Erdbeere ~苺~ 6章(4) たくさんの久しぶり 忍者ブログ
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2013年02月20日 (Wed)
6章(4)/※ヒロイン視点

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腰が痛い。
葬儀場に向かうタクシーの中で、私は腰の痛みばかりを気にしていた。

どれもこれも、私の隣に座っているこの男のせいだ。
いや、元はといえば無茶しまくった私も悪いんだけど。
だからって夜、寝る暇もないぐらいやる必要あるか?

エロ人間。この変態。・・・なんて悪口は言えないから、心の中だけで留めておく。


「何か言いたげだな」
「いや、と、特に」
「・・・身体、大丈夫か?」
「ん、へーき。つうか、時間間に合うのか?」
「あぁ。ちょうどいいぐらいだ。・・・・ほら、ついたぞ」


タクシーが止まった先に、見慣れた顔の人たちが出迎えとして立っていた。
お金を払い、その人たちに会釈をしながら先に進む。

さすがは寺田の葬儀って感じだな。
東城会に出入りするだけだった私でさえ、葬儀に来ている人間のほとんどの顔が分かる。

でもまだ、主な幹部たちの姿は見えない。

適当に挨拶をしつつ、受付に名前を記入して中に入った。


「こうやって葬儀場に来ると、1年前のこと思い出すよな?」
「フッ・・・懐かしいこと言うじゃねぇか」
「まだお前と会ったばっかりのころだったよなー」


1年前。私が桐生の手伝いを始めたばかりの頃。
風間のおじいちゃんに会うために、葬儀場に忍び込んだことがあった。

その時は受付出来なくて、大変だったのを覚えている。
忍び込んで、挙句の果て見つかって、戦って。
あの時と今では、本当に変わってしまった。

私も、桐生も、東城会も。
中に入って弥生姐さんを見つけた私は、一目散に姐さん目がけて走った。


「弥生姐さんっ!!」
「!!あけかい・・・!?アンタ、やっと顔を見せてくれたんだね・・・!」
「ごめんな、姐さん・・・。色々あって、来るのが遅くなっちまった」


弥生姐さんは私の良き理解者。

柏木さんや大吾、真島の兄さんと同じく、おじいちゃんのところに出入りするようになってから関わる様になった人間の一人だ。

女の少ないこの世界で、私のことをお母さんのように色々と聞いてくれる。
甘えちゃいけないってのは分かってるんだけど、ついついそれに甘えてしまって。


「まったく、アンタまた傷だらけじゃないか。桐生、ご苦労だったね。何もなかったかい?」
「はい、大丈夫です」
「そうかい・・・じゃあ今の現状は?」
「郷田会長は攫われたまま。んで、敵として動いてきそうなのは、郷龍会。そしてそこと手を組んでるらしいジングォン派ってとこ」
「・・・ジングォン派については聞いたよ。アンタも攫われたらしいじゃないか」
「ちょっと油断しちゃってね。あぁでも、この通り平気だぜ!!」


ぴょんぴょんと飛んで見せれば、静かにしろ!と後ろから桐生に殴られた。
パシン!と心地よい音が響き、痛みに耐えかねてしゃがみ込む。

それを見た姐さんは特に何も突っ込むことなく、現状把握の話を桐生と進めた。

・・・にしても、やたらと幹部の人間の姿が少ないな。
見覚えのある顔が多いって言ったって、それよりも上の人間が来てないんじゃ話にならない。
雨が降ってるからか?確かに受付の時に少し降られて濡れたけど。


「でも、あのジングォン派と郷龍会が手を組んだとなれば・・・多くの血が流れることは避けられない」
「とにかく今は、郷田会長の居場所を突き止めることが先決です」
「そうだね・・・盃を交わせば、ヤツらの動きも封じられるはずさ」


姐さんと桐生の話に耳を傾けつつ、私はずっと外の方を見ていた。
私たちが来たころは小ぶりだった雨も、今は傘が必要なぐらいの強さにまでなっている。

雨のジメジメ感が嫌で、私は少しスーツの首元を緩めた。
傘を刺した人間が一人二人、静かに本部へと足を踏み入れる。

だがどれも、見たことがあるっていうレベルの顔ぶれだ。

大幹部クラスの人間は、まだ見当たらない。


「(妙だな・・・・)」


5代目の葬儀の日に、揃いも揃って直属幹部クラスの人間が遅刻をするか?
むしろ早めに来て、姐さんや柏木さんの手伝いをするのが当たり前だろう。

不信感が拭いきれなかった私は、桐生と姐さんを置いて扉の方へ向かった。
雨が降る中、屋根がついているところを選んで外に出る。


「んー・・・やっぱ人少ねぇよなぁ・・・・」


跳ね返ってくる水。
小さく聞こえてくる、挨拶の声。
それらを軽く見まわしていた私の目の前に、見慣れない車が止まる。

普通に見れば、幹部クラスが乗るような高級外車。
でも今の私には、その車が東城会の人が乗っている車とは思えなかった。

だってさ、郷龍会と戦争が勃発しそうだって言ってるんだろ?

そんな時にこんな目立つ黒い外車、乗ってくるか?

下手すれば向こうの奴らにばれて、狙撃されるかもしれない。
だからあの車は―――。


「おい!!お前ら、警備を固めろ!!」
「えっ・・・?」
「え?じゃねぇ!!早く動け!!」


警備として立っていた奴らに指示を出し、準備してきた薬の瓶を確認しながら車に近づく。
出来るだけゆっくり、相手を刺激しないように。

それに合わせて、ゆっくりと車の扉が開いた。
出てきたのは見覚えのない奴らばかり。私の読みはビンゴだったってわけだ。
警備の人間もそれに気づいて構えるが、あっという間に乱闘が始まってボコボコにされていく。

っておいおい。さすがに弱すぎだろ。


「おいこら!何こいつらに手ぇ出してんだ・・・よ!!!」
「がはっ!?・・・なんやお前。痛い目みたいんかこのアマァ!」
「それはこっちのセリフだぜ。痛い目みたいやつだけ掛かってこいよ、あぁ!?」


苛立ちに任せて出てきたやつらを蹴り飛ばす。

お前らのせいで!!
お前らが手を組んだ奴らに拉致られたせいで、私は桐生に説教食らったんだぞ!死んで詫びやがれ!!

そんな個人的な恨みで、次々と男達を蹴り飛ばしていった。
手加減なんて言葉は存在しない。ふっとんだ男達は雨が降る中、気絶して地面に倒れる。


「今日は龍司さんもおらへん・・・お嬢ちゃん。あんまりおイタがすぎると、怪我するで」
「・・・あん?それ私に言ってんのか?」
「お嬢ちゃん以外、立っとるやつがおらへんやろ?」
「あー・・・ほんとだな。だからなんだよ」


そこら中に倒れている東城会の構成員。
それを見渡した後、郷龍会の構成員の数を見て、挑発的な笑みを浮かべた。


「フッ・・・まさか、これだけで私に勝つつもりか?」
「ほんま、龍司さんが気に入っただけの女やわ。・・・なら、本気でいかせてもらいまっせ」
「あぁ・・・来いよ!!」


どれだけ数を束ねても、答えは同じ。
この雨の中、雨に気を取られてしまってる構成員もいるみてぇだしな。

雨の日に喧嘩挑むなら、雨に慣れてから来いよ。
身軽な動きでひょいひょいと敵の攻撃を避け、出来た隙に膝蹴りを食らわせる。


「ほらほら、遅いぜ?」
「この・・・おわっ!?」
「いっちょあがりー!」
「ぐあ!!」
「んだよ、こんなもんか?もうちょっと手ごたえの・・・んぐっ!!??」


もう1発入れてやろうと前に踏み込んだ瞬間、首元がぎゅっと締まって変な声が出た。
何すんだよ!?と後ろを振り返れば、呆れた表情の桐生が佇んでいる。

そして後ろには、姐さんや柏木さん、大吾もいるようだ。
これだけ騒いじゃ、気付かないってのが無理か。
葬儀の時ぐらい何事も無く、静かに終わらせてやりたかったんだけど。


「んあー?このぐらいの騒ぎ、私一人で十分だったんだけど」
「確かに十分だろうな。でも今のお前はダメだ。・・・昨日まで捕まってたこと、忘れてるんじゃねぇのか?」
「・・・わーったよ。んじゃ、残りの半分、頼んだぜ!」
「俺も加勢する」
「おう。じゃあ、大吾もそっちよろしく!」


桐生と、大吾と、私。

どれだけ人数が揃おうが、私たち相手じゃ勝ち目などないだろう。

それを証拠に、あっという間に沈んでいく構成員達。
私ですらさほど苦戦しなかった奴らが、桐生に勝とうだなんて100年早いのだ。


「ふぃー・・・これで終わりか?」
「あぁ、そうみたいだな」
「こっちも終わったぜ、桐生さん」


死屍累々と表現できそうなほど、見事に平伏す構成員。
その中で満足げに立ち尽くしていた私たちの目の前に、もう一台、大きな白い車が止まった。

新手か、と。咄嗟に拳を身構える。
車から出てきた人物は嫌でも見慣れた人物で、私は思わず構えをといてしまった。
桐生達は私を守る様に前へ進み、その人物―――龍司と、私の間に割って入る。


「おはよう、桐生はん」


詫びる様子も見せずに出てきた龍司を、桐生が冷たく睨みつけた。


「葬儀の日に殴り込みとは、どういうつもりだ?」
「うちの若いモンは血の気が多てかなわんわ・・・・やめ、言うてんのに勝手に突っ込んでしもうたんや。ホンマすまんことしたのぅ」


そう言う龍司の表情に、嘘は見えない。
さっきの男も「龍司さんはおらん」って言ってたし、本当に勝手に突っ込んできたのだろう。

だからといっても、部下の不始末は上司の責任。
ここに居る誰もがその言葉を許さず、立ちはだかる様に前に出た。


「どの面下げてきたんだ!」
「寺田はんには、昔よう世話になったさかい。焼香させてもらいに来たんや」
「お前ぇの焼香など受けられねぇ!とっとと帰れ!」


柏木さんの怒った顔、初めて見るかもしれねぇ。
それほど柏木さんは龍司に対し、敵意を燃やしていた。

だが、龍司はケロッとした表情で柏木さんに近づいていく。


「さっきからおっかない顔しとるけど・・・あんた何モンや?」
「若頭代行の柏木だ」
「ホンマでっか?ワシはてっきり葬儀屋のオッサンかと思うてましたわ」


安い挑発。
龍司の口から次々と、東城会に対する貶し文句が飛び出す。

人手不足の現状。
弥生の姐さんを未亡人のオバハン扱い。
キレた大吾が殴り掛かるが、今の戦いの疲労もあり、すぐにやられて転がり戻ってきた。

やりたい放題って感じだな。
さすがに黙っていられないと、前に出て龍司を挑発する。


「こないな組と喧嘩してると思うと、ちぃとばかり泣けてきますわ」
「安心しな。・・・郷龍会より中身はマシだぜ」
「・・・・あけか。そないなとこより、ワシんとこ来いや」
「断る。私はここが好きなんだよ。それより・・・郷田会長はどこだ?」


恐れなど抱かない。
真っ直ぐ龍司の目を見てそう尋ねれば、観念したとばかりに龍司が笑い出した。


「ほんま、良い女や。ますます欲しなったわ」
「おい・・・質問に答えろ」
「・・・・空気のええところで、ゆっくり休んでもろてるところや」
「目的は・・・盃を阻止するためか」
「せや。こないなヨレヨレの組と、天下の近江連合が盃交わすなんざ、つり合いがとれへんやろ」


まぁ、龍司の言ってることも一理ある。

近江連合は関西の中でも大きな連合だ。
関東の大きな組織とはいえ、こんなヨレヨレになった東城会と組むメリットはあまりない。

だけどこの世界も、争うだけが全てじゃねぇ。
時には手を取り合って、協力し合うこともある。

だから龍司の親父、会長さんは盃を承諾してくれたんだ。

それなのに。


「つり合いが取れてないことだって、会長は分かってる」
「・・・せやったら、文句ないやろ」
「いいや、あるぜ。分かってても会長さんは私たちのところを手を組むつもりだった・・・お前らみたいな戦争だけ起こしてるのが、この世界じゃないってわけだ。ちょっとは頭使えよ」


私は極道の人間じゃない。
でも極道に関わった人間。

風間のおじいちゃんだったら、きっと郷田会長と同じ選択肢を取っただろう。
喧嘩だけが極道じゃない。そのことを良くわかってる人だったから。

じゃなきゃ、殺した人間の子供を、わざわざ施設で引き取ってくれるわけないだろ?


「・・・最高やな、お前はん」
「今更、か?」
「ま、ええわ。今日はほんまに寺田はんを弔いに来ただけなんですわ」


その言葉に合わせて、龍司の後ろに控えていた男がアタッシュケースを取り出した。
嫌でも分かるその中身に、誰もがイラついた表情を浮かべる。

開かれ、放り出される中身。
雨で濡れた地面にバラまかれたのは、予想通り“お金”だった。
ぐしゃぐしゃに濡れていくお金を拾いながら、怒り狂った柏木さんの声を聞く。


「郷龍会の金など受け取れん!!」
「そないなこと言わんと、金に困ってるなら受け取ってくださいや。なんや東城会は、1年前、たかが100億のことで内輪モメしとったそうやないか」


別にモメたくてモメたんじゃねぇよ。

まー、それにしても、挑発のためによくこんな金用意したな。
バラ撒かれたお金を数枚手に取り、龍司によく見えるように拾い集める。

後ろから大吾が、「お前拾ってんじゃねぇ!」って小突いてくるけど、無視だ無視。
挑発には挑発を。子供っぽいと言われようが、のってしまうのが挑発。


「ありがたく受け取ってやるよ」
「なんや。よう分かって・・・」
「あれだろ?この金渡したから負けたって、言い訳にするために渡したんだろ?」
「・・・・この金渡したぐらいで、ワシんとこが負けるとでも思ってるんか?」
「この金貰わなくたって、お前らのところなんか潰せるっての。このクソガキ」


そして言い争いはヒートアップしていく。
最初は言い争いを止めようとしていた桐生や大吾も、どこか感心するように私を見つめていた。


「ほんま、ええ度胸しとるわ・・・もう一度泣かしたろか?」
「なっ・・・・い、いつお前に泣いたってんだよ!?」
「初めて会ったとき、怯えとったんわ誰やったかのぅ」
「・・・そ、それは・・・ちくしょう!ぶっ飛ばすぞ!?」
「なんや?やるんか?」
「後悔するんじゃねぇぞ!」
「そこまでにしな!!」


言い争いに割って入った、弥生姐さんの声。
思わず殴り掛かりそうになっていた私は、その声に目を覚まして手を下げた。

すっかり熱が冷めた龍司を、弥生姐さんが睨みつける。


「こんな挑発をして・・・恥ずかしくないのかい?」
「何がや」
「どんな出来の悪い子供でも、親は可愛いもんさ。なのにこんな・・・会長を裏切るようなマネをして・・・」


その言葉に、龍司の表情が変わったような気がした。
挑発的に歪められていた顔は冷たい色に染まり、憐れんだような目でこちらを見てくる。

触れちゃいけない、話だったんじゃねぇのか?
龍司の様子からして、何となく私はそう思った。
この世界、誰もが親に対して良い感情を抱いているとは、言い難いからな。


「・・・ワシと親父は、ほんまもんの親子やない」


ああ、やっぱり。
見せた表情のワケを知り、独りでに納得する。


「ワシはアイツに拾われた。それだけや・・・血ぃなんて繋がっとらんわ。せやから親父も、なーんもワシんことは気にしとらん」


龍司はどこか苦い顔をしてそう言うと、何事も無かったかのように笑みを浮かべた。
そしてどこか挑発的に、私達へと背を向ける。

この妙な空気の中、龍司の言葉を邪魔しようとする奴は居なかった。
私ですら、動けないまま。龍司が次に何を言うか見守る。


「・・・今日はほんまに、寺田はんを弔いに来ただけですわ。何もする気はあらへん」


血の気の荒い人間だが、龍司は嘘を吐くような人間じゃない。
それはこの僅かで微妙な関係の中、私が唯一龍司について言えることだった。

血の気が荒く、若々しく、まさに若い極道って感じの人間。
桐生の若いころとか、こんな感じだったんじゃねぇのかな?
取り立ての時は結構厳しくやってたって聞くし。


「そうやな・・・3日。3日待ちますわ。それまではお互い喪に服すとしましょうや」
「・・・3日、か」
「そや、3日・・・。3日経ったその時は、わかっとるやろ?」


―――戦争の始まりや。

そう冷たく言い放った龍司は、ふと思い出したように私の方へ振り返った。
何かされる!?と身構える私に、意地悪い笑みを浮かべて言う。


「忘れてましたわ。ワシんとこには、礼儀知らずのオッサンがおるんや。多分今頃、神室町のどこぞで派手なパフォーマンスを繰り広げとるはずや」


礼儀知らずのおっさん?
一番初めに浮かんだのは、盃の挨拶の時に失礼なことを言っていた男。

声しか知らない奴だが、アイツぐらいしか浮かばない。
桐生も大体の目星はついているのか、厳しい表情で聞き返す。


「礼儀知らず?・・・誰だ」
「千石や」
「・・・」
「やっぱり、といった感じの表情やな。ほな」


帰っていく龍司を、誰も追いはしない。
それよりも今は、龍司が言っていたことの方が気になった。
龍司のことだ。私たちをはめるような罠とも思えない。

となると、本当に千石がパフォーマンスをしに来てるってことになる。
何のために?戦争のために?それとも、他に何か目的が?


「どうする、桐生。アイツの言ってること、嘘じゃねぇと思うぜ」
「・・・行くしかねぇな」
「ん、じゃあ大吾はこっちを守っててくれ。私たちは行ってくる」
「あぁ。・・・気をつけろよ、あけ。お前はまだ傷が残ってるだろ」
「おう!もうへーき!」


銃で撃たれた傷と、捕まった時に抵抗してつけられた痣。
どちらも中途半端ではあるが、痛みは治まってきていた。

それでも桐生は許さないだろう。
思った通り、すぐにタクシーを捕まえて乗り込んだ私に、桐生が言い放つ。


「俺から離れるなよ、あけ
「・・・・りょーかい」
「もう、痛くはねぇんだろ?」
「一応、ね。・・・そ、そんな顔するなって!痛かったら言うから!な?」


渋い顔をした桐生が目に入り、私は慌てて言い直した。
桐生の安心したような顔に、ドキッとしてしまう自分がいる。

過保護で、うるさいなって。いつもはそう思ってるはずなのに。

やっぱり好きな人から心配されるのは良いものだと、心のどこかで思うようになっていた。

だからこそ、奴らには負けない。
千石組だろうが何だろうが、私は桐生と共に戦い抜く。
そう決めた私は桐生の手に触れ、力強く微笑んだ。




























だからこそ、無茶をしたくなるんだぜ。
(それを言ったら怒られるから、大人しくしてたけどな)
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見に来てくださってありがとうございます。拍手、コメント読ませていただいております。
現在お熱なジャンルに関しては、リクエスト等あれば優先的に反映することが多いのでよろしければ拍手コメント等いただけるとやる気出ます。
(龍如/オール・海賊/剣豪)