Erdbeere ~苺~ ★番外16.醜い嫉妬も大歓迎 忍者ブログ
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2015年09月29日 (Tue)
ブゥ編後/甘/微エロ/※ヒロイン視点

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いつだっただろうか。
トランクスにキスされた私に、ピッコロが嫉妬丸出しになったのを見てからかったっけ。

あの時の自分を、今は恨んでる。


「あー・・・・」


しかも私は、ピッコロより醜い嫉妬心を持っているらしい。

目の前で行われていることは何にも気にしなくていいことなのに。
私は心に芽生えるモヤモヤする気持ちを、抑えきれずにため息を吐いた。


「・・・・」
「そうではない。気を集中させるというのは・・・・」
「ビーデルさん、がんばって!」


神殿に遊びに来たビーデルと悟飯に、ピッコロが修行をつけているだけの光景。
普通ならただの微笑ましい光景なんだろうけど。


・・・今日は、私とのデートの約束だったのに、なんて。


そんな乙女なこと、言えるわけがない。

私らしくもない。


だから今はただ、バレないように少し距離を置いて修行を見学していた。
今はビーデルの修行だし、私ができることはほぼないから。


「・・・・ふぁう」


ごまかしの欠伸を一つ。

欠伸で滲んだ視界がちょっと悲しくなって、私は魔法でタオルを出した。


「あいつらも汗びっしょりだなー。まったく、見てるだけで暑い・・・・」


汗と涙を同時に拭って。
気を紛らわすために目を閉じた。

目の前の光景を見なきゃ良い。

私も私で、別なことをすれば良い。


舞空術じゃなくて翼を使って宙に浮く。
そのまま魔力を集中させて意識を研ぎ澄ます。


「・・・・・」


研ぎ、澄ます。

研ぎ澄ましてるつもりだけど、それは明らかにいつもとは違った。


集中できていない。
いつもならピッコロにぶん殴られるレベルの集中力の無さだ。


「・・・・むかつく」


自分に。

ピッコロ達にじゃない。


「なんか無いかな・・・」
ゆえさん?」
「おうわっ!?」


突然声を掛けられ、変な声が出た。
後ろを振り返れば悟飯がこちらを見てにっこりと笑っている。


「い、いきなり何だよ馬鹿悟飯」
ゆえさんが暇そうにしてたので・・・」
「うん、それは否定出来ないな。暇だった。ってことで付き合ってくれるんだよね?」
「え?」


言葉とほぼ同時に悟飯に殴りかかった。

慌てて悟飯が攻撃を避けるが、容赦なく追いかける。


苛立ち紛れか。
本当の暇つぶしか。

それとも、ごまかしか。


「ちょ、ちょっとゆえさん!?」
「ほら私達も修行しないと?」
「そ、それはわかりましたけどなんかちょっといつもより本気で・・・・うわぁああ!?」























「やりすぎだ」
「う・・・すみませんでした」


ボロボロになった悟飯と、それを支えるビーデルを見送った後。
私はピッコロに静かに注意された。

修行と題した戦いで、私はつい苛立ちを悟飯にぶつけてしまったのだ。


一時期戦闘から離れていた悟飯には、私の攻撃は重かったらしく。


「貴様は力の使い方をもう忘れたのか?」
「うぐ・・・・」


地味な説教が心に刺さる。

別に、忘れたわけじゃない。
ただ妙に心が落ち着かなくて。


「・・・・まぁ、今回はこのぐらいにしてやるか」
「へ?」
「どうやら俺のせいもあるようだからな」


そう言ってピッコロは私を抱きかかえた。
向かうは、私達の部屋。


突然のことに私は抵抗も出来なかった。

そのまま部屋に連れて行かれ、扉が閉められると同時にベッドに投げ捨てられる。


「ちょ、ちょっと!いきなり何すんの!」
「寂しかったんだろう?」
「なっ・・・・」
「今日はお前と約束していた。それをしてやれなかったからな・・・寂しかったんだろう?」


そんなこと、ない。
そういえば良い。

私達のデートなんて、いつでも出来るんだから。


「デートなんて、明日でも・・・出来る、じゃん」


寂しくなんて無い。


「別に、寂しくなんか」
「じゃあ嫉妬か」
「っ・・・・」


図星を刺されて思わず黙ってしまった。

反応すれば、あとは心を読まれて終わりのこの魔族に、狼狽えるところを見せてしまうなんて。
しまった、と思っても。


――――もう遅い。


見上げた先にあるのは、元魔族の嬉しそうな笑み。
逃さないとばかりに私を掴む腕が、更に力を強める。


「くくっ・・・貴様も俺と同じようだな?」
「・・・そう、だよ」


認めるしか方法はない。
もう、勝てないのだから。


「いい性格してやがる」
「そりゃ、魔族の奥さんですから」
「なら存分に味あわせてやる。その嫉妬が消えるぐらいにな」
「ッ・・・!」


噛みつくようなキスと共に押し倒された。

柔らかいベッドの感触が、私の背中を包む。


抵抗する気は無いけど。
楽しそうに私に覆いかぶさるピッコロにむかついて―――悔しくて。

小さな抵抗を、吐いた。


「・・・・ばーか」
「聞こえんな」
「嘘つけ、耳良いくせに」
「フッ・・・ならもう少し可愛い言葉でも吐くんだな」
「好き」
「・・・・っ」


いつもは私から甘い言葉を吐くけど。
こういう時は、いつもピッコロのほうが強くて、私は何も言えなくなる。


だからこその仕返し。

少し驚いた様子のピッコロを見て笑えば、すぐに調子を取り戻したピッコロが私の服を魔術で消した。


「っわ、ば、ばか、いきなり・・・・!」
「煽った罰も追加だな」


お互いの強すぎる嫉妬すらも、私たちにとってはただの刺激に過ぎない。
何年と連れ添って来たからこその、起爆剤。

まぁ、こんなもの無くても結局はコイツに食べられるんだけども。


「分かってるなら諦めろ」
「おとなしく、して・・・ます」
「あぁ、それでいい」


こうやって私達の日常は過ぎていく。

平和で、刺激的な、日常が。







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