Erdbeere ~苺~ ★12.探しものは向かってくるもの 忍者ブログ
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2015年02月22日 (Sun)
12話/戦闘/※ヒロイン視点

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セルに逃げられた私達はバラけて行動を開始した。

トランクスとクリリンは研究所の破壊。
私と天津飯とピッコロはセルの捜索。


・・・でも結局見つけられなくて、八方ふさがり。

セルは気配を消すことが出来るらしく、どこを追っても見つけることが出来なかった。


このまま、セルの成長を見ていくしか無いのか?
そんな弱気になっていた私達に、病気から復活した悟空が希望を残していった。

ベジータやトランクス、悟飯と共に超サイヤ人の壁を超える・・・と。

そう告げて彼らは修行に出たのだ。


今その彼らの成長が、私達の最後の希望。
できればそんな不確定要素には頼りたくなかったと、ピッコロの心の声が聞こえる気もしたが。

でも私達にはもう、それしか道がない。


「おのれ、セルめ・・・・!!」


ベジータや悟空たちを待つ間、私達は亀ハウスでお世話になっていた。

気配を消し、気も消し、更に私達の気を読めるセルを捕まえるのは無理なことで。
テレビに映し出されるセルによる町の被害が、ピッコロの怒りを増加させた。


「ピッコロ・・・」
「・・・・くっ」
「大丈夫だよ、ピッコロ。それよりもほら、今は皆を寝かせてあげないと」


あまり寝る必要がない私達は起きたまま、テレビで被害状況を確認し続ける。
怒りたくのも分かるけど、ピッコロの怒鳴り声のせいでクリリンが寝付けてないから、私はピッコロを止めた。


「チッ」
「落ち着かないなら、修行でもする?」
「・・・あぁ、そうするか」


危険な敵とはいえ、ただ指くわえて待ってるような私達でもない。

ピッコロの手を取って立ち上がった私は、にんまりと笑ってピッコロの顔を覗きこんだ。


こういう時だからこそ必要な、気分転換ってやつ。
ただ修行に行こうとしていたピッコロの目の前に、魔法で4枚のトランプを出す。


「・・・なんだ?」
「普通に修行したってつまんないでしょ?今日は特別コースにしよ!」
「特別?」
「そそ、このトランプで引いた内容でしか戦えないって勝負はどう?」


ピッコロの目の前にかざした4枚のカードに、それぞれ「気弾のみ」「近接のみ」「防御禁止」「回避禁止」の文字を刻んだ。

そしてそれを、「気弾のみ」「近接のみ」でワンセット、「防御禁止」「回避禁止」でワンセットにして両手に持つ。


「ささ、両手から1枚ずつ取ってー!」
「ほう・・・面白いことを考えるな」
「こういう縛られた状況ってのに対処できるのも大切でしょ?」


もっともらしいことを言いつつ。
本当はただの私の思いつき。


修行をしてる間ずっと感じてたけど、最近のピッコロはちょっとピリピリしてて、思い詰めてるようだったから。


まぁ、無理もないけどね。こんな状況だもん。
神様と融合した分、下界の人間の被害に敏感なんだろう。


「ではこれにするか」


そう言ってピッコロがトランプに手を伸ばした瞬間、家全体が揺れてトランプが手から滑り落ちた。
感じた振動と嫌な気配に、私とピッコロは顔を見合わせて窓の外を見に行く。


「・・・・・!!!」
「チッ・・・・良いか悪いか分からんタイミングに・・・!!」


窓の外に見えたのはあの時の三人の人造人間だった。


そしてこの中の二人が、セルの狙ってる人造人間。


完全体にさせなければいいのだから、この二人がここにいるのは都合が良い。
でも彼らは決して私達の味方ではない。だからこそ、都合が悪い。


「起きろ。最悪の敵のお出ましだ」


そう言って寝ていたクリリン達を起こしたピッコロは、静かに外に出た。

外では17号が先頭に立ち、出てきた私達に笑みを浮かべる。


「さっさと帰るんだな。孫悟空はここには居ない」
「そうだろうな。では、場所を教えてもらおうか?」
「・・・・俺達がそう素直に話すと思うか?」
「なら無理矢理にでも喋ってもらうさ」


ピッコロから感じる力は確かなものなのに。
それに動じることなく静かに話す17号は、やはり恐ろしい。

18号の強さも、もちろん知ってる。

あの時私が本気で殺すために狙った二人。


本来の戦い方をすれば、私でもあの二人は倒せる。
――――最悪、もし最悪の場合は、私が二人を破壊して・・・!!!


ゆえ
「・・・っ!な、なに?」
「無茶をしないと誓うならお前も来い。・・・正直、お前の戦力も必要だ」
「えー?約束は出来な「じゃあ来るな」」


本気、だった。
久しぶりに見た、私に向けられる本気の冷たい瞳。

無茶をして倒れた後のピッコロは心配をしてくれていた。

でも今のは違う。完全な、怒り。


「・・・・うそ、だよ。約束する。無茶しない。だからつれてって」
「あぁ。・・・お前たちも来い。向こうに誰もいない島がある。そこでやるんだ」


ピッコロが指さした、無人島が点々とする方角。
人造人間達はすんなりそれを受け入れると、私達よりも先に飛んでいってしまった。

今回の目的は17号と18号。

ピッコロがどっちかを倒すだろうから、私がもう片方をやるはず。
それなら大丈夫。あの時みたいに力をフルに使わなくてもいける。


「ピッコロ!」
「クリリン。お前たちはここにいろ。無駄だということはお前たちも分かっているだろう?・・・行くぞ、ゆえ
「アイアイサ!」


心配そうに見つめるクリリン達に手を振り、私もピッコロと一緒に無人島を目指した。

正直、今のピッコロがどこまでやれるかは分からない。
このまま17号と18号を破壊できればいいけど。


無人島に足をつけると、18号と16号は大きな岩に腰掛けてそっぽを向いた。

私達に向かう気配を見せるのは17号だけ。・・・これは。


「・・・・貴様一人か?」


ピッコロが煽るように尋ねる。
すると17号は私とピッコロを見比べた後、私の方を見て笑った。


「一人でいいだろ?それとも、”武士道精神”を傷つけるつもりかな?そこの女は」
「なっ・・・・」


17号が睨み合ってる相手はピッコロ。
その発言が意味するのは、”私には見ていろ”ってことだろう。

2対1なら、隙をついて魔法で破壊ってのが確実に出来るのに。
何も言わず17号から目を逸らした私は、18号と16号が座っている岩の傍に腰掛けた。


「これでいいんでしょー?」
「こいつが物足りなかったら参加させてやるよ」
「ハッ・・・俺は前の俺とは違う。ゆえが参加する必要など・・・ない」


17号の挑発に乗って気を高めていくピッコロを見て、これから戦いだというのに、危険だというのにニヤけてしまう。


彼の戦いを見るのが、正直好き。
私にはない鋭い判断と重たくて素早い攻撃。

確かに力押しだけなら私のほうが強いのかもしれない。

でも私がしたい戦いは、ただ力を押しこんで相手を潰すような戦いじゃない。


天使のころ、神の星々を守っていたころは、そんな戦いばかりだった。
生まれ持った絶大な力で、相手を抑えこんで、地獄送りにするだけのそんな戦い。


「・・・あー、やっぱかっこいいなぁ」


ピッコロの戦いを見るたび出る、私の最近の口癖だ。
戦いの駆け引き。そして打ち合う攻撃。ピッコロ特有の器用な技の数々。

見ていて、ドキドキする。


「ねぇ」


特に応援するわけでもなくピッコロと17号の戦いを見ていた私に、18号の声が掛かった。
まさか話しかけられると思ってなかった私は、びくっと肩を揺らしてしまう。

振り向くと、冷たい表情のまま18号が私を見つめていた。


あ、でも、近くで見ると凄く美人。


「ねぇ、アンタ魔法みたいなの使ってただろ?アクセサリーみたいなのは出せないのかい?」
「え?あ、う、うん?出せるけど・・・?」


なんでいきなりそんな。

そんなことを思いつつ18号の服を見た私は、最初に会った時とかなり違う服を見て、18号がオシャレ好きなんだということを理解した。
別に今この時点では、18号と邪険にする必要もない。


「何か出して欲しいの?イメージ伝えてくれたら出すけど・・・」
「・・・へぇ?アンタ物分かり良いじゃん。ならこういうのがいいの」


18号はゆっくりと立ち上がり、地面に欲しいアクセサリーを描き始めた。
後ろでは戦いをしている音が聞こえるというのに、なんて呑気なんだろうとまた笑ってしまう。

でもこうして傍にいれば、警戒心を解ければ――――最悪な場合でも18号を即座に破壊出来るから、都合は良い。


「シンプルなワンポイントブレスレットだねー。了解したよ!任せて!」


描かれた図を見て、頭の中でアクセサリーを想像する。

ゆっくり、ゆっくり。
材質、色や形、きちんと考えてそこら辺にあった岩に魔法を掛ければ、音を立てて岩がブレスレットに変わる。

それを18号にそっと手渡した。


「はい、完成!」
「・・・驚いた。本当に魔法だね、アンタの力は」
「まーね?」


後ろでぶつかり合う気は、まだ高まる。
だがあえて私はその方向を見ないで18号との会話に専念した。

今のうちにこの人達の、心の中が知りたい。

あの時は本気でぶつかり合ったけど、私達を殺してはないから。
もしそんなに悪い人じゃないなら、未来のトランクスが言ってたような人造人間とは少し違うなら・・・私は、この人達を殺したくはない。


どうにか、セルには吸収されないようにする手立ても考えないといけなくなる。


「ねぇ、アンタ」


また話しかけてきたのは18号の方だった。


「うん?」
「アンタ、あの時・・・全然本気じゃなかったろ?」


18号が言ってるのは、私と戦った時のことだろう。

確かに私は本気じゃなかった。
本気の力を出せば自分の悪が暴走する。
前まではそれに恐れを抱いてはなかったけど、今は怖い。それが怖い。

ピッコロや皆と、それをキッカケにお別れしなきゃいけないのが、イヤなんだ。


「・・・どう、だろね?でも本気になったとしても、18号達には勝てないよ」
「ふぅん?」
「ね、今度は私からも質問していい?」
「アクセサリーまたくれるんならね」


げ、現金だなこいつ・・・。

しょうがないからもう1個適当にネックレスを作って渡す。


「ふふっ、ありがとー」
「じゃあ・・・聞かせて?アンタ達は孫悟空を殺すつもりなの?アンタ達のほうが上ってわかればそれで・・・・いいんじゃないの?」


私の質問に、18号が少しめんどくさそうな表情をした。
胸元のネックレスをいじりつつ、私の方を見ずに答える。


「私は別にどうでもいーよ。私達には目的がそれしかないってだけだ」


―――――やっぱり。


未来の人造人間たちとは目的が違う。
トランクスの話じゃ、凶悪であっさり人を殺してしまうような感じの存在だったけど。


「・・・・そっか」


逆に、困っちゃったな。
殺しにくくなってしまった。

セルの完全体を防ぐためには、最低でもどっちかを殺さなきゃいけない。

これはピッコロが、17号を倒してくれるのを待つしかないだろう。
そう思いながら空を見上げれば、本気になったらしい17号とピッコロが撃ち合っていた。


「アイツ本当に強いよ・・・17号と互角だ」


18号の呟きに私も頷く。

スピードは正直17号の方が早い。
そこは負けているのは確かだ。

だが力はピッコロの方が上、かもしれない。


「別次元の強さになっちゃったなー」


こりゃまた修行が厳しくなっちゃうなぁ、と。
そんな呑気なことを考えていたら、あまり感じ覚えのない気配が傍にいるのを感じた。


あまり深く考えること無くそちらの方を振り向く。

そして、思わず叫んだ。


「セ・・・セル!!!」
「なに!?」


戦いを止め、ピッコロも私達の方を向いた。
そこに佇む姿は、間違いなくセルそのもの。

・・・最悪の状況だ。

17号と18号は破壊しきれてない。
しかもピッコロは戦いで体力を消費している。


それに、今のセルの力は、正直。


「・・・前とくらべて、全然、違いすぎる・・・」


どれだけの人間を食ったんだろうか。
前にセルと対峙した時とは違いすぎる力の大きさ。

その力の大きさに気づいたのか、ピッコロの額に汗が浮かぶ。
私も18号を守るようにして構え、武器を取り出した。


「さぁ、記念すべき完全体への・・・道のりだ」


そう言いながら隣を歩いて行くセルを、ピッコロは止めない。


「貴様、それだけのパワーアップを・・・一体どれだけの命を犠牲にした!!」
「犠牲?むしろ光栄なことだと思ってほしいな」


平然と言ってのけるセルの足は、真っ直ぐ17号へと向かっている。

どうすればいい。この時点でセルの力はピッコロ達より上。

もしこいつが完全体とかいうのになってしまったら。
本当に、世界は終わりかもしれない。


「なんだ?お前は。今はアイツと遊んでるんだ・・・とっとと消え失せろ」


17号の言葉に、セルはニヤリと笑って尻尾を構えた。
ピッコロが慌てて駆け寄り、叫ぶ。


「17号、逃げろ!!こいつはお前たちを殺し、吸収するつもりだ!!!」
「・・・・何!?」


その言葉と同時に、セルが動いた。
尻尾で17号を狙うように戦っているが、それだけでもセルの動きに17号はギリギリの対応しか出来ていない。


17号の腕がセルに捕まり、尻尾が17号の目の前に向かう。
それと同時にピッコロの蹴りがセルの頭を押しのけ、吹き飛ばした。

私も18号達に簡単なバリアを貼った後、ピッコロ達と合流する。


「・・・・・」
「あいつが俺たちを吸収する?どういうことだ!」


17号の言葉に、ピッコロは構えながら説明を始めた。
その間も、吹き飛ばされたセルが体勢を立てなおしてこっちに向かってきている。


「簡単に言うぞ。あいつはセル。ドクターゲロのコンピューターが創りだしたバケモノだ」
「なっ・・・・」
「今はまだ未完成だが、貴様と18号を吸収して完全体になるらしい」
「そうだ。喜べ兄弟たち!!私の身体の一部になることで、どんな力にも勝る存在になるのだ!」
「ふざけるな。誰がお前なんかに・・・それに最強の存在なら、ここにいるだろ?」


17号の自信満々の発言を、セルはあざ笑った。


認めざるをえない。
17号より、セルの方が強いってことを。

17号と18号にはパワーレーダー的なものがついてないのかもしれない。
だから悟空の場所を、こうやって聞き出そうとしてるんだ。


「お前たちの意志などどうでもいい・・・吸収されることはもう決まっているのだ」
「17号!!逃げろ!!」


そう叫んだのはピッコロではなかった。
無口のまま佇んでいたあの16号という人造人間が、叫んだのだ。


「敵の戦闘力があまりにもでかすぎる!そいつを完全体とやらにしてはならない・・・!もはや全宇宙が滅びる!!!」


あいつには、パワーレーダーがついてるのかな。
この中でセルの実力が分かってるのは、私とピッコロと、あの16号だけみたいだ。

しかも今の言葉は、17号には逆効果だったようで。

17号は馬鹿にするなと叫びながら、セルに飛び込んでいってしまった。


「やめて、17号!!」


何とか引きとめようと手を伸ばすが、届かない。
17号はそのままセルに反撃を食らい、一撃で地面に沈んだ。

ピッコロがそれを阻止するために殴りかかるが、また反撃で吹き飛ばされる。


「っ・・・・ピッコロ!!」


一撃。

17号から受けた一撃は平気だったのに、ピッコロはたったその一撃で足を震わせていた。

私も急いでピッコロの援護に入り、セルの至近距離で魔弾を放つ。
だがそれは何の傷にすらならず、反撃に強烈な一撃を食らうだけの結果になった。


「がッ!!」
ゆえ。お前は面白い存在だ・・・お前だけは完全体となった私がじっくりとその正体を暴いてやる、だから・・・」
「あぐっ!!?」
「私に殺させるようなことだけはしないでくれ」


また、首筋に重い一撃。

意識が飛かけるのを感じて、何とか持ちこたえる。


「ッ・・・なめ、ないでよね・・・・」


そうは言っても、ダメージはでかい。
ふらつきながらその場に座り込んでしまった私は、ピッコロが最後の力で技を撃とうとしているのを見て、慌ててバリアを張った。


それと同時に吹き荒れる、気の嵐。

ぴりぴりと音を立てるバリアを見て、やったか!?と一瞬喜びそうになるが、その喜びもたった数秒。


「・・・生きてる」


海の中にあるセルの気配。
しかもほとんどその気は減っていない。

力の差を完全に知ったピッコロが、17号に逃げろと叫ぶ。


――――その、瞬間だった。


「がっ・・・!?」


目の前で、ピッコロの首がぐにゃりと曲がる。
セルの一撃により、首の骨が折れたのだ。

慌てて私は吹き飛んだピッコロの傍に駆け寄り、魔法でその首を癒やした。
その間もゆっくりと歩み寄ってくるセルを気にしつつ、全力で治癒に魔力を注ぐ。


最悪、私が何かの攻撃を食らってもいい。

今はピッコロの治療が先だ。


「言っただろう?殺させるようなことはしないでくれ、と」
「知ったことじゃないね。私にとって、ピッコロの命は自分よりも重い」


私の手の中で、ピッコロが静かな息を取り戻す。
治療が終わったことを感じ取ってすぐ、私はピッコロを守るように手を広げた。


「そいつは邪魔なんだ」
「私も邪魔でしょ?」
「・・・なら少し痛めつけるしかないな」
「やれるもんならやって・・・がっ!!!!」


嘘、だ。

見えなかった。


「う、ぐ・・・っ」


たった一撃でピッコロが倒れた理由がよく分かる。
さっきよりも少し重たい攻撃を腹部に貰った私は、吹き飛ばされた場所から立ち上がることが出来なかった。

なんて、奴だ。

これでも手加減してますって感じの顔、しちゃって。


ゆえ・・・!」


目を覚ましたピッコロが、か細い声で私を呼んだ。


「だ、大丈夫」
「お前は・・・逃げろ・・・!!」
「え・・・・」


力の差を、分かっているからこその言葉。
だからって私が、逃げれるわけがない。

ピッコロの声に気づいたセルが、転がっているピッコロと目線を合わせるようにしゃがみ込む。

そしてその手を広げ、大きな気を溜め始めた。


「ッ!!!」


まずい。
あの至近距離で、ピッコロに気弾を放つつもりだ。

まだ首の骨を治しただけだから、完全に動ける状態じゃない。
あんな距離で撃たれたら逃げられない―――最悪、死んでしまう・・・!!!


「ピッコロ!!!!」
「死ね!!」


動けないはずの身体を引きずって。

気づけば私は、セルとピッコロの僅かな隙間に身体を滑りこませていた。


驚くセルの表情。
目の前に広がる、輝く光。

腹部に感じる、熱。


抜けていく力。


「あ・・・・・」


同時に私はなんとか手を伸ばし、セルを魔法で出来るだけ遠くに吹き飛ばした。
そのまま、後ろにがくんと倒れこむ。


ゆえ・・・・?」


後ろで聞こえる、ピッコロの震えた声に。
私はただ、笑っていた。
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 ・テイルズ
 ・気まぐれ

◆Thanks!
見に来てくださってありがとうございます。拍手、コメント読ませていただいております。
現在お熱なジャンルに関しては、リクエスト等あれば優先的に反映することが多いのでよろしければ拍手コメント等いただけるとやる気出ます。
(龍如/オール・海賊/剣豪)