いらっしゃいませ!
名前変更所
リクエスト企画/ゼノバ軸/ヒロイン=魔人/※各キャラ視点
※ゼノバのクエスト内容ありなのでちょっとネタバレ注意
※もちろんゼノバ知らなくても師弟関係ネタとして読めます
※フリーザ→セルの順番で進みます
お好きな夢へスクロールをお願いします
※ゼノバのクエスト内容ありなのでちょっとネタバレ注意
※もちろんゼノバ知らなくても師弟関係ネタとして読めます
※フリーザ→セルの順番で進みます
お好きな夢へスクロールをお願いします
タイムパトローラー。
どの時間軸にも影響しないトキトキ都と呼ばれるこの場所で、日々、色んな時間軸の歪みを修正していく戦士たちのこと。
タイムパトローラーの朝は、毎日早い。
それは仕事だったり、修行だったり。
朝早く起きた私は、起き上がって時間を見た。
そして気づいて駆け出す。
約束の時間、5分前だということを。
★フリーザ夢/師弟関係・恋人未満/ほのぼの
最近、周りが騒々しい。
本当にうるさくなったわけではなく、私の環境が変わっただけなのですが。
そう思いながら見つめる先に、小さなピンク色の少女の姿が映る。
あれが最近私の周りをうるさくしている原因。
突然師弟関係になりたいと申し出てきた魔人族・・・でしたか。
筋がいいので教えるのも楽しいですが、この遅刻グセは良くない。
「いやー、フリーザごめん遅「5分遅刻ですよ」ガハッ!?」
表情を変えず、冷たく言い放った。
そのまま指先からデスビームを放てば、反応しきれなかった魔人が吹き飛ぶ。
反応できなかったのはマイナス点ですが、あれだけ至近距離で打って吹き飛ぶだけなら、さすがというべきでなのかもしれませんね?
冷静に判断する私をよそに、魔人――――もとい、キウイは涙目で私を睨んだ。
「いきなり攻撃とかフリーザこわーい!」
「・・・・全然怖がってないのが伝わってきますね。もう1発いかがですか?」
「あ、やめて、わりと本当に痛いんです・・・」
コロコロ変わる表情は見ていて飽きない。
魔人族は私も噂でしか聞いたことなかったが、このどの時間軸にも干渉しないと言われている都市にはいくらでもいる。
その中でも、彼女は一際目立っていた。
理由は簡単。
やたらめったら誰とでも仲良くなってしまう、魔人特有の無邪気さと・・・赤く恐ろしいほどの瞳を持っているにも関わらず、可愛らしさを感じさせるその表情のせいだ。
私は別に、彼女を認めてなどいませんが。
周りを見ればすぐ分かります。彼女に対して皆さんが絆されていることぐらい、ね。
「・・・それで?今日私を呼んだのは貴方でしょう」
「あ、そうそう!この巻物の仕事に付き合ってほしいの!」
時空の歪みのせいで出来た、まったくありえない新しい歴史。
その歴史の巻物の一つが、彼女の手に握られていた。
私はそれを取り、広げる。
――――そして、顔を引きつらせた。
「・・・貴方はよほど私に殺されたいのですか?」
「え、なんで?」
「何故歪んだ過去の自分の失態を、私自らが修正しなければならないのですか!!」
広げた巻物に書かれていた歴史。
それは何故か私が変身できなくなり、サイヤ人共にボロボロにやられている歴史だった。
そんな過去、私の過去ではない。
勝手にねじ曲がって作られた過去なんぞ知ったことですか。
大体、そんな失態私がするわけありません。
「いやいや、過去のフリーザの失態も、自分で拭わなきゃだめっしょ!」
「・・・・・本当に殺されたいようですね、分かりました」
「あ、待って、1人で行・・・・」
「逃がしませんよ・・・」
「こら!!こんなところでそんな技ぶっ放したら都市が・・・!!!」
そんなこと、言われなくても分かってます。
口には出さずにある程度力を弱めた私は、デスボールを撃つフリして輪っか状にした気をキウイの首に掛けた。
そのまま、バランスを崩させるように輪っかを地面側に引っ張る。
必然的に顔面から地面に突っ込む形になったキウイは、一瞬で気を放出させて輪っかを消し飛ばした。
・・・やはり、この力だけは魅力的ですね。
いつ見ても惚れ惚れするほどの力。センス。判断力。
でもこのバカさ加減はいただけない。
「さっさと自分で行って来なさい」
「えー・・・・結構厳しいんだもん」
「貴方の力なら別に問題ないでしょう」
「え、それって褒めてくれてる?」
キラキラとした笑みが私を見つめる。
一瞬折れて頷きそうになった私は、コホンと咳払いをして指先をキウイの額に当てた。
「このままここでデスビームを撃たれたくなければ・・・・さっさとしなさい」
「うっ!?は、はーい・・・!!」
まるで子供だ。
いや、子供なのかもしれない。
私はあまりこういうのは好まないのですが。
師弟関係というのも悪く無いと思わせるのは、彼女だからか。
本来なら興味のないことだ。
使える奴は使う・・・それだけのこと。
「・・・まったく、やっと行きましたか・・・・」
巻物を持って姿を消した彼女に、ため息が出る。
彼女の前では言わないが、本当に彼女は筋が良い。
私の教えた技をほんの数日で使いこなし、すぐに次の修行を受けに来る。
正直、私よりも強いのではないかと思う。
彼女の本気を見たことがない私には、分からないことなのだが。
「・・・・」
修行では確実に彼女は力を押さえている。
それだけは分かる。
この私に対して力を抑えるなど・・・なんて、屈辱的なことをしてくれるんでしょう。
だから私は彼女の師匠をしているに過ぎない。
私がいつか彼女を痛めつけ、跪かせるその時まで。
自然と笑みが溢れる。
それだけのために私が師弟関係を結んでるとも知らずに、ああやって無邪気な彼女が可笑しくて仕方がない。
「フリーザ様~!!」
「・・・どうしましたか、ギニューさん」
「あ、いえ、キウイを見ませんでしたか?」
「彼女なら今、歴史の修正に行きましたが」
「・・・そうですか・・・これは困りました」
「どうしたのですか?」
ギニューさんの様子が少しおかしい。
ただ探しているというよりは、かなり慌てているような。
「いえ・・・今、歴史の改変の影響で、他の歪んだ歴史の一部に凶悪化した人たちが現れていると。弟子がさきほどボロボロの状態で帰ってきて・・・・」
「・・・・なに?」
思わず低い声が出た。
ギニューさんの弟子もタイムパトロールをやっている1人だったはずです。
そんな人がいとも簡単にやられるとは思えない。
特に私の弟子であるキウイがやられるはずは。
「まぁ、問題ないでしょう」
「そ、そうですか・・・」
「少し待てば帰ってきますよ、キウイですからね」
信頼ではない。
それは命令に近いもの。
あの人は、いずれ私が跪かせるんですから。
いたぶって跪かせて、泣いた顔を拝もうじゃありませんか。
コロコロ変わる表情の中、ただひとつ見たことのない表情。
彼女の、泣き顔を。
「ふ・・・私も随分歪んでいるのかもしれませんねぇ」
厄介な感情を植え付けられたものだ。
これが師弟関係に対する信頼なのか。
ただの支配欲なのか。
それともまた――――別の何かなのか。
「・・・・遅いですね」
ギニューさんから報告を受けて数分、スカウターにすらキウイの連絡は入らない。
苛立った私は師弟関係にのみ許されたタイムマシンの追跡機能を使った。
巻物の時代に行くために使うタイムマシン。
キウイが飛んだ時間軸に数値を合わせた私は、気づけば無意識にタイムマシンを起動させていた。
「・・・・・」
たどり着いた世界は見たくもない時間軸。
ボロボロになった変身出来ない私が倒れこんでいて、それを庇うように傷だらけのキウイが腕を広げていた。
目の前にいるのは、私が憎む超サイヤ人の孫悟空。
しかもその姿は普通ではなく、明らかに凶悪化の影響を受けていた。
「・・・・」
「悟空・・・っ!」
「どうした?そんなもんか?」
「ったく、戦闘好きってのはなんでこうも・・・皆血の気が荒いんだか・・・」
そう言いながら立ち上がるキウイの表情を見て、苛つく。
なんですか、その表情は?
誰がそんな表情をしていいと言ったんですか。
そんな真剣な表情、私にも見せたことがないというのに。
「情けない」
気づけば声に出していた。
驚くキウイを無視して、隙だらけの孫悟空にデスボールを放つ。
「え、フリーザ・・・・?」
「馬鹿ですか貴方は。何度教えたらわかるんです?気の消費を考えなさいと教えたでしょう」
「う・・・・」
魔神族というのは基本の能力がとても高い。
故に、戦闘を知らない幼い魔人はその強大な気の使い方を誤って、弱くなる。
その気の使い方を私が教えたというのに、なんというザマなんでしょうねぇ。
苛立ちながらキウイを庇うように立った私は、最終形態に変身して構えた。
「さっさとしなさい」
「う?」
「立ちなさい。私の弟子ならそれぐらいで根を上げるんじゃありませんよ。しかもあんなサイヤ人ごときに」
「・・・・師匠を助けてるんですけどね私は・・・・」
・・・この気に及んで、まだ減らず口を叩くとは。
やはり面白い人ですね。いいでしょう、なら。
「終わらせたら特別に修行をつけてさしあげましょう。今まで教えたことが何も出来ていない罰ですよ。・・・覚悟しておくんですね」
「うえ!?」
「来ますよ・・・構えなさい」
「は、はいっ!」
凶悪化した孫悟空を相手に構える私と彼女。
ああ・・・勝敗なんて聞かなくても分かるでしょう?
宇宙最強のこの私と、その最強に育てられた弟子のタッグなんですからね。
「右にきますよ」
「え、み・・・ぎゃぁああ!!」
「・・・・貴方は相手の気を探ることも出来ないんですか」
「あ、やばいくるくる!!デスビームッ!」
「!貴方は私ごと巻き込むつもりですか!!気を抑えなさい!!」
「ええ!?」
「貴方は・・・っ!!!」
本当に手の掛かる、弟子だ。
帰ったら説教ですね。
きっと貴方への修行は一生終わらないでしょう。
文句は言わせませんよ。
「フリーザ、ちょ、待って!今は悟空を倒すことがっ・・・!」
「うるさいですよ。少しぐらい痛い目を見て覚えなさい」
「スパルタぁあぁぁああ」
貴方が、私を選んだのが悪いんですから。
セル夢/師弟関係/戦闘/ほのぼの
遅い。
・・・遅い。
私は荒野の真ん中で佇みながら、軽く舌打ちした。
今私が待っているのは唯一の弟子。
最強の存在が最強になりうるであろう人材を弟子にしたらどうなるのか・・・興味本位で始めた師弟関係だったが、今ではかなり長い。
正直、もう彼女に教えることは無いのだが。
それでも彼女は師弟関係を破棄すること無く、私との修行を続けている。
私と戦うたび強くなる彼女を見て、私も彼女を手放したくなくなったのは事実だ。
だから都合が良い。こうやって修行を続けられるのは。
・・・だが。
いつまで経っても――――この遅刻グセは治らないようだ。
「・・・いつまで待たせるつもりだアイツは・・・・」
だだっ広い荒野には何もない。
暇を潰せるようなものも、話すような人間もいない。
さすがに、このままでは無駄な時間だな。
仕方なく気を解放して修行を始めようとした私の目の前に、突然光が走る。
悲鳴と共に落ちてくる気配。
私は容赦なくその落ちてくるポイントに気弾を置いた。
「え?・・・うわぁあああああああ!?」
上から落ちてくる弟子・・・キウイと、それに向かって飛んで行く私の気弾。
空中で爆発音が響き、キウイの悲鳴がぷつっと途絶えた。
気は残っているから死んではいないだろう。
助けることもせず、ただただ土埃の中を見つめる。
「あ、あの、セル・・・?」
「なんだ」
「いまのは・・・な、なんですかね?」
「避けれただろう?」
「え、いや・・・・」
「ほう、避けれなかったのか。私の修行を真面目にしていれば難しいことではなかったはずだが?」
「あ・・・いや、あの、遅れてスミマセンデシタ・・・・」
私が何故怒っているのか理解したのだろう。
ボロボロの状態で地面に横たわったまま、彼女は涙目で謝った。
たとえボロボロになろうとも、彼女には関係ない。
すぐに魔人の特性で傷が消えていくのを見ながら、私は仕方なく彼女に手を差し伸べた。
「さっさと立て。・・・遅れた分、ペースを上げるぞ」
「相変わらず厳しいなー」
「ふ・・・自分が始めたゲームだ。私は全てが完璧でないと満足しないのでね。今日の修行も、お前が私の望むところまで行けたら終わりにしてやる」
「ええーー!?」
上がる非難の声。
あぁ、知らないとでも思っているのか?
本当は嫌がってないことぐらい知っている。
なんだってお見通しだ。
私には何も通用しない。嘘も、冗談も。
昔の私ならそれをくだらないと言うだろう。
だが今は違う。
彼女が望むなら、師匠であり続けよう。
私のために。私の楽しみのために。
「お前は防御の特性が強いばかりに、それに頼りすぎている」
「ふむふむ?」
「今もそうだ。避けようと思えば避けられたはずだろう?」
「うーん・・・まぁ、確かに」
「そうだ。つまり・・・」
パチンと指を鳴らして複数の気弾を浮かべる。
「今日の修行では防御は一切禁止だ」
言葉と同時に気弾を放った。
貫通力に特化させたそれは、当たれば痛いどころでは済まないことぐらい分かる。
まぁ、魔人の彼女なら瀕死ぐらいで済むだろう。
冷たい目でそう言い放つ私を、彼女が青ざめた表情で見つめた。
「え、冗談・・・だよね?」
「冗談だと思うのか・・・ならば冗談だと思うその頭を醒めさせてやろう。感謝するといい」
「あ、それ・・・ありがた迷惑ってやつで・・・ひぃいいいい!!???」
失礼なことを言いかけた彼女の横を、気弾が超高速で通り過ぎる。
そこからは、さすがの彼女も真剣な表情に変わった。
貫通力の高い危険な気弾を、気も防御も禁止された状態で全て捌くのは至難の技。
だが、当たれば自らの身体が傷つくだけ。
さぁどうする?
楽しませてくれ、私を。
お前はこの時間軸の中で・・・唯一私を楽しませてくれる存在なのだから。
気弾を避けるのに奮闘する彼女を見て、思わず笑みが溢れる。
性格が悪い?なんとでも言えばいい。
これが私達の間にある絆の証なのだ。
この私が絆などという、くだらないものを意識しただけでも変わったのかもしれないが。
「っぐ!!」
「いつまで目で見て避けているつもりだ?そんなことでは駄目だ・・・私をがっかりさせるなと言ったはずだぞ」
「・・・・む」
煽りの言葉。
私は知っている。これをすることで彼女が――――
――――実に私を楽しませてくれるようになるということを。
「言ったな!!!」
一瞬で表情が変わった。
今までギリギリで避けていた動きが素早くなり、動きに余裕が出てくる。
「どらぁああぁあ!!!」
「フッ・・・私に突っ込んできて気弾を私自身に浴びせるつもりか?だが・・・・」
私の操る気弾を引き連れて私に突っ込んでくるキウイ。
そんな作戦に引っかかるような私ではないと、見学を止めて拳を構えた。
私の隣を高速で通り過ぎて行く。
それを追いかける気弾を一旦地面の中に埋めた私は、ニヤリと笑ってキウイに突っ込んだ。
「っ!?」
「攻撃が気弾だけだと思わないことだ・・・油断は死を生むぞ!」
「負けるかおらぁあぁああ!」
「もう少し悲鳴に品が出るようになれば上出来だな」
「こんなときに悲鳴に気を使ってられ・・・ごふっ!?」
私との組手に夢中になっていたキウイを直撃する、地面の中に埋めておいた気弾。
一つは腕を貫通し、一つは腹部にめり込んでキウイを地面に吹き飛ばした。
助けることはしない。
分かっているからだ。彼女は起き上がる。
師弟関係からくる、絶対的信頼。
もし彼女と戦うことがあれば、私は迷いなく彼女に背中を預けられるだろう。
「さっさと起きろ」
「おやすみなさい」
「あぁ・・・永遠に寝るのをお望みか・・・手伝ってやらないといけないな」
「やめて・・・ほんとに死ぬ・・・・」
ああ、でも。
それは彼女には言わない。
言えば調子に乗るだけだけだからな。
楽しむためにも、彼女を甘やかすことはしない。
この心地良い―――よくわからない、感情のためにも。
「つまらん戦いにはするなと、なんども言ってるだろう」
その言葉に、彼女が笑う。
「楽しませてあげるよ・・・これからが本番さ!!」
そうだ。それでいい。
私をずっと楽しませてくれ。
これからも、永遠に。
「・・・仕方がない。次は私が教えた防御技を使ってみろ」
「・・・・・・」
「”なんだそれは?”と言いたげな顔だな?なるほど、私が教えた技まで飛ぶほど馬鹿になったとはな・・・頭に強い衝撃でも与えれば戻るかな?」
「あ、ごめんなさいほんと!!!やめて!!待っ――――」
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