Erdbeere ~苺~ 自由気ままに本能的な 忍者ブログ
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2015年09月02日 (Wed)
ターレス夢/微エロ/甘/ヒロインは地獄の番人/※ヒロイン視点
(アニメ版地獄)

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地獄。
赤い血の池や針の山、罪人に罰を与えるものばかりがある最低な区域。

罪人が落とされるここには、そんな最低な区域にお似合いな奴らがたくさんいる。


特にコイツは一番似合ってると思ってるよ、私は。


「ついてくんな」
「ついてってるかは分からねぇだろ?俺がそっちに用があるだけかもしれないだろうが」
「こっちには何もないけどね?」
「ならお前はなんでそっちに行くんだよ」


しつこく後ろから着いてくる黒髪の男――――ターレスに、私は苛立った視線を向けた。


こいつは地獄から落ちてきたその日から私につきまとうようになった。
俺の女になれだのなんだの言ってきて、最初のうちはぶっ飛ばしてたんだけど。

地獄に落ちた奴らは、自分のその体で罪を受ける。


つまり痛みにも死にも強い体なわけで。

効果が無いのを悟った私は、こうやって付きまとわれる日々を送っているのだ。


「なんだって良いだろ!もー、しつこいなほんとー!」
「お前が俺の女にならなねぇからだろ?」
「なるか馬鹿」


おもいっきり罵倒しても引き下がらない。

よくよく見ればイケメンなんだけどね。
でも、私は地獄の番人。


こいつがどんな罪でここに落ちてきたのか。

生前どんなことをしてたとかも全部知ってる。


「相変わらず良い女だな。早く素直になれよ」
「アンタみたいな罪人に惚れると思う?素直になったらアンタのこと地獄から消してる」
「おいおい。ちょっとは可愛らしいところ見せてくれよな」
「っ・・・・!」


離れようとした私の腕を、ターレスの手が捉えた。
慌てて気で弾こうと力を込めるが、それよりも先に岩場に押さえつけられる。


「な、なにすんだ!」
「ターレス」
「は?」
「まずは俺のこと、名前で呼んでくれよ。そしたら離してやるぜ?」
「なんでアンタの命令聞かなくちゃ・・・!離さないなら吹き飛ばすまでなんだから」


地獄の番人が、ただの女に務まるわけがない。

気を解放してターレスに浴びせた私は、目の前のターレスがびくともしてないことに顔を引きつらせた。


あ、あれ?
効いてない?

そんな馬鹿な。


最初は私の気弾で吹き飛ばして・・・。


「ハッ。最初は効いてるフリしてやってたんだよばーか」
「な・・・っ」
「悪いが俺はお前と違って、アマちゃんな環境で育ってるわけじゃないんでね・・・・」
「ッ・・・・!」


岩場に押し付けられた腕が痺れ始める。
目の前で舌なめずりするターレスがすごく妖艶で、一瞬ドキリとした。

って、駄目だ!!

何考えてるんだ私は。


「は、離して」


あくまでも強気を崩さず。

キッとターレスを睨みつければ、キス出来そうな位置まで顔を近づけられた。


黒くて、鋭い瞳。
ニヤリとした笑み。


「なら言えよ」
「・・・・っ」
「名前も言えねぇのか?このままここで俺に食われるのとどっちがいい・・・?なぁ?」
「っターレス!」
「くくっ・・・・」


とんでも無いことを言われてプライドは消え去った。
慌ててターレスの名前を呼べば、ターレスが楽しそうにしながら私から手を離す。


ホッとしたのも、束の間。


「んじゃ、このまま俺の女になってもらうか」


ぐるり。

視界が、回った。


気づけば私はその場に押し倒されていて。
目の前にはターレスが、獣のような瞳で私を見下ろしていた。


「ターレス・・・!呼んだんだから、離してよ!?」
「一旦離したじゃねぇか」
「は!?なにその子供みたいなの!!アンタは大人だろ!」
「”アンタ”、ねぇ?」
「っ―――――!」


私が名前を呼ばなかったことが気に食わなかったのか。
急にターレスの顔が見えなくなったかと思うと、耳元をぬるっとした感触が走り抜けた。

思わず悲鳴を上げて飛び上がりそうになるが、上に乗っているターレスのせいでもがくことすら叶わない。


「っや、やだやだ!!なにすんの気持ち悪いッ!!」
「あ?名前呼ばなかった罰だ。悪い奴は罰を受ける、ここの番人なら分かってんだろうがよぉ?」
「それはアンタ達罪人の・・・!」
「なるほど、まだ足りないみたいだな」


次は、首筋に。

味わったことのない感覚に思考回路がぐちゃぐちゃにされる。


「っは・・・・」
「ハッ・・・いい顔だ」
「も、分かったから、分かった、ターレス・・・」
「ようやく俺の女になるのか?」
「いやそっちは分かってない」
「へぇ?」
「っひ!?」


いいように弄ばれてるのは分かってるんだけど。

気が、溜められない。
上手く身体が動かない。


知識にしかないような感覚が、私の全身を駆け抜けていく。


「や、やめ・・・!」
「イイ表情するじゃねぇか・・・たまんねぇな。今すぐ食っちまいたいぜ」
「・・・っ」


自由気ままなサイヤ人。

食べたいものを食べて。
そのためなら人だって、星だって壊して。


暴れたいだけ暴れて。

好きな女を、力で押さえこんで、抱く。


「っ・・・・・・!!」


堕ちてきた時に見たターレスの行いが私を恐怖に誘った。
ガラになく声が出せなくなって、震える。

私も、ターレスが生きてた頃に食われた女のように。

好き勝手されて、弄ばれて。


最悪だ。

こんなんだから、地獄の番人は嫌だって言ったのに。


「・・・・泣くな」


恐怖に怯えて泣きかけていた私に掛けられた言葉は、優しかった。


「え・・・?」
「泣くなっつってんだろ。・・・調子、狂う」


てっきりこのまま。
食われて、好き勝手されて。

捨てられると、思ったのに、なんで。


「チッ・・・俺は、ただ・・・」


そう言って狼狽えるターレスは、私の知ってるターレスじゃなかった。

普通の人間と同じ。
悪人の表情はどこにもなかった。


ただあったのは。

気まずそうな、表情。


「ターレス?」
「・・・俺は、遊ぶためにお前が欲しいわけじゃねぇ」
「・・・・・じゃ、じゃあ、なんのために欲しいのさ」
「本気で欲しいんだ。お前が手に入れば女なんざいらねぇ」
「ふ、ふぅん?生前あんなことしてた奴の言葉なんて、信じられませんねー?」


ターレスの表情を見ないように突っぱねる。

すると急に重みが消え、身体が自由になった。
私から退いたターレスが、私の方に手を伸ばす。


「・・・・・・悪かったな。さっさと立て」


自由気ままで。
サイヤ人の本能のままに生きる男。

それが、こんな。


ちょっと、ずるくない?


「・・・・」
「・・・?どうした?」


手を取ることも、立ち上がることもしない私をターレスが覗きこんでくる。
その瞬間私はターレスの身体を強く押し、岩場に突き飛ばした。

もちろん、私の力なんかじゃターレスはやられない。

少しバランスを崩して岩場に寄り掛かったぐらいのレベルだ。


「ってぇな・・・!てめぇ、何しやが・・・」
「名前」
「あ?」
「自分は呼ばせておいて、私のことは呼ばないの?欲しい女のくせに?」


やられっぱなしは気に食わない。


私は挑発的に笑ってターレスに手を伸ばした。
ターレスも妖しい笑みを浮かべながら私の手を取る。


「へぇ?つまりそれは、宣戦布告ってことで良いんだよな?」
「どう取るかはターレスに任せるよ。・・・ちなみに、私はそんなに簡単じゃないからね?」
「さっきの感じじゃ、そうは思えねぇけどなぁ」
「ならさっさと呼んでよ」


本能のままに生きる男に惹かれたなら。
きっと、それは、私の本能。


「”ゆえ”覚悟しろよ・・・すぐに俺の女にしてやる」
「はいはい。んじゃ、さっさと今日の責め苦に行ってこい!」


いつも通りターレスを軽くあしらった後、私は深いため息を吐いた。


「”覚悟”ねぇ・・・」


自由気ままで本能的な獣に。
食われるのも時間の問題のようだと、自傷気味に笑った。



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