いらっしゃいませ!
名前変更所
結局いろいろ探し回ったが、結局狭山は見つからず。
私たちは二人で行動するのを止め、別々に狭山を見つける作戦に入った。
見つけたら連絡をする、という約束だけして別れた矢先。
早速、川の近くで狭山の姿を見つけた私は、電話を取ろうとして―――止めた。
「待てや、刑事さんよぉ」
「・・・何や」
男4~5人の集団と、狭山が一人。
何やら言い争っているような雰囲気に、私は電話よりもその場の対処を優先することにした。
どうやら男達は、狭山を連れて遊ぼうと考えているらしい。
「一晩付き合おうや?」とか聞こえるけど、こいつら、相手が誰だか分かってんのか?
相手は警察だぞ?もしかして、そういうのが好きとか?
「なぁ、姉ちゃん、どうや?」
「これ以上侮辱するならパクるで!!」
「おーおー、怒った顔もかわええのぅ・・・・」
ジリジリと近づく男達を、狭山は冷静に払いのけて川に突き落とした。
それを見たもう一人が狭山を捕まえようとするが、それも叶わず。
パシンッと強い音が響き、リーダー格であろう男が頬を押さえた。
だが、大して効いていなかったらしく、狭山を軽く突き飛ばしてしまう。
もちろん、これ以上は、やらせない。
「終わりやな、姉ちゃ・・・・ゴフッ!?」
「クリーンヒット~!」
男達の後ろから飛んだ私は、思いっきり男の首筋にとび蹴りをかまし、そのまま勢いをつけて狭山の前へ着地した。
こけたままの狭山が、驚いた表情で私を見上げる。
「ふぃー、狭山、あぶねーぞ?こんな頭ヤバイ奴ら相手にしてたら」
「・・・貴方・・・」
小馬鹿にするような笑みを浮かべ、男達を挑発した。
もちろん、狭山へのターゲットを私へ移すための行動だ。
馬鹿な男達は簡単に狭山から目を移し、私の方を取り囲む。
狭山は私が意図することに気付いたのか、その隙をついて体勢を立て直そうとしていた。
「姉ちゃん、何モンや?」
「ん?この女の・・・んー、用心棒ってとこ?」
「じゃあ一緒にお楽しみといこうやない・・・かっ!!」
「ハッ・・・甘ぇよ!!!」
殴り掛かってきた男の手を掴み、思いっきり川の方向へ投げ飛ばす。
よろけて柵にぶつかった所を容赦無く追撃し、柵に頭をぶつけるような形で押さえつけた。
悲鳴と共に流れる、赤い血。
ま、死ぬレベルじゃねぇから大丈夫だろ。
むしろこのぐらいしねぇと、こいつらのような馬鹿には効かねぇ。
「この女・・・・!」
「まだまだっ・・・そりゃ!!」
「がはっ!!て、めぇ・・・」
「ハンッ。もっと強くなってから出直してきな・・・っと!」
一人、そして二人。
襲ってくる男達を次々と柵に打ちつけながら狭山の方を見ると、狭山も案外容赦なく男を川に投げ飛ばしていた。
それを見て、煽る様に口笛を吹く。
「ひゅ~!容赦ねぇな」
「貴方こそ。・・・血だらけじゃない」
「ん?死んでないから大丈夫だろ」
「貴方ねぇ・・・」
ピ――――。
「ッ!?」
足に付いた血を払い、ようやく落ち着いたというところで笛の音が響いた。
嫌な予感がして振り返ってみると、今一番見たくなかった姿の男達―――警察が、私たちの方を見て声を上げている。
「や、やべ・・・っ」
どこに逃げよう?と考えていたその時、急に右手を引っ張られてバランスを崩した。
何かと思えば、その主は狭山で。
「こっちよ!!」
「あ?うわっ・・・・!?」
勢いよく引っ張られた私は、そのまま引きずられるようにして狭山についていった。
「何とか逃げ切ったみたいね・・・」
「はぁっ・・・はぁっ・・・お前、ら、足、速すぎ・・・っ」
「ったく・・・いったい何なんだお前らは・・・・」
騒ぎを聞きつけた警察から逃げる最中、ちょうど鉢合わせした桐生も拉致して裏路地まで逃げ込んだ。
意外と走るのが早かった狭山に引っ張られていた私は、体力の限界を迎えてその場にしゃがみ込む。
すると、ずっと手をつなぎっぱなしだったことに気付いた狭山が、気まずそうに私から手を離した。
それから桐生と私の方を見て、声を上げながら笑う。
な、なんだよ急に?何がおかしいんだよ?
今までの狭山だったら、「何騒ぎ起こしてるのよ!」と私を怒りそうなものなんだが。
「どうした?」
「いや、私たち・・・変な関係だなって思ってね」
かつては頂点に立ったともいえる極道の男と、ヤクザ狩りの女と。
グレゾーンとはいえ、裏の世界に住んでいた情報屋の私。
確かにありえない組み合わせではあるが、そんなの今更じゃ――
「ねぇ、今夜空いてる?遊びたい気分なんけど・・・どう?」
普段の狭山からは滅多に聞かないであろう言葉に、私たちは動きを止めた。
今までじゃ、遊びたいって言ったほうが怒られたはずなのに。
突然のことに言葉が返せなかった私たちを、狭山がもう一度問い詰める。
「ねぇ、どうなの?空いてるの?」
「あ?あ、あぁ・・・・」
桐生が戸惑いながら答えを返す姿は、相当レアだ。
なんて面白がって見ていたら、次は私の番だとばかりに狭山と目が合った。
「貴方はどうなの?」
「うえっ?」
「時間、あるでしょ?」
「お、おう。ある。あるよ!」
「そう。じゃあ決まりね。遊びましょう」
お、お前、頭でもぶつけたのか?
とか聞こうと思ったけど、状況を思い出して口を閉ざした。
あのピリピリした雰囲気のままより、こっちの方が断然良い。
こうやって息抜きして冷静さを取り戻してくれれば、私達も息苦しさを感じなくて済む。
それに、実際私だって疲れてるんだ。
狭山が遊んで良いって言ってるんだから、私だって自由にこのストレスを発散しねぇと!
「うーっしゃ!んじゃあ遊びに行くぞ!」
裏路地から元気に飛び出し、二人を手招きする。
すると何故か二人が顔を見合わせ、ぶふっと音を立てて吹き出した。
そのまま笑い始める二人に、思わず声を上げる。
「なっ、なんだよ!!」
「急にこどもっぽくなったわね、貴方・・・・」
「っ・・・・そ、そりゃ、まともに大阪旅行出来てなかったんだから、しょうがねぇだろ・・・・」
「迷子になるなよ、あけ」
「っさい!!」
くっそ!!少し雰囲気に合わせたら子供扱いしやがって!!
「もう好きにしろ!!私は先に行くからなっ!」
「・・・あ、ちょ、ちょっと、待ちなさいよ」
「はぁ・・・ったく、しょうがねぇなぁ」
怒りに任せて先に進み始めた私を、慌てて桐生と狭山が追いかけて来た。
たとえ馬鹿にされて怒っていても、心の中は本当の子供のようにワクワクしてるわけで。
さてと、どこに行こうかな。
ボウリング?カラオケ?バー?
遊ぶ場所はどこだってある。あとは時間が許す限り。
――――夜遊びの、始まりだ。
「あら、またストライク?やるわね、やっぱり」
「お前もな」
「~~~っ・・・!」
「どうしたの?次はあけ、あなたの番よ?」
「分かってる!!」
「次はガターするなよ」
「うるせー!!!!!」
最初はボウリング。
成績は二人がほぼ独走状態で、私がビリ。
そりゃそうだ。私、今のところほぼガターだからな。
好きと上手いはイコールで繋がらないということを、私のボールが次々と証明していく。
そんな私とは裏腹に、二人のボールは綺麗に中央を転がっていた。
悔しくて力を込めて投げれば、また再びガターへと突っ込んでいく私のボール。
「・・・・センスねぇな」
「運動神経が高いから、うまいと思ってたのに」
「~~~っ!お前らさっきから私のことを馬鹿にしやがって・・・!見てろよっ!次こそ・・・!!」
ボウリングの次はゲーセン。
狭山が格ゲーにハマっている中、私は一人、UFOキャッチャーの中にある猫のヌイグルミに惹かれて立ち止まっていた。
ちぃねこって書いてあるヌイグルミ。
ガラに無く一目惚れして、私はそれを取ろうとお金を手に取った。
・・・とその時、誰かが私の手からお金を奪い取り、私より先にゲームへとお金を入れる。
何すんだ!と振り返れば、そこに居たのは桐生で。
「・・・っ!桐生?」
「欲しいんだろ?」
「え、いや、えっと・・・」
「ずっと見てたじゃねぇか。欲しいんだろ?」
低い声で囁くように言われ、私は静かに頷いた。
それを見た桐生がニヤリと怪しい笑みを浮かべ、ゲームに手を掛ける。
「可愛いところあるじゃねぇか」
「っ!!」
「ほら、見てろ。とってやる」
「ほんとか!?ありがとー!!」
ゆっくりと動き始めるゲーム。
私はそのゲームの行く末よりも、私のことに気付いてくれた桐生に心を奪われ、ずっと桐生を見続けていた。
画面に映るBullの表記。
真っ直ぐ真ん中に刺さる、私が投げたダーツ。
ボウリング、ゲーセン、そして今回はダーツバー。
ボウリングとは明らかに違うスピードで投げていく私に、狭山がほろ酔い状態で笑いかける。
「貴方、ダーツは得意なのね」
「まーな!・・・そらっ!」
ストン、と。
良い音を立てて、吸い込まれるように真ん中へ。
その隣でプレイしていた桐生は、私との点数差を見て顔を顰めた。
今桐生が放ったばかりと思われるダーツが、真ん中より少し外れた場所に刺さっている。
「あれ?私の勝ちみたいじゃん。そら、飲めよ!」
「チッ・・・」
負けた方がテキーラを飲む。それがこのゲームのルール。
ま、これぐらいじゃ潰れないって分かってるからこそ、出来るゲームなんだけどな。
桐生が渋い顔でグラスを持ち、一気に流し込む。
それを見た私は再びダーツを構え、ニヤリと笑いながら桐生を挑発した。
「もう1回だ!」
「・・・そう何度も負けると思うな」
「へぇー?言ったな?次負けたら2杯だぞ!!」
「望むところだ」
光りと、うるさい音。
繁華街にならどこにでもある、パチスロのお店に私たちは居た。
隣でガンガン出玉を出してる狭山を見ながら、私も自分の台に集中する。
桐生の方は・・・どうやらハズレ台みたいだ。私の台も人のことを言えるレベルじゃねぇけど。
「くっそー・・・狭山運良すぎるだろ・・・」
「運も実力のうちだもの」
「うぐ・・・・」
「ふふっ・・・ほら、貴方も頑張って」
「う、うるさい・・・!合計は勝ってやるからな!」
なんて言ったけど、余裕で負けたのは言うまでも無かった。
あー、久しぶりにこんなにはしゃいだかもしれねぇ。
さすがに疲れた私たちは、コンビニでお酒とツマミを手に入れてからビルの屋上に上った。
疲れた体を冷やす、冷たい風。
屋上の柵に身体を預けながらビールの蓋を開け、一気に中身を流し込む。
桐生はまだテキーラが残っているのか、ビールには目も暮れずツマミだけを手に取った。
「・・・いい気分だ」
ポツリと呟かれた言葉に、桐生の方を振り返る。
桐生は今までのイライラが嘘のように穏やかな表情を浮かべ、ツマミを口に運んだ。
それを見ていた狭山が、ちょっと照れくさそうに笑って立ち上がる。
「飲みすぎたんやろ?水、買ってくるわ」
「あ?あぁ・・・気が利くんだな」
会話に、入れない。
いや・・・入っちゃいけないと、感じてしまった。
狭山を見る桐生の目が、すごく穏やかで、優しくて。
自分の感情がぐちゃぐちゃになりかけるのを感じて、私は必死にお酒を口に運んだ。
この感情すらも飲みこめるように。必死に、必死に。
「おだてても何も出えへんよ?」
「おだててねぇよ。そう思っただけだ」
お酒の味が、マズい。
「ウチはね、そういうおだてとかお世辞は好きちゃうし・・・」
「だから・・・素直にそう思っただけだ」
「せやから、さっきも言うたけど、ほめても何も出て来ぇへんよ?」
「・・・そういうところは、案外可愛いんだな」
私そっちの気で、流れるように進む会話。
思わず缶ビールを握りつぶしそうになって、私は静かに息を吐いた。
落ち着け。
キャバ嬢と遊んでるのだって見たことあるじゃねぇか。
たったこれだけのことで、動揺するんじゃねぇ。
そう、・・・たった、これだけのことだ。
今まで目の前であまり見ることがなかったところを、目の前で見てしまっているだけ。
「あのなぁ・・・ウチは今まで優しいなんて言われたこともないし、可愛いなんて言われたこともない・・・・男勝りで、現場でもウチが乗りこんだら皆引いてるわ」
狭山のその言葉に、また心が締め付けられるのを感じた。
どこまでも、狭山は私とソックリだ。
男勝りで、女が居るべきじゃない世界にいた私たちは、やっぱり似てしまったのかもしれない。
「せやからあんたが言うてることが嘘やってことぐらい分かってるし・・・」
「そいつらには、分からねぇだけなのさ」
「・・・何が?」
「お前が刑事である以前に、女だってことがさ」
「・・・・」
「周りがなんと言おうと気にするな。人間、自分らしくいることが一番大切なんじゃねぇのか?」
なぁ、桐生。
わざとなのか?
どうしてそんなこと、私が居る目の前で・・・言うんだよ。
いや、分かってる。
桐生は優しいから。誰でも包み込んでしまう力があるから。
桐生は特に意識してるわけじゃなく、心から狭山に対してそう思ってるんだって、分かってる。
「今のお前は、周りを気にして突っ張ることに必死で、自分自身を見失っちまってるんじゃねぇのか?・・・世の中には、お前の良いところを大切にしてくれる奴だってきっといるはずだ」
そこまで聞いて、狭山は黙り込んだ。
表情を隠すように私たちに背を向け、持っていた人形を抱きしめる。
「ウチはね・・・そういう女としての幸せってやつは、求めないことに決めたんや・・・・好き好んでそうなったわけやないけど、そうしてきたからこそ、今の自分がある。・・・・この気持ちは、誰にも分からへん」
私は裏の世界の人間だった。
だから自分は男と同じだと、言い聞かせてきた。
それを崩したのは、桐生だった。
狭山もまた、桐生に崩されていくのだろうか。
怖いな・・・桐生が、怖い。
「そうだな・・・お前のことは、お前にしかわからねぇ。お節介だったかもしれねぇが、一人の男の意見として覚えててくれ」
それを聞いて、狭山は静かに出口の方へと歩き出した。
私はそんな狭山の気持ちが、手に取る様に分かる気がした。
今まで自分だけが作ってきた世界を、崩されていく感覚。
怖いのに、どこか、嬉しい―――そんな感覚のはずだ。
「じゃあ、ウチ、先に帰っとくわ。明日朝10時、橋の上で待ってる」
「分かった」
煙草を吹かし始めた桐生と、帰ろうとする狭山と。
その光景を見ながら、必死にお酒だけを口に運ぶ私。
「ねぇ」
出口の扉を開ける音が聞こえた瞬間、狭山が桐生を呼んだ。
その声に後ろを振り返った桐生の前で、人形を前に突き出した狭山が頭を下げる。
さっきとちょっと違う風が、二人の間を吹き抜けた気がした。
「・・・ありがとう」
立ち去って行く狭山を見ながら、桐生は無言で煙草を吹かす。
ああ、こいつ、最後まで私が居なかったことにするつもりか。
それが悔しくて、イラついて・・・意地でも私は自分から声を掛けないことにした。
空っぽになった缶を静かに置き、音を立てずに私も煙草に火をつける。
滅多に吸うことの無くなった煙草は、あまり美味しく感じない。
「・・・・」
見上げれば、黄昏た表情の桐生が目に入る。
2年前と同じ感覚だ。
自分の感情が桐生に壊されていく感覚。
いつからこんなに女々しくなったんだ?と、毎回呆れてしまうんだ。
裏の世界で、女を捨てて生きていた私。
警察の世界で、自分を強くするために女を捨てた狭山。
ほら、そっくりじゃないか。
だから銃を突きつけられても、苛立つことをされても、切り捨てられなかったんだ。
普段の私なら、嫌なことはどれだけピンチでも嫌だと答える。
本当に嫌ならあの場所で桐生を裏切るフリを見せ、後から狭山を潰してもよかったんだ。
でも、それが出来なかった。
何故?
・・・・分かってる。
「・・・・」
2年前の自分を、見ているようだから。
煙草をガリッと噛んでしまった私は、慌てて煙草を地面にこすり付けた。
感情の整理がつかず、もう1本ビールを手に取る。
これが嫉妬?いや、そんなんじゃない。
いつも以上に深くモヤモヤとした感情・・・こんなの、初めてだ。
それに嫉妬するだけなら、初めてのことじゃない。
もしかしたら、不安なのだろうか。
自分と似ていて―――だけど私と違って、女性の可愛らしさを持っている彼女に、桐生が。
桐生が・・・。
「狭山・・・」
狭山のことを、本気に、なってしまったら。
怖くなって服を握りしめた私を、気付いた桐生が上から撫でつけた。
それすらも苛立ちと悲しみを感じてしまう私は、馬鹿なんだろうか。
でも、怖いものは怖いんだ。
気付けば気づいてしまうほど、怖い。
彼は、どこにでも、私よりいい女を見つけられる。
それが分かっているからこそ。
「どうした?あけ」
「・・・・別に」
煙草は捨てて、飲んでいた缶ビールも捨てて。
桐生の表情を見ないように、地面を見つめる。
私の雰囲気がいつもと違うことに気付いたのか、桐生も座って私の顔を覗き込んだ。
桐生の手が私の頬をそっと撫で、静かに桐生の方を向かせる。
見るなと抵抗しても、桐生の力には敵わない。
気を抜けばちょっと泣いてしまいそうで、ぎゅっと手に力を込めた。
「っ・・・桐生、これからどうする?まだ、朝まで時間あるけど?」
無理やり振り絞った声。
桐生は「嫉妬か?」とからかうようなこともせず、静かに私を抱きしめた。
「・・・・悪かった」
「・・・・」
「不安にさせたな。・・・だが俺は」
「分かってる。分かってる・・・」
「アイツは昔のお前にソックリだ。あのままじゃ、身を滅ぼすときがくる」
「・・・・分かってる、から・・・」
私が勝手に不安になってるだけだ。
そんなこと、分かってる。
私はこの気持ちを振り払うために、一気に立ち上がって桐生の方を見た。
今日一番の笑みを浮かべながら、座ってる桐生に手を差し伸べる。
「ほら、行こうぜ!まだ夜はあるんだ」
今笑ってる私の顔は、桐生にはどんな風に見えてるんだろうか。
無理やり笑った顔?
それとも、泣きそうな顔?
私はなるべく桐生を心配させないように、必死に笑顔を浮かべ続けた。
桐生が私の手を取る、その時までは。
手のぬくもりを感じた瞬間、私はガラになく泣きそうになった。
(この温もりが無くなってしまったらどうしようと、女々しく、震えながら)
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