いらっしゃいませ!
名前変更所
TOW3/甘々/リオン&ジューダス夢/最終決戦前~その後
見た目はTODヒロインと同じとします
※都合上、ヒロインはジューダスがリオンの未来であることを知っていることになってます!
そしてリオンも、ジューダスが自分自身であるということを知ってます!
ご都合主義ばんざい!(ぁ
突然現れた少女を、僕は守りたい
この世界の住人でない僕は、抱いては行けない感情を抱いてしまった
――――――行くな、なんて。
言えないのは、言ってはいけないのは、分かっているのに。
見た目はTODヒロインと同じとします
※都合上、ヒロインはジューダスがリオンの未来であることを知っていることになってます!
そしてリオンも、ジューダスが自分自身であるということを知ってます!
ご都合主義ばんざい!(ぁ
突然現れた少女を、僕は守りたい
この世界の住人でない僕は、抱いては行けない感情を抱いてしまった
――――――行くな、なんて。
言えないのは、言ってはいけないのは、分かっているのに。
夜の風にのって、綺麗な歌声が聴こえる。
いつもいがみ合うリオンとジューダスは顔を見合わせ、何も言うことなく歌声のする方向へと歩き出した。
彼女が消えてしまう前に、いや、消えてしまわないようにするために。
二人の騎士(ナイト)
「~♪」
船の1番上に位置する、展望台。
ほとんど誰も訪れないこの部屋は、夜になると月や星の光を受けて、明かりを照らさずとも部屋が光に満ちていた。
その部屋の奥に、歌声の主が武器を磨きながら歌っていた。
明日には世界樹に行くことになる―――――戻ってこれなくなるかもしれないと言うのに、あけにはまったく恐怖が見て取れなかった。
これが、ディセンダーの力なのだろうか。
それともあけ自身の、強さなのだろうか。
「ふー!よしっ・・・・できたー!」
持っていた武器を磨き終わったあけは、部屋の入り口に立ってたリオンとジューダスに気づくことなく、歌の続きを歌い始めた。
リオンとジューダスは、それを聞いて顔をしかめる。
そして我慢しきれなくなってリオンがあけに歩み寄ると、それを追いかけるようにしてジューダスも歩き出した。
「あけ」
「はれ、リオンにジューダス・・・・どうしたの?」
「「・・・・」」
気の抜けた声。恐れなど抱かないいつも通りの声。
その声は安心させるようで、逆に二人の心を騒がせた。
ディセンダーは世界の危機と共に世界樹より生まれ、そして全てが終わった時に世界樹へ還る。
それが本当なら、あけはこの戦いが終わるのと同時に世界樹へ帰ってしまうことになる。
リオンは不安げにあけを見つめると、笑うあけの頭をそっと抱え込むようにして抱きしめた。
「リオン・・・・?どうしたの?」
「・・・・・なんでも、ない・・・・」
弱々しいリオンの声に、あけの瞳が悲しげに揺らぐ。 それを後ろから見ていたジューダスは、深い溜息と共に、空いているあけの腕を取って自分の唇へと運んだ。
前からは頭ごとリオンに抱きしめられていて。
右からは手をキスするようにジューダスの方へ引き寄せられている。
いつもケンカしている二人が大人しいのも驚きだったが、それ以上にこの状態があけにとっての驚きだった。
一体何が起こっているのか分からないまま、リオンとジューダスのぬくもりを肌で感じる。
「・・・・・」
無言のまま、しばらくして。
やっと口を開いたリオンの声は、まるで泣きそうな声だった。
「明日・・・・」
「え?」
「明日、行くのか?お前は・・・・・」
投げかけられた質問に、あけは戸惑うことなく答えた。
その答えが、二人を悲しみに突き落とすと――――どこかで分かっていながらも。
それでもあけは進むことだけを考え、その先に待っていることを考えようとはしなかった。
明日の決戦で、全てが終わってしまっても。
それで帰らないといけなくなっても・・・・・それで終わりだと決まったわけではないから。
「ごめんね、リオン・・・ジューダス・・・・」
終わりだと決まったわけじゃない。
そう思ってはいても、何も分からないままだった。
あけにも分からない。この後どうなってしまうのかなんて。
でも確かな事がここにある・・・・・それは、目の前のリオンという存在を、愛してしまっていること。
そして、別世界のリオンの未来であるジューダスを、少しでも助けてあげたいと思っていること。
それだけが確かな感情で。真実だった。
「リオン・・・・・?」
「あけ・・・・約束しろ。必ず、僕の目の前に戻ってくることを」
「・・・・うん」
「僕にも約束しろ。コイツだけじゃなく、僕の所にも戻って来るんだ」
明らかに喧嘩を始めそうな二人の言葉だったが、何故か二人は顔を見合わせただけだった。
すぐにあけの方を向き直り、真剣な眼差しを向けてくる。
あけはゆっくりと頷くと、二人を励ますように微笑んだ。
「だいじょぶ!絶対戻ってくるよ!」
月の光に照らされたその笑顔は、今にも光となって消えてしまいそうで。
目を見開いたリオンは、ゆっくりとあけの頬を手で撫で上げた。
気持ちよさそうに目を瞑るのを見て、リオンがあけの顎に手をかける。
いつもならそこでストップをかけるジューダスは、静かにリオンを見守っていた。
リオンもまるでジューダスに確認するかのように一旦後ろを振り向き、ジューダスと目を合わせる。
「リオン?ジューダス?一体なにし・・・・んっ!」
まるで噛みつくようなキスに、あけは一瞬にして全てを奪われた。
思うように息も出来ないまま、リオンの激しく甘い口づけに溺れて行く。
「ん、ふ・・・・ぅ!」
やっと離されたと思うと、耳元でリオンの低く掠れた声があけの全身を痺れさせた。
ぞくぞく、と。いつもとは違う感覚があけを襲う。
今までにも恋仲にあったリオンとはこういうことをしてきた―――――それでも、今日のキスはいつもと違った。
壊すようで、それでいてどこかやさしくて。
全てを支配するような、強いもの。
「愛してる、あけ」
「うん・・・・っ」
くらくら、揺れる。
甘い声を漏らしながら答えるあけを愛しく見つめ、そしてふと笑みを浮かべて立ち上がる。
そして変わるように、リオンが居た場所へジューダスが座る。
「へ・・・・?ジュー、ダス?」
「お前がこいつのものだということは、今だけでも良い・・・・僕のものにも、なってくれ」
「ぁ・・・・っ」
別世界のリオン。
それはリオンでありながら、リオンではない存在。
リオンと同じように、甘く深いキスをされたあけは、朦朧とする意識の中でジューダスを見つめた。
仮面を外した彼の顔はリオンとそっくりで・・・・だけどどこか、瞳には違うものを宿しているのが分かった。
「は、ぅ・・・・!」
「ジューダス、あんまりあけをいじめるな」
「ふん・・・・そういうお前こそ、容赦なかっただろう」
いつもは喧嘩しているジューダスとリオンが、まるで手を組んでいるかのようにニヤリと黒い笑みを浮かべあっていた。
「ふたり、とも・・・・どうしたの?」
「僕達が一緒じゃ、おかしいか?」
「ううん~!おかしくないよ!どっちかっていうと嬉しい!」
にっこりと、また光のような明るい笑みを浮かべる。
あけの笑顔に顔を見合わせたリオンとジューダスは、再び黒い笑みを浮かべてあけの腕を掴んだ。
左手はリオンが。右手はジューダスが。
そして両耳に二人の声が響き、あけは全身が麻痺していく感覚を覚えた。
「あけ、明日僕達を連れていってくれ・・・・そして今から朝まで、お前を愛させてくれ」
「拒否権はないことぐらい・・・・分かっているだろう?」
壊れ物を扱うかのような二人のキス。
だけど、それは確実にあけを崩していった。
愛をささやいて。壊すかのようにキスをして。
抱きしめて、いつものようにお話をして。
そんな時間を朝まで過ごした三人は、展望台で仲良く決戦の朝を迎えた。
「ちょっと待っててね、リオン、ジューダス」
「出発は今日のお昼頃だから
――――――転職して準備出来たら、来るね!」
だ い す き だ よ
あの日から、世界は明るい方向へと向かっていった。
争っていた地域は段々と減り、増えて行ったのは平和な地域。
そして世界を救ったのは、たった一人の少女―――――ディセンダー。
あけは強かった。
ディセンダーとしての戦力も、あけ自身の心も。
記憶がまったくない状態で生まれた赤子のはずだったあけは、いつの間にか誰よりも強く、輝かしい存在になっていた。
「彼女、戻ってこないのかな?」
「カノンノ・・・・」
カノンノはいつも、世界樹に向かってその言葉をつぶやいていた。
あけはいつ戻ってくるのかな?、と。
その言葉を咎める者は誰もいなかった。だって、あけはたった一人で最後の決戦へと向かってしまったのだから。
そのことを知った時、リオンとジューダスはほぼ同時に船を飛び出していた。
追いかけるように、カノンノも。
だけどもう、その時には遅くて。
「彼女にさよならも何も、言えなかったなぁ・・・・」
「あの子は強かったわ・・・・私達を巻き込みたくなかったのかもしれないけど、無断外出は許されないわよね」
アンジュさんが怒ったように、ぷくーっと頬を膨らませる。
それにつられてカノンノも頬を膨らませ、寂しそうに世界樹を見上げた。
「リオンとジューダスも、怒ってるよ?早く帰ってこないと、きっと「何やってるんだ!」って怒られちゃうよ」
クスッと笑いながらカノンノが振りかえると、バツ悪そうな顔をしたリオンとジューダスが、甲板に来ていた。
カノンノと同じように世界樹を見つめ、目を細める。
「勝手に行ったこと、さっさと謝りにこい・・・馬鹿が」
「まったくだ・・・・僕達と交わした約束を、こうも簡単に破るとは・・・・とんだ馬鹿娘だな」
しかりつけるように、でもどこかやさしく。
もう一度空を見上げると、まるで二人の呼びかけに応えるかのように世界樹が光り輝いていた。
太陽に照らされて、きらきらひかり輝いているように見えたそれは、しばらくして違う光を放ち始める。
その光に見覚えのあったカノンノは、思いっきり空に向かって叫んだ。
「――――――あけっ!」
「・・・・ひぃやぁぁぁあぁああああ!」
「あけ!?」
空から降ってくる、一人の少女。
それに気づいたリオンは慌てて船から身を乗り出し、落ちてきたあけを優しくキャッチした。
てっきり船にぶつかると思っていたあけは、自分を受け止めてくれたリオンを見つめて、にっこりとほほ笑んだ。
「ただいま!」
「・・・・おかえり」
「よく帰ってきたな・・・・おかえり、あけ」
リオンとジューダスが優しくあけを抱きしめるのを、アンジュとカノンノは遠くから幸せそうに見守っていた。
きっとしばらくしたら、同時に説教が始まるだろうと笑いながら。
二度と僕達を置いていこうと思えないように、たっぷりと愛してやるからな
(大切に、だけど壊れそうなぐらいに・・・・・さぁ、愛される覚悟はできたか?)
いつもいがみ合うリオンとジューダスは顔を見合わせ、何も言うことなく歌声のする方向へと歩き出した。
彼女が消えてしまう前に、いや、消えてしまわないようにするために。
二人の騎士(ナイト)
「~♪」
船の1番上に位置する、展望台。
ほとんど誰も訪れないこの部屋は、夜になると月や星の光を受けて、明かりを照らさずとも部屋が光に満ちていた。
その部屋の奥に、歌声の主が武器を磨きながら歌っていた。
明日には世界樹に行くことになる―――――戻ってこれなくなるかもしれないと言うのに、あけにはまったく恐怖が見て取れなかった。
これが、ディセンダーの力なのだろうか。
それともあけ自身の、強さなのだろうか。
「ふー!よしっ・・・・できたー!」
持っていた武器を磨き終わったあけは、部屋の入り口に立ってたリオンとジューダスに気づくことなく、歌の続きを歌い始めた。
リオンとジューダスは、それを聞いて顔をしかめる。
そして我慢しきれなくなってリオンがあけに歩み寄ると、それを追いかけるようにしてジューダスも歩き出した。
「あけ」
「はれ、リオンにジューダス・・・・どうしたの?」
「「・・・・」」
気の抜けた声。恐れなど抱かないいつも通りの声。
その声は安心させるようで、逆に二人の心を騒がせた。
ディセンダーは世界の危機と共に世界樹より生まれ、そして全てが終わった時に世界樹へ還る。
それが本当なら、あけはこの戦いが終わるのと同時に世界樹へ帰ってしまうことになる。
リオンは不安げにあけを見つめると、笑うあけの頭をそっと抱え込むようにして抱きしめた。
「リオン・・・・?どうしたの?」
「・・・・・なんでも、ない・・・・」
弱々しいリオンの声に、あけの瞳が悲しげに揺らぐ。 それを後ろから見ていたジューダスは、深い溜息と共に、空いているあけの腕を取って自分の唇へと運んだ。
前からは頭ごとリオンに抱きしめられていて。
右からは手をキスするようにジューダスの方へ引き寄せられている。
いつもケンカしている二人が大人しいのも驚きだったが、それ以上にこの状態があけにとっての驚きだった。
一体何が起こっているのか分からないまま、リオンとジューダスのぬくもりを肌で感じる。
「・・・・・」
無言のまま、しばらくして。
やっと口を開いたリオンの声は、まるで泣きそうな声だった。
「明日・・・・」
「え?」
「明日、行くのか?お前は・・・・・」
投げかけられた質問に、あけは戸惑うことなく答えた。
その答えが、二人を悲しみに突き落とすと――――どこかで分かっていながらも。
それでもあけは進むことだけを考え、その先に待っていることを考えようとはしなかった。
明日の決戦で、全てが終わってしまっても。
それで帰らないといけなくなっても・・・・・それで終わりだと決まったわけではないから。
「ごめんね、リオン・・・ジューダス・・・・」
終わりだと決まったわけじゃない。
そう思ってはいても、何も分からないままだった。
あけにも分からない。この後どうなってしまうのかなんて。
でも確かな事がここにある・・・・・それは、目の前のリオンという存在を、愛してしまっていること。
そして、別世界のリオンの未来であるジューダスを、少しでも助けてあげたいと思っていること。
それだけが確かな感情で。真実だった。
「リオン・・・・・?」
「あけ・・・・約束しろ。必ず、僕の目の前に戻ってくることを」
「・・・・うん」
「僕にも約束しろ。コイツだけじゃなく、僕の所にも戻って来るんだ」
明らかに喧嘩を始めそうな二人の言葉だったが、何故か二人は顔を見合わせただけだった。
すぐにあけの方を向き直り、真剣な眼差しを向けてくる。
あけはゆっくりと頷くと、二人を励ますように微笑んだ。
「だいじょぶ!絶対戻ってくるよ!」
月の光に照らされたその笑顔は、今にも光となって消えてしまいそうで。
目を見開いたリオンは、ゆっくりとあけの頬を手で撫で上げた。
気持ちよさそうに目を瞑るのを見て、リオンがあけの顎に手をかける。
いつもならそこでストップをかけるジューダスは、静かにリオンを見守っていた。
リオンもまるでジューダスに確認するかのように一旦後ろを振り向き、ジューダスと目を合わせる。
「リオン?ジューダス?一体なにし・・・・んっ!」
まるで噛みつくようなキスに、あけは一瞬にして全てを奪われた。
思うように息も出来ないまま、リオンの激しく甘い口づけに溺れて行く。
「ん、ふ・・・・ぅ!」
やっと離されたと思うと、耳元でリオンの低く掠れた声があけの全身を痺れさせた。
ぞくぞく、と。いつもとは違う感覚があけを襲う。
今までにも恋仲にあったリオンとはこういうことをしてきた―――――それでも、今日のキスはいつもと違った。
壊すようで、それでいてどこかやさしくて。
全てを支配するような、強いもの。
「愛してる、あけ」
「うん・・・・っ」
くらくら、揺れる。
甘い声を漏らしながら答えるあけを愛しく見つめ、そしてふと笑みを浮かべて立ち上がる。
そして変わるように、リオンが居た場所へジューダスが座る。
「へ・・・・?ジュー、ダス?」
「お前がこいつのものだということは、今だけでも良い・・・・僕のものにも、なってくれ」
「ぁ・・・・っ」
別世界のリオン。
それはリオンでありながら、リオンではない存在。
リオンと同じように、甘く深いキスをされたあけは、朦朧とする意識の中でジューダスを見つめた。
仮面を外した彼の顔はリオンとそっくりで・・・・だけどどこか、瞳には違うものを宿しているのが分かった。
「は、ぅ・・・・!」
「ジューダス、あんまりあけをいじめるな」
「ふん・・・・そういうお前こそ、容赦なかっただろう」
いつもは喧嘩しているジューダスとリオンが、まるで手を組んでいるかのようにニヤリと黒い笑みを浮かべあっていた。
「ふたり、とも・・・・どうしたの?」
「僕達が一緒じゃ、おかしいか?」
「ううん~!おかしくないよ!どっちかっていうと嬉しい!」
にっこりと、また光のような明るい笑みを浮かべる。
あけの笑顔に顔を見合わせたリオンとジューダスは、再び黒い笑みを浮かべてあけの腕を掴んだ。
左手はリオンが。右手はジューダスが。
そして両耳に二人の声が響き、あけは全身が麻痺していく感覚を覚えた。
「あけ、明日僕達を連れていってくれ・・・・そして今から朝まで、お前を愛させてくれ」
「拒否権はないことぐらい・・・・分かっているだろう?」
壊れ物を扱うかのような二人のキス。
だけど、それは確実にあけを崩していった。
愛をささやいて。壊すかのようにキスをして。
抱きしめて、いつものようにお話をして。
そんな時間を朝まで過ごした三人は、展望台で仲良く決戦の朝を迎えた。
「ちょっと待っててね、リオン、ジューダス」
「出発は今日のお昼頃だから
――――――転職して準備出来たら、来るね!」
だ い す き だ よ
あの日から、世界は明るい方向へと向かっていった。
争っていた地域は段々と減り、増えて行ったのは平和な地域。
そして世界を救ったのは、たった一人の少女―――――ディセンダー。
あけは強かった。
ディセンダーとしての戦力も、あけ自身の心も。
記憶がまったくない状態で生まれた赤子のはずだったあけは、いつの間にか誰よりも強く、輝かしい存在になっていた。
「彼女、戻ってこないのかな?」
「カノンノ・・・・」
カノンノはいつも、世界樹に向かってその言葉をつぶやいていた。
あけはいつ戻ってくるのかな?、と。
その言葉を咎める者は誰もいなかった。だって、あけはたった一人で最後の決戦へと向かってしまったのだから。
そのことを知った時、リオンとジューダスはほぼ同時に船を飛び出していた。
追いかけるように、カノンノも。
だけどもう、その時には遅くて。
「彼女にさよならも何も、言えなかったなぁ・・・・」
「あの子は強かったわ・・・・私達を巻き込みたくなかったのかもしれないけど、無断外出は許されないわよね」
アンジュさんが怒ったように、ぷくーっと頬を膨らませる。
それにつられてカノンノも頬を膨らませ、寂しそうに世界樹を見上げた。
「リオンとジューダスも、怒ってるよ?早く帰ってこないと、きっと「何やってるんだ!」って怒られちゃうよ」
クスッと笑いながらカノンノが振りかえると、バツ悪そうな顔をしたリオンとジューダスが、甲板に来ていた。
カノンノと同じように世界樹を見つめ、目を細める。
「勝手に行ったこと、さっさと謝りにこい・・・馬鹿が」
「まったくだ・・・・僕達と交わした約束を、こうも簡単に破るとは・・・・とんだ馬鹿娘だな」
しかりつけるように、でもどこかやさしく。
もう一度空を見上げると、まるで二人の呼びかけに応えるかのように世界樹が光り輝いていた。
太陽に照らされて、きらきらひかり輝いているように見えたそれは、しばらくして違う光を放ち始める。
その光に見覚えのあったカノンノは、思いっきり空に向かって叫んだ。
「――――――あけっ!」
「・・・・ひぃやぁぁぁあぁああああ!」
「あけ!?」
空から降ってくる、一人の少女。
それに気づいたリオンは慌てて船から身を乗り出し、落ちてきたあけを優しくキャッチした。
てっきり船にぶつかると思っていたあけは、自分を受け止めてくれたリオンを見つめて、にっこりとほほ笑んだ。
「ただいま!」
「・・・・おかえり」
「よく帰ってきたな・・・・おかえり、あけ」
リオンとジューダスが優しくあけを抱きしめるのを、アンジュとカノンノは遠くから幸せそうに見守っていた。
きっとしばらくしたら、同時に説教が始まるだろうと笑いながら。
二度と僕達を置いていこうと思えないように、たっぷりと愛してやるからな
(大切に、だけど壊れそうなぐらいに・・・・・さぁ、愛される覚悟はできたか?)
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サイト紹介
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公式とは無関係
晒し迷惑行為等あり次第閉鎖
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◆管理人 きつつき ◆サイト傾向 ギャグ甘 裏系グロ系は注意書放置 ◆取り扱い 夢小説 ・龍如(桐生・峯・オール) ・海賊(ゾロ) ・DB(ベジータ・ピッコロ) ・テイルズ ・気まぐれ ◆Thanks! 見に来てくださってありがとうございます。拍手、コメント読ませていただいております。現在お熱なジャンルに関しては、リクエスト等あれば優先的に反映することが多いのでよろしければ拍手コメント等いただけるとやる気出ます。(龍如/オール・海賊/剣豪)
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★龍如(峯短編集)
★龍如(連載/桐生落ち逆ハー)
【海賊】 ★海賊 さよならは言わない
★海賊 ハート泥棒
【DB】 ★DB 永遠の忠誠(原作・アニメ沿い連載) ★DB 愛知らぬが故に(原作・アニメ沿い連載) ★DB プラスマイナスゼロ(短編繋ぎ形式の中編) ★DB(短編)