Erdbeere ~苺~ 狂った愛し方でもハッピーエンド 忍者ブログ
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2015年03月17日 (Tue)
未来編ピコ夢/狂愛/R15/※ヒロイン視点

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恋なのかも分からない感情に惑わされて。

魔族であるアンタに狂わされて。


「おかしくなりそう」


崩れた世界。
消えていく生命。

それらを見ながら生き延びて、愛しあう私達は狂ってるのかな。


本当に愛し合ってる?
それとも生命本能?


「黙ってろ」
「っあ・・・・」


手足を縛られた私に自由はない。
当たり前だ。


私はついさっきまで、悪魔となって暴れまわっていたバケモノなのだから。


ピッコロを守るために力を解放しすぎて悪魔になった。
狂ってしまう前に殺してくれと頼んだ。

頼んだのに、どうして。


どうして?
なんでアンタは私を愛してる?


「俺がお前を殺せると思ったのか?」
「殺さなきゃ、世界が壊れるだけだよ・・・」


一時の快楽に惑わされて意識が戻ってるだけ。
いづれまた悪魔となって暴走するのは、分かってることでしょ?

ピッコロの瞳に映った私の目も、ピッコロと同じように赤い。


「ねぇ、ピッコロ、私を、殺して」


狂っちゃう。

殺したいと叫ぶ。
私の身体が崩れていく。


悪魔だ、そう。


私は、悪魔なんだ。


「殺して・・・・」


本当は嫌だよ。
死にたくないよ。

でもダメなんだ。

私はピッコロを、たとえ一時しのぎでも守れた。
それだけで、満足だから。


「黙ってろと言っただろうが・・・俺のいうことが聞けないのか?」
「あぁっ!!」
「そうだ・・・・お前はそうやって鳴いてれば良い」
「ぁ、ピッコ、ロ・・・・!」


深く深く。

欲望が私を犯す。


「っは・・・お前はたとえ死んでも、この俺のものだ」
「・・・っあ、ひぅ、当たり前、だよ・・・ピッコロ・・・っ」


私が主として認めたのはピッコロだけ。
心を、身体を、全て受渡したのもピッコロだけ。

これ以上、何を望むの?

最後だからなんだってあげる。
全てを、あげる。


「ならお前の身体を、命を、その魂すらこの俺によこせ」


快感に揺さぶられながら、ゆっくりと彼の鋭い爪が私の首にかかる。

じんわりと伝わる熱い痛みに、何故か怖さではなく快楽を覚えた。


赤い目。
鋭い牙。


私を貫く、欲望の熱。

蝕んでいくそれが愛しい。


「ピッコロ・・・っ、あ、私の、全てを、骨まで、全部・・・・っ」
「あぁ・・・俺が食らってやる。お前の全てを、そして」


”お前は俺の中で、生き続けるんだ”


囁かれた言葉と同時に、首筋に鋭い痛みが走った。
ああ、食べられてる。本当に食べられてるんだ。

血が流れていく感覚すら、今の私にとっては幸せの一つ。

最後まで奥に刺さる快楽を感じながら私は目を閉じた。


ああ、きっと、これは夢なんだ。

起きたらきっとピッコロとまた、こうやって、愛し合っ―――――。


「・・・・生まれ変わっても、俺は、またお前と・・・・」


闇に意識が落ちた瞬間。
汗か涙か分からない液体が、私の頬を流れたような気がした。
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