いらっしゃいませ!
名前変更所
私には理解できない。
なぜ、こんなことになっているのか、なんて。
確かめる術すら、ない。
白いベッドの上で、身動きの取れない私には、何も。
手を封じる手錠。
音を立てる足枷。
私の身体に埋め込まれた、快楽の、おもちゃ。
その全ては、彼が着けていったモノ。
まだ、理解は出来ない。
どうして。どうして。
「っあ、ぅ・・・・」
理解したいのに、心はついてこない。
埋め込まれたモノに快楽を覚えさせられ、女を忘れていた私はだらしなく女に戻っていた。
なんで。どうして。
私はただ、仲間を信じていただけだ。
秋山も兄さんも、冴島のことも。
でもそれを話した瞬間から、彼は狂ってしまった。
桐生には、こんな感情ないと思っていた。
嫉妬で誰かを狂わせたいなんて、そんな余裕の無い考え。
「・・・っく、ぅ」
俺以外の男をそんなに見てるのか、と。
冷たい声を浴びせられた時、私はどうして戸惑ってしまったのか。
きっとあそこで、すぐに違うと答えられればこうはならなかったんだ。
私が、私がいけないんだ、きっと。
でも、答えられなかった。
それはそれが真実だったわけじゃなく。
怖かったのだ。そんな声を発する、桐生が。
それから桐生は狂ったように私を抱き、狂ったように私を愛し。
いつの間にか、私をこうやってペットのように閉じ込めるようになった。
「っぁ、く、そ・・・・っ」
私はそれでも、桐生を愛してる。
私も狂ってるのかもしれない。それでも。
いつか、桐生なら元に戻ってくれる。
そう信じて、私は桐生を突き放すことが出来なかった。
「・・・・いい子にしてたか?」
「ぁ、き、りゅうっ・・・」
聞こえた、桐生の声。
涙目で声のした方向を見ると、満足気に桐生が笑った。
・・・そのまま、私を弄んでいた玩具のコントローラーをいじる。
じわじわと追い詰められていた私は、突然強まった快感に、声を我慢することが出来なかった。
「っあぁぁ・・・・!」
違う。
今日こそ、言うんだ。
流されてはいけない。
ただ言えば良い。
こんなのはいけないって。
元の桐生に戻ってくれって。
「!!あぁぁあっ・・・!!」
「何、考え事してるんだ?」
意識を正常に保とうとしていた私を、桐生は気に食わないとばかりに追い込んだ。
玩具が引きぬかれ、そこに桐生の指が突き立てられる。
私のことをよく知っている指は、私から正常な思考を奪おうと動く。
散々焦らされていた身体は、その動きに耐えることが出来なかった。
またチカチカと視界が霞むのを感じ、身体を震わせる。
「ひゃ、ぁ、ぁっ・・・・」
「考え事する余裕があるぐらいなら、もっとしてやるよ。ほら、遠慮するな」
「や、め・・・っは、ぁぁうっ」
狂う。
刻み込まれた快楽から、逃れる術はない。
私に全てを教えこんだのは、桐生。
私には桐生しかしない。それなのに、信じてもらえない。
「きりゅ、う、お願い・・・・やめ、て・・・・」
「・・・・黙れ」
低く、怖い、声。
それなのに私を翻弄する指は、優しく、私をいじめる。
いつまで続くのだろうか。
いつまで、桐生は。
「桐生・・・」
手を伸ばしても触れることは叶わない。
逃れようとしても、鎖が音を立てるだけ。
後は、また溺れていく。
壊れた愛情表現と、快楽に。
「好き、好きだから、お願い・・・お願い・・・っ」
私の震える声を聞いて、桐生は優しげな表情で私の頬を撫でた。
そのまま、私の言葉を吸い込むように口づけを落とす。
「なら・・・このまま、俺の好きにされてろ」
”もう二度と、大切な人を失いたくないんだ”
囁かれた言葉と、再開された動きに、私の思考は飲まれていく。
ああ、また今日も、このまま。
狂った愛を受け取る私も、きっと
(狂ってしまっているんだ)
PR
この記事にコメントする
サイト紹介
※転載禁止
公式とは無関係
晒し迷惑行為等あり次第閉鎖
検索避け済
◆管理人 きつつき ◆サイト傾向 ギャグ甘 裏系グロ系は注意書放置 ◆取り扱い 夢小説 ・龍如(桐生・峯・オール) ・海賊(ゾロ) ・DB(ベジータ・ピッコロ) ・テイルズ ・気まぐれ ◆Thanks! 見に来てくださってありがとうございます。拍手、コメント読ませていただいております。現在お熱なジャンルに関しては、リクエスト等あれば優先的に反映することが多いのでよろしければ拍手コメント等いただけるとやる気出ます。(龍如/オール・海賊/剣豪)
簡易ページリンク
【サイト内リンクリスト】 ★TOPページ 【如く】 ★龍如 2ページ目 維新
★龍如(峯短編集)
★龍如(連載/桐生落ち逆ハー)
【海賊】 ★海賊 さよならは言わない
★海賊 ハート泥棒
【DB】 ★DB 永遠の忠誠(原作・アニメ沿い連載) ★DB 愛知らぬが故に(原作・アニメ沿い連載) ★DB プラスマイナスゼロ(短編繋ぎ形式の中編) ★DB(短編)