Erdbeere ~苺~ 狂おしくも愛おしく 忍者ブログ
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2013年02月23日 (Sat)
桐生/狂愛/ダーク/微エロ/パロディ/※桐生視点
桐生=暗殺者/ヒロイン=警備兵

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一目惚れ、なんて柄にないことだと分かっている。
暗殺業に身を染めた俺が、恋をする資格がないことも分かったいた。

分かっていたはずなのに。

王の命を狙って城に忍び込んでいた俺を止めた女―――その女に、俺は一目惚れした。

女とは思えぬほど力強い動き。
最初はただの警備の人間だと思っていた。
だが違った。アイツは俺のことを、恐れもせず真っ直ぐ見てきたのだ。


「俺が、怖くないのか」
「はん?お前如きが怖くてこんな仕事やってられっかよ。逃げるなら今のうちだぜ」
「・・・質問を変える。その俺如きに、何故口を利く?」


この世界の暗殺者とは、最も恐れられ、最も汚らわしい存在だと言われていた。
その汚らわしい存在と口を利くということは、本当にあり得ないことで。

どんなことを言っても、暗殺者と思われた者は弁解の余地なく殺された。
何を言っても言葉は虚しく通り抜け、誰も目を合わせようとすらしない。

それが当たり前だと思っていたのに、この女はそれを全て塗り替えた。


「・・・別に理由なんてねぇよ。暗殺者だからって怯えるつもりもねぇし、だからといってお前のことを無視するつもりもねぇ。さー・・・正々堂々、勝負といくか?」












欲しい。
心の底からそう思った。

暗殺なんてどうでもいい。

そう思えるぐらいに、俺は彼女に溺れていた。

だが彼女には婚約者がいるらしい。
暗殺しか知らない俺が、表世界の人間から彼女を奪い取れるわけがねぇ。

でも、欲しい。

・・・・そうだ。


「奪い取れないのなら、向こうから来させるまでだ」


壊れた理性は、元に戻るということをしようとはしなかった。












俺を求めるようにすればいい。
そう、それがどんな感情でも良い。

彼女が、俺を探し求め、会いたいという感情を作れば良いんだ。
それが狂った感情だということを知らずに、俺はその感情に従い続けた。

アイツが欲しい。

真っ直ぐな瞳。強気な発言。可愛らしい声。
その全てを俺のものに。それ以外も、全て。


真っ直ぐな瞳。

―――それが壊れる瞬間も。

強気な発言。

―――それが悲鳴に変わる瞬間も。

可愛いらしい声。

―――それが甘い声に変わる瞬間も。


欲しい。
全てが欲しい。
全てが見たい。

感情に任せて剣を振るう。

見ず知らずの人間の悲鳴が、初めて心地よいものに聞こえた。

さぁ、始まりだ。
根っからの暗殺者である俺に、火をつけたお前が悪いんだぜ。

恨むなら恨めば良い。

恨んで俺の所に飛び込んで来てくれるなら、それですら愛しく思える。












「狂ってる」


ああ、そうだな。


「そんなことのために、私の婚約者を・・・両親を・・・友達を・・・殺したっていうのかよ・・・?」


そんなことのため?
いや、そんな軽い言葉で終わるような問題じゃねぇ。

俺は予想通り飛び込んできた彼女を見据え、ニヤリと笑った。
復讐に狂った彼女に種明かしをすれば、その真っ直ぐな瞳が絶望に染まっていく。

だが、恐怖の色に染まらないだけ、さすがといえよう。


「俺が憎いか?」
「あぁ。今すぐ殺してやる」


1歩。
近づいてくる足音に、浮かんでしまうのは笑顔。

もっと、早く。早く。

近づいてこい。さぁ、もっと。

これが待ち望んでいた瞬間なんだ。
どんな形であれ、お前が俺の元に飛び込んでくる瞬間。


「逃げないことだけは大目に見て、少し痛い殺し方で許してやるよ」
「・・・そうか」


また、1歩。
冷たい鉄の音が響き、彼女が剣を抜いたのを感じた。

それでも俺は動かない。
触れる位置までは、ひたすら待ち続ける。


「・・・お前のせいで、私は無茶苦茶になったんだ」
「フッ・・・」
「ッ・・・!てめぇのせいなんだぞ!!笑うんじゃねぇよ!!!」


あと数歩というところで、彼女が痺れを切らせて走ってきた。
振り上げられた剣を見て俺は最小限の動きでそれを避け、彼女の腕を掴む。

やっと、触れられた。
もう元には戻れない。
今まで俺を突き動かしていた感情が爆発寸前まで膨れ上がり、狂わせる。


「はな、せ・・・・っ」
「ダメだ。お前は俺の話を聞いていたのか?」
「何が・・・!!」
「俺はお前を手に入れるために奴らを殺したんだ」
「・・・だったら、なんだ・・・!」
「お前はまんまと、俺の罠にかかったってことだ。・・・さぁ、来い」


それは有無を言わさない“命令”
抵抗を見せる彼女にすら欲を感じるのは、やっぱり俺が狂ってる証拠だろうな。

俺に笑いかけてくれねぇなら、それ以外の表情を見せてもらうだけだ。


「やめろ・・・!!触るなっ!!!」


良いぜ、その表情。


「触るなっ・・・・!!」


誰かと戦うより、誰かを殺すより。
この瞬間が、一番の快楽。













鎖に繋がれた彼女。
名前すら教えてもらっていない、俺の女。

強かった瞳は絶望の色に。

可愛い声は枯れた声に。

吐き出す言葉だけは、俺への強気な言葉のまま。


「死ね」


さぁ、次はその言葉を変えてやろう。
何を言うようにしようか?

愛の言葉?

でもそれを、お前の婚約者は聞いたんだろ?

誰かが聞いた言葉を、俺は聞きたくない。
俺だけに聞かせる言葉を。

そうだな、淫らに俺だけを求める言葉を吐くようにでもさせるか?


「こっちを見ろ」
「っ・・・ぁ・・・」
「フッ・・・最初のころより、良い反応するようになったじゃねぇか」
「・・・触る、な・・・っ」


欲しいものは無理やりにでも手に入れる。
さぁ―――もっと。

もっと。























狂って、壊して、犯して。
(初めて本気になった女を、俺はこうやって手に入れた)
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