Erdbeere ~苺~ 恋?へどが出るね 忍者ブログ
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2015年03月07日 (Sat)
桐生夢/龍0カウントダウン/切/※ヒロイン視点

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「雑魚が」


チェックのミニスカート。
高校生だということを思わせるブレザーの制服。

私の身を纏うあどけなさの象徴は、色んな人を惹きつける。


イヤラシい男。
金目的の男。

遊び目的だって。


揺れるスカートを叩いて、地面に転がる男をもう一度蹴りつける。
反応すら見せなくなったその男に舌打ちし、胸ポケットから財布を抜き取った。


こんな行為でも止める奴は居ない。

裏の世界は実力主義。たとえ女でも勝ったモンが上。
倒れる男にワザとらしく財布を落とした私は、抜き取ったお金をポケットに入れて裏路地に身体を滑りこませた。


「よぉ、お嬢ちゃん」
「・・・ちっ。今日は大量だな」
「おうおう、威勢がいいなぁ?」


裏路地に入った先に三人。
また絡まれた私は、にんまりと笑った。

誰求める奴は居ない。

私が間違ってると怒る奴も。


――――いや、正しくは居る。


いるけど、私を止めれるのはその一人だけ。
そして私自身、そいつ以外の言葉で止めるつもりはない。

こうすることでしか彼を呼ぶことは出来ないから。

無意識にするんだ。悪いこと、を。


「私は苛立ってんだ。邪魔すんな」
「可愛いお嬢ちゃんなんだから、大人しく俺達と遊ぼうぜ?」
「私は野蛮なことの方が・・・好きなんだよ!!」
「がはっ!?」


腰に手を回そうとした男の顔を思いっきり殴る。
反撃のパンチも軽く避けて、それから微笑むんだ。


”無様だな”って。


私が生きれる世界はここしかない。
そんな世界から抜けだそうと思わせてくれた人も、私ではない人を見ている。


だから今日も、暴れるんだ。


暴れて、私ではない人を見てる彼をわざと呼び寄せて、その一時だけでも幸せを。
どんな女よりも女々しいことをしているのかもしれないと、苦笑する。


「はぁ。そんなもんかよ」


スカートがめくれてることすら気にしない。
また静かになった裏路地で、倒れた男を退かすために足を上げた。

その足は、振り下ろされない。

後ろから私を咎めるように、誰かの手が触れたから。


「また暴れたのか」
「遅い到着で?」


桐生一馬。

私と彼が出会ったのは、同じ施設でのこと。


その時から裏の世界で働き始めていた私を、桐生は止めた。
お前みたいな女に、この世界は似合わないと言って来たんだ。

最初は馬鹿にしてた。

最初は、ね。今ではそれに惹かれてる。


――――でも。


彼は違う人を見てる。
いつも一緒にいる、幼なじみの女の人だろう。

私が目に入ったのは偶然。

そう思うと苛立って暴れてしまう。彼を呼ぶために。


彼をこの時だけでも、私の目の中に、いれるために。


「ったく・・・お前は少しぐらい女らしくできねぇのか」
「これが限界」
「1ミリもらしくしてねぇだろうが」


わしゃわしゃと大きな手が私の頭を撫でる。


子供扱い?
ああ、本当にムカツク。


私を見てくれよ。
お前があの女を見てるように。

私のことも。


「私の女らしさがこれなんだよ」


お前を呼ぶためだけの暴力。

桐生、私は。


お前に会いたいために、暴れてるんだ。
これを女らしくないなんて、失礼だな?


「大体、お前の扱い方もなってないからこうなんだよ。少しはレディとして扱って?」


わざとらしく声のトーンを上げて桐生の前に手を伸ばした。

いつもやってる他愛のない会話。
馬鹿言うなって手を払われて、帰る。それがいつもの光景。


でも今日は手が払われることは無かった。

代わりに触れる、大きな手。


「お望みのままにしてやるよ」


煽り返された。
ドキリとしてしまう自分に、嫌気がさす。

そのまま手を引かれた私は、桐生と共に夜の街に溶け込んだ。


ああ、ずっと。
これが夢なら醒めなければいいのにと思うほどに。


求めていた温もりが、今、私の手に触れている。

欲しい。
その温もりを永遠に私のものにしたいよ。


「変な桐生」
「お前に言われたくねぇな」
「なにそれ、私が変ってことか?」
「あぁ、変だぜ。いつもとは全く違う」
「・・・」


一番じゃなくていいさ。
こうやってお前を少しでも私の傍に置いておけるなら。

叶わない夢でも。


私は、裏の世界の女だから。
どんな醜い愛でも構わない。


「暴れられたくないなら、さっさとエスコートしろよ王子様」


期待なんかしない。

初恋なんて、叶いやしないって知ってるからな。

いいんだよ。
私にはコレがお似合いなんだ。


愛なんてイラナイ。

欲しいのはただこの時間だけ。


さぁ王子様。
夢が醒めるまで、エスコートしてくれ。
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