いらっしゃいませ!
名前変更所
「きれいだな」
二人で真ん丸なお月様を見ながら、突然発したリオンの言葉に私はゆっくりと頷いた。
「きれだねー」
今日の月は、本当にきれいな満月だ。
見ているだけで心が洗われていくかのように、輝かしい。
私がにっこり笑って返した言葉にリオンは不思議そうに首をかしげ、そして今までに聞いたことのないような優しい声でつぶやいた。
「勘違いしてるだろう。僕が言ったのは、お前のことだ」
月光浴
「へっ?」
思いもよらない言葉に、目の前が真っ白になる。
今なんて言った?私のこと?それってつまり・・・・。
あたふたして思考が止まっている私に、リオンがとどめの言葉を耳元でささやいてくる。
「お前がきれいだって言ってるんだ。分からないのか?」
「そそそ、それは、それはわかってるっ」
飛び下がるようにして逃げようとしても、リオンはそれを許してくれなかった。
逃げようとする私の手をつかみ、思いっきり引き寄せる。
その力に抵抗できなかった私はそのままリオンの方へ身体をゆだねる形になってしまった。
どくどく、と。
心臓の音が聞こえる。
私のじゃないけど、小さく聞こえた。
それは確かに、リオンの心臓の音。
「顔をあげろ」
「・・・・・いやだ」
初めてリオンにあんなことを言われて、恥ずかしくないわけがない。
顔をあげたら真っ赤なのがばれるから隠したまま、私はボソボソとつぶやいた。
「あんなこと、いきなり言われたら・・・・」
小さくいう、リオンに対する些細な抵抗。
それさえも彼は許さず、私の顎を無理やり手で持ち上げた。
私の顔が、月の眩しい光に照らされる。
赤いのも。恥ずかしがってるのも。全部ばればれ。
「くくっ・・・」
「な、なにさーっ」
楽しそうに笑うリオンを睨み付けても、リオンはびくともしなかった。
でも聞こえる。彼の鼓動。
私だけが知ってる。リオンの言葉の裏側にある意味。
「本当に、お前をいじめるのは楽しいな」
「ど、どういうことー!」
「さっきのを信じたのか?本当にいうわけないだろう」
「ううっ・・・・」
お前をいじめるために言っただけだ、と。
そっぽを向きながらいうリオンに、クスリと笑みが漏れる。
ドクドクと鳴り響く、鼓動の音。
確かに私をいじめるためにリオンはこういうことするけど、でも知ってる。その言葉に嘘はないってことを。
そうであってほしい、ともいえるけどね。
「おい」
「ん?」
拗ねたふりして、心のどこかでリオンに勝ったつもりで笑みを浮かべていた私に、リオンが再び顔を近づけてくる。
キスされる!と目を瞑った私を、あざ笑うかのように抱きしめたリオンが耳元でそっと囁いた。
ああ、やっぱり。
リオンは私に嘘なんてつかないよ。
たとえそれが自惚れだとしても、私は知ってる。
そして私が彼に勝てないことも、彼は知っているんだ。
「ふっ・・・・」
「う、うーっ」
彼の嘘を見抜いて、勝ったつもりでいた私は、リオンの不意打ちの言葉に「勝とうなんて思うんじゃなかった」って思い知らされることになった。
「さっきの言葉が嘘だなんて、本当に信じたのか?」
(もちろん、お前が僕の嘘に気付いて勝ったつもりでいるのも、僕には分かっているんだからな?)
二人で真ん丸なお月様を見ながら、突然発したリオンの言葉に私はゆっくりと頷いた。
「きれだねー」
今日の月は、本当にきれいな満月だ。
見ているだけで心が洗われていくかのように、輝かしい。
私がにっこり笑って返した言葉にリオンは不思議そうに首をかしげ、そして今までに聞いたことのないような優しい声でつぶやいた。
「勘違いしてるだろう。僕が言ったのは、お前のことだ」
月光浴
「へっ?」
思いもよらない言葉に、目の前が真っ白になる。
今なんて言った?私のこと?それってつまり・・・・。
あたふたして思考が止まっている私に、リオンがとどめの言葉を耳元でささやいてくる。
「お前がきれいだって言ってるんだ。分からないのか?」
「そそそ、それは、それはわかってるっ」
飛び下がるようにして逃げようとしても、リオンはそれを許してくれなかった。
逃げようとする私の手をつかみ、思いっきり引き寄せる。
その力に抵抗できなかった私はそのままリオンの方へ身体をゆだねる形になってしまった。
どくどく、と。
心臓の音が聞こえる。
私のじゃないけど、小さく聞こえた。
それは確かに、リオンの心臓の音。
「顔をあげろ」
「・・・・・いやだ」
初めてリオンにあんなことを言われて、恥ずかしくないわけがない。
顔をあげたら真っ赤なのがばれるから隠したまま、私はボソボソとつぶやいた。
「あんなこと、いきなり言われたら・・・・」
小さくいう、リオンに対する些細な抵抗。
それさえも彼は許さず、私の顎を無理やり手で持ち上げた。
私の顔が、月の眩しい光に照らされる。
赤いのも。恥ずかしがってるのも。全部ばればれ。
「くくっ・・・」
「な、なにさーっ」
楽しそうに笑うリオンを睨み付けても、リオンはびくともしなかった。
でも聞こえる。彼の鼓動。
私だけが知ってる。リオンの言葉の裏側にある意味。
「本当に、お前をいじめるのは楽しいな」
「ど、どういうことー!」
「さっきのを信じたのか?本当にいうわけないだろう」
「ううっ・・・・」
お前をいじめるために言っただけだ、と。
そっぽを向きながらいうリオンに、クスリと笑みが漏れる。
ドクドクと鳴り響く、鼓動の音。
確かに私をいじめるためにリオンはこういうことするけど、でも知ってる。その言葉に嘘はないってことを。
そうであってほしい、ともいえるけどね。
「おい」
「ん?」
拗ねたふりして、心のどこかでリオンに勝ったつもりで笑みを浮かべていた私に、リオンが再び顔を近づけてくる。
キスされる!と目を瞑った私を、あざ笑うかのように抱きしめたリオンが耳元でそっと囁いた。
ああ、やっぱり。
リオンは私に嘘なんてつかないよ。
たとえそれが自惚れだとしても、私は知ってる。
そして私が彼に勝てないことも、彼は知っているんだ。
「ふっ・・・・」
「う、うーっ」
彼の嘘を見抜いて、勝ったつもりでいた私は、リオンの不意打ちの言葉に「勝とうなんて思うんじゃなかった」って思い知らされることになった。
「さっきの言葉が嘘だなんて、本当に信じたのか?」
(もちろん、お前が僕の嘘に気付いて勝ったつもりでいるのも、僕には分かっているんだからな?)
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