Erdbeere ~苺~ 繰り返される悪夢 忍者ブログ
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2024年11月15日 (Fri)
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2015年01月20日 (Tue)
選べないのなら、選べるようになるまで強制的に愛せばいい
(秋山&桐生夢/狂愛/R15/複数表現あり/※ヒロイン視点)

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いつから、こうなったんだろう。

私は何もしてない。
私が間違ってたことなんて、何があるんだ。

どうすれば、良かったんだ。


「っ・・・・」


逃げたくないのに、逃げる日々が続く。
癒やしさえ感じていたあの空間から、逃げる日々が。

信じていた、桐生のことを。

信頼してた、秋山のことを。


でも私はその二人から、裏切りを受けた。


仲間ではなく、女としての感情を抱いていると二人から言われ。
私は二人を仲間としてみていたから、選ぶことをしなかった。


それが、悪かったのか。

それが狂わせたのか。


「どうしようもなかったんだ・・・っ」


私はそれしか言えない。
だって二人共、”大切な人”だったから。

それは男としてじゃなく。

仲間と、して。


「どうしてっ・・・・」


なのにそれは許されず。
二人は何故か、”二人で私を愛す”ようになった。

私がどちらかを選ぶまで、二人で共有すればいいと。
そう言った彼らの目は、完全に狂っていたと思う。


「なんでだよ!もっと、もっといい人が居るだろうが・・・・!」


私なんかより、もっと良い人が二人にはいるはずだ。

どんな男よりも素敵なものを持ってる。それは保証する。
・・・・だから。


「・・・・っ!」
「待ち合わせ場所、こっちじゃないよ?あけちゃん」


何度も、私は二人の前から姿を消そうと悩んだ。
この居心地の良さを捨ててでも、二人には元に戻って欲しかったから。

でもそれが叶ったことは、一度もない。

裏路地を歩いていた私の目の前を塞ぐ、秋山の姿。
口調は明るいが、その瞳は笑っていなかった。


「ッ・・・!!」
「へぇ?逃げるんだ。しょうがないなぁ・・・」


助けてくれ。
どうやったら、このループを抜け出せるんだ。


「っ・・・・!!!」
「ほーら、にがさないよ」
「離せッ!!!」


逃げ出した私の腕はあっという間に掴まれ、引き寄せられた。
抵抗のつもりで振り上げた足は、いとも簡単に叩き落とされる。

バランスを崩すが、それでも私は諦めなかった。

反撃とばかりに足元を狙って足を滑らせば、分かってましたとばかりに秋山の蹴りが私の足を捉える。


「・・・ぐっ!!」


痛い。
どうして、こんな。

狂ってると、おかしいと、考えればすぐ分かるじゃねぇか。


「やめろ、秋山っ・・・・!!」
「本当は俺だけで愛してあげたいさ、でも」


飄々とした表情。
その瞳の奥に見える、狂気。


「そんなことしたら、桐生さんに奪い返されちゃうだろうしね」


”これしかないんだよ”


そんなこと囁かれても、私には理解できない。
ただ痛む足を引きずって、最後の抵抗とばかりに秋山に挑むことしか。

―――私には出来ない。


「お前たちには私以外にいいやつがたくさんいるっ!!目を覚ましてくれ・・・ッ!」
「俺達はいつでも目覚めてるけど?」
「っく!」


喧嘩慣れしてる方だと、戦える方だと思っていたけど。
私の攻撃は一つも秋山に当たらず、ただ私の体力だけが奪われていく。

いっそのこと、殴ってくれればいいのに。

もっと殴って、もっと傷めつけて。

このまま殺してくれればいい。
この悪夢を見続けるぐらいなら。


「ッ・・・・!」


突き出した手を取られ、大きくバランスを崩した。

ふらつく私に秋山はそっと手を出し、その胸に引き寄せる。


「ったく、危ないんだから。はぁ・・・あけちゃんは本当にいい匂いだなぁ」
「・・・・、や、め」
「あんまり暴れると、俺も優しくしてあげられないよ?」


壁に両手を押さえつけられた私は、耳元で響くその声に身体を捩った。
彼らに教えこまれた感覚が、私を私じゃなくさせてしまう。


いやだ、いやだいやだいやだ。


もう、いやだ。
私はただ刺激的なこの世界を、桐生たちと一緒に楽しめたらそれで良かったのに。


あけちゃん」
「っ・・・ん!」


耳元から唇へ。
ゆっくりと移動したそれが、私の唇を塞ぐ。

慌てて抵抗すれば、秋山の手が咎めるように私の頭を掴んだ。
苦しくて唇を緩めた瞬間、入ってくる舌。


「ん、んんっ」


苦しくて声にならない声が洩れる。
最後の抵抗で胸を叩くと、唇がそっと離れた。


「はぁっ・・・はぁっ・・・・」


本気で逃げようとしても、いつだって秋山達は私を追い詰める。

怖くて思わず震える身体を、秋山が優しく撫でた。

どうしてそんなに優しくするの?
壊したいなら壊せばいい。
二人のおもちゃのように扱って、早く私としての意志を壊してくれればいい。


あけちゃん、ほら、一緒にいこう?」
「・・・・・・あぁ」


差し出された手に手を重ねて。
また今日も逃げられなかったと、心の中で苦しむだけ。


・・・・私に許された自由は、この心の中にしか無いんだ。


私が発した言葉は全て秋山達の耳に入る。
暴言を吐けば唇を塞がれ、弱々しく言葉を吐けばまるで恋人のように慰められて。

それはただ、人形を閉じ込めるためだけのモノ。

本当の優しさなんか、一つも感じない。


「今日はここだよ、あけちゃん」
「・・・・あぁ」
あけちゃん」
「なんだよ。どうせ私の意見なんか聞かないくせに」


こんな私を愛して、何が楽しいの。


「別に構わないけどね。俺達はそれでも・・・・」


なんで、私なの。


あけちゃんを愛してるから」
































ホテルの中は本当に綺麗だった。
”そういうこと”をするためのホテルの中では、たぶん一級品。

高級ホテルのそれと変わらないその光景に、昔の私ならはしゃいでただろう。

ただ今の私はピクリとも反応しない。
どうせこの場所で行われることは、一つだから。


「抜け駆けしたいところなんだけど、そうすると桐生さん怒るからなぁ」
「・・・なんで」
「ん?」
「おかしいと思わないのかよ。二人で一人を愛して、こんな、無理やりなことして」


愛してるなんて言葉だけ。

私はただ二人の狂った愛に付き合わされ、犯されているだけだ。

本当に愛してるのなら。
握りしめた拳に、秋山の手が重なる。


「思うよ?」


その一言に、私は絶望を覚えた。


「思うけど、しょうがないだろ?俺があけちゃんを手に入れるためには・・・桐生さんに奪われないためには、あけちゃんに逃げられないためには・・・・」


正気じゃないのなら、まだ戻せる。
でも、今秋山は確かに「狂ってる」ことを認めた。

分かってるんだ。

分かってて、やってるんだ。

絶望に打ちひしがれた私を、秋山は静かに手錠で拘束する。
そのままベッドの端に固定され、何もできなくなっても、私はもう何もしようと思わなかった。


「・・・・どうして・・・」


それしか、言えない。


「秋山」
「あぁ、桐生さん。遅かったですね」
「先に浴びてきたらどうだ?」
「そうですね、じゃあお先に。・・・あ、抜け駆けだめっすよ?」
「するわけねぇだろ?」


部屋に入ってきた桐生が、秋山を風呂へと促した。
繋がれた私を見て、桐生の瞳が熱を帯びる。

喧嘩に燃える瞳でも無く、ただ欲望に塗れているものでもなく。

それはただ私だけを見つめて、狂った色を見せる。


「桐生ッ!」
「なんだ?そんなに会いたかったのか?」
「違う・・・っ!なぁ、もう、やめてくれっ・・・・!」
「・・・・何をだ?」
「これだ。もう、イヤなんだ。私は二人共大切な仲間なんだよ・・・・!!もう、これ以上私を・・・・」


そこから先は、全て桐生の唇に食べられた。
強く貪るような口づけに、私の身体がゾクリと震える。

口づけを終えた桐生は私の上に跨ると、顎を持ち上げてニヤリと笑った。


「まだ狂ってねぇのか、お前は」


上がりそうになる悲鳴を飲み込んで。
私は屈すること無く桐生を睨みつけた。


「・・・・っ」
「ったく、あけ・・・お前はやっぱり良い女だな」
「ッ・・・・!!」
「いつお前が堕ちるのか、楽しみだ」
「なんのために!!なんで!!!」
「そんなの、決まってるだろ」


低く、囁かれる。


「”失うのが分かってる”ものを、”手放す”ほど俺達は甘くねぇんだ」


欲しいものは奪う。
手にできないものは金で買う。


そう、それが極道の世界。


確かに桐生達はその世界で生きる男だ。
秋山はちょっと違うけど、その道に深く関わってるのも事実。


だからといって、どうして。

私を。


「やだ・・・・」
「いいさ。ねじ曲げてでも、「良い」って言えるようにしてやるだけだからな」


恐怖と、教えられた快楽と。
全てが私を支配する。

どうして。

どうして、私は壊れないの?

まだ信じてるってのか?
こいつらが、正気に戻ってくれるって。


「・・・・・」


信じるだけ無駄なんだ。
分かってる、もう、無理なんだって。

元の関係には戻れない。

最悪の道にしか進めない。

だから桐生達も私を縛り付ける。
逃がさないように、消えてしまわないように。


きっと、狂うまでこれは続く。




























「あ、ぁっ・・・・」
あけちゃん、可愛いなぁ」
「言い表情だぜ、あけ


何もかもが崩れていく。
溶けるように、熱い。

身体が跳ねる。吐息が、勝手に震える。


「んっぁぁ・・・」


もう何もかも分からない。
誰が狂っていて、誰が間違っているのかすら。

私がおかしいの?
この二人の愛を受け入れない私が。


間違ってるのか?


「き、りゅっ・・・・」
「ずるいなぁ、俺も呼んでよ」
「あき・・・やま・・・・」


いつまで続くんだろう。
教えこまれた恐怖と快楽に震え――――目覚めて逃げれば、あっという間に捕まる悪夢。

一体、いつまで。


あけちゃん」
あけ
「んっ、ゃ」
「「愛してるよ」」


覚めることすらないのなら。
いつも同じ悪夢を見るのなら。

そうだ。選択肢を変えてしまえばいいんだ。

逃げるというのをやめて。


「・・・わた、しも」


・・・・その言葉に、狂ってしまえば。


「ふた、りを・・・・」


きっと私は。


「あいして、る」


悪夢から、出れる。


「やっと聞けたな」
「これから何度でも言ってもらわないとね?」
「あぁ・・・」


ほら、二人の手がやさしく私を迎え入れて。
きっとこのまま、ずっと、暖かく、優しい世界に。





































繰り返される悪夢なら、その悪夢の続きを見続ければ良い
(そうすればきっとその先は、狂った幸せが待ってるから)
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