじわとなぶられていく感覚。
意地悪って言葉すら、彼にとっては褒め言葉だとかいってたっけ。
「日に日にピッコロが魔族に戻っていくよ神様・・・」
「言ったはずだ。元は俺のままだと」
「分かってますよーっだ」
「その調子なら言えるだろう?さっさと言いやがれ」
痺れを切らしたピッコロの、威圧的な命令。
私の両手はピッコロの片手に押さえつけられ、身動きが取れなくなる。
この先なんて安易に想像できることなのに。
進めてくれない。進んでくれない。
結局負けた私は、ボソリと小さく呟いた。
悔しいから、もちろん素直には言わない。
「・・・・今夜は寝かさないぜって言ってください」
「やりなおせ」
「・・・・こ、今夜は寝かさないぜ!」
「・・・分かった。よほど酷くされたいようだな?ご希望通りたっぷりと苛めてやる」
「あ、言い直す!!言い直すから、待ってピッコ・・・っ」
―――――全敗。
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