Erdbeere ~苺~ ハッピーバレンタイン? 忍者ブログ
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2013年02月11日 (Mon)
バレンタインデー企画夢/ヒロイン視点

キャラの順番は「秋山→真島→龍司→桐生」とオブジメンツになっています。
お好きなキャラまで、スクロールでびゅーんと飛んでくださいませ!

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ハッピーバレンタイン。
今まで私には必要の無かったイベントも、今では必要イベントになってしまっていて。

チョコ、か。

あー・・・かったりぃなぁ・・・。




【秋山/甘/※ヒロイン視点】


2月14日。
バレンタインデーと呼ばれるその日に、私はいつも通りの町を歩いていた。

ただ町はいつもよりどこか派手で。
まぁ、そうだよな。バレンタインデーだもんな。
どこもこの日にチョコを売り出そうと、可愛い売り子を外に出して叫んでいる。

だから出来れば今日は、ずっとアジトに籠っていたかったんだが。


「あー・・・やっぱ渡さなきゃだめか・・・?」


ふと頭に浮かぶ、彼のこと。
秋山はこういうイベントが好きだから、私が忘れたら拗ねるのが目に見えている。

でも買うのはめんどくさい。
そう思いながらも足は店へと向かっており、私はすっかりこの雰囲気に流されていた。


「いらっしゃいませー」


初めて入る、甘ったるいお店。

チョコ専門店と書かれているだけに、チョコの量もハンパじゃない。

っていうか、アイツはどんなのが好きなんだ?
あんまり味の好みとか聞かねぇから、分かんねぇや。

でもあんまり、甘いのが好き・・・ってイメージじゃない。


「酒入りだったら食えるかな、アイツ」


こうやって見ると、色んなチョコがあるみたいだ。
甘いものは好きだが、こうやって選ぶことはしなかったからなぁ。

いっそ、私が好きなのを買って、二人で食べるってのもアリか。

色々見て回っている内に、どんどん時間が過ぎていく。


「はー、やべぇ。段々めんどくさくなってきたぜ」


こういうの、私には向いてないってことが良くわかった。
でもここまで来ちまったからには、何か選ばないと・・・。

そろそろ、歩き回りすぎて店員の目が痛い。
早く買えよって思われてるよな、完璧に。


あけちゃん?」
「んあ?」


慌てて何か買おうとしていた私に、後ろから声が掛かった。
聞きなれた声にいつも通りの返事を返すが、違和感に気付いて即座に後ろを振り返る。

甘くて渋い、聞きなれた声。

今一番に考えていた、そして一番に会いたくなかった相手。


「うあぁ・・・!?秋山!?なんでここに!!」
あけちゃんを探してたからだけど?」
「・・・?探してた?」
「だってあけちゃん、ずっと電話してるのに出ないからさ」
「え、電話?」


秋山に言われて携帯を取り出すと、そこには大量の着信履歴が残されていた。
もちろん、全てが秋山からの履歴。
こんなに掛けられてなんで気付かなかったんだと思うほど、それはもうすごい量で。

チョコレートと携帯、そして秋山の表情を見た私は、咄嗟に目を逸らした。
何故私がこの着信に気付かなかったのか―――それに、秋山が気付いている顔をしていたから。

でもそれが、許されるはずもなく。


「はい、あけちゃん。こっち見ようか?」
「見ねぇ」
「とりあえずほら・・・おいで」
「・・・・っ」


手を掴まれ、店から引きずり出された。
店員から、そしてお店に居た客からの視線も痛い。

なのにこの男は容赦なく私を引きずり出し、しかも路地裏に連れ込んだ。
もがいても逃れられないその力に、徐々に諦めながら足を進める。


「何だよ、秋山」
「まだ恍ける気なの?そんな可愛いことされたら、我慢出来なくなっちゃうけど?」
「はぁ?一体何言って・・・っ」


言い返そうとした瞬間、唇を塞がれて言葉が遮られた。
長く、焦らすような触れるだけのキスに、何とか逃げようと身体を捻る。

だけどそれは、本当に無意味な抵抗で。
その抵抗に気付いた秋山は私の身体を壁に押さえつけ、更に深く口づけた。

触れるだけのキスとは違い、舌を弄ばれる感覚に身体が震える。


「ん、ふっ・・・・」


噛む、わけにはいかない。

だけど好きにされるのが気に食わなくて、私は思いっきり足を振り上げた。
かろうじて出た抵抗に秋山はまた笑い、軽々と私の足を受け止める。


「くそ!てめぇ・・・っ!」
「はいはい。そんなに怒らないで?」
「お前のせいだろ!?」
「だってあけちゃんが可愛いことするからじゃない」
「何もしてねぇだろ!」
「え?だってあけちゃんさ・・・・」


耳元で、わざと息を吹き込むような。
そんな声で囁かれる。


「俺へのチョコ選ぶのに夢中で、電話に気付かなかったんでしょ?」


否定できないその言葉。
一瞬にしてペースを乱された私は、何も言葉を返せずに詰まる。

そんなことをすれば、あとは秋山の思う壺だと分かっているのに。

この男には敵わないと分かっているからこそ、私は潔く諦めて秋山の手を掴んだ。


「・・・・あー、そうだよ。そういうことにしとけよ」
「ヤケに素直だね?今日は」
「バレンタインデーだからな、サービスだ。んで?何か食べたいチョコはあるか?」
「んー、そうだねぇ・・・・」


“―――君が、食べたいな”


よくそんなベタなセリフ吐けたもんだぜ。
まぁ、しょうがないからくれてやるよ。


「・・・んじゃ、好きにどうぞ」
「言っとくけど、今日は手加減出来ないよ?」
「いつもしてねぇじゃん」
「そうかもしれないけど・・・明日、動けないと思っててね」
「・・・・しょうが、ねぇな」


いつもの私には関係の無いバレンタイン。
だけど今日だけは、お前に私を。

ハッピーバレンタイン、駿。



















【真島/微エロ/甘々/※ヒロイン視点】


「ほら、兄さん」
「ん?なんや、これは」
「バレンタインチョコ」
「なんや、あけちゃんもこないなことしてくれるんか?てっきり忘れとるかと思っとったわ」


真島の兄さんの事務所。
そのソファで寝転がっていた私は、ふと思い出したかのようにチョコを兄さんへと投げ渡した。

特に深い意味は無い。
お店の前を通りかかったら、好きな人へいかがですか?と書いてあって、買ってしまっただけだ。

それに、滅多にこんなことしてやれないから。

日ごろの感謝の気持ちを込めてあげたチョコは、すぐさま兄さんの胃袋の中へと消えた。


「なぁ・・・・あけちゃん」
「ん?」
「苦すぎちゃう?」
「そうか?兄さんは甘いのが苦手だと思って、少し苦めのを選んだっちゃ選んだけど」
「ま、ええわ」


そういうと兄さんはソファへと近づき、寝ている私の顔を覗き込んだ。
綺麗で鋭い兄さんの目が、少し眠そうな私の表情を映し出す。

・・・と。

ぼけーっと兄さんの目を見ていたら、いつの間にか兄さんの顔は目の前まで迫ってきていた。
慌てて顔を逸らそうにも、もう既に顎を強く掴まれていて。
逃げられない距離に私は目を瞑り、次に起こることを予想して覚悟を決めた。


「口直し、や」
「っ・・・・」


苦い。

兄さんの舌が私の唇を割って入り、我が物顔で犯していく感覚。

――――苦い。
舌に苦味が残っているのに、どこか甘みを感じてしまう私は病気なのだろうか。

それとも、もう、手遅れなだけ?
兄さんに溺れてしまっているだけ?


「あかん」
「・・・?どう、した?」
「甘いわ」
「苦いんじゃなかったのかよ」
「せやからこれで・・・ちょうどいいぐらいやな」
「っ・・・!」


またチョコを口に放り込んだ兄さんは、食べた瞬間すぐに私の唇を塞いだ。
兄さんの口の中にあったチョコが、ドロドロに溶けて私の口に流れ込む。

正直、苦いのは嫌いだ。
だけど兄さんのせいで、そんなことすら考えられなくなる。
触れ合う舌が熱い。私に触れてくる、兄さんの手も。


「っは・・・ぁ・・・」


今まで興味の無かったことに、色々と興味を持つようになった。
兄さんとこういう風に触れ合うのも、そんなに嫌いじゃない。

ただ、恥ずかしいということだけは除いて。

長い口づけの後、恥ずかしくて兄さんの胸に顔を埋めると、兄さんがクツクツと笑った。
何だよ!?とイラついた表情で睨みあげれば、兄さんの意地悪い表情が目に入る。


「なんや?あけちゃん。そないな物欲しそうな目で見られると、止まらなくなるで?」
「なっ・・・・んな顔してねぇよ!!」
「強がりやなぁ・・・」
「強がりじゃないっての!」
「・・・・ホンマ、良い女や・・・」


また、口づけられた。
何度も何度も角度を変えて、貪るように口付けられる。

やめてって意味で殴っても、兄さんはビクともしない。
それどころか服の中に手を入れられ、やんわりと胸に手が触れた。


「っ!な、なにすんだよ!!」
「ダメや。今日はバレンタインやろ?・・・甘いもの、貰うで」
「チョコあげただろうが!チョコで我慢を・・・っ」
「無理や」
「っ~~~~!」


もう、無理だ。
諦めて身を投げ出した私に、兄さんがまた、意地悪い笑みを浮かべた。


「やっぱチョコよりも旨そうやわ」
「馬鹿ッ!!こんなところで触んなっ・・・・んっ!」

























【龍司/ギャグ甘/微エロ/ヒロイン視点】


ベッドの中。
時計の針は既に12時を回っており、私は気怠い感覚に再び目を閉じた。

腰が痛い。
喉も、少し乾いた。
全ての原因は隣に寝ている男なのだけれど。


「また寝るんか」
「うるせぇー・・・誰のせいだと思ってんだよ・・・・」
「昨日あれだけ啼いてたんは誰や?」
「っ・・・平気でそういうこと言うなっての・・・!」


バレンタインデー。
世の中の人たちが騒ぎ立てるそのイベントがあったのは、約数時間前。つまり昨日。

そして私がこうなったのも、昨日のそのイベントが原因だ。
チョコレートを用意しなかったから、代わりの物を何かやるよって言ったらこうなったのだ。

“チョコレートの代わりに、お前をもらうわ”って言われて。

何一つ抵抗を受け入れてもらえないまま、好き勝手にされて。


「まだ痛むんか?」
「当たり前だろ・・・お前の体力に付き合わされたんだ・・・っ」


身体中に咲く、独占欲の証。
無茶な要望に応えた証拠である、手首の痣。

そして、走る腰の痛み。

昨日の龍司は、一切手加減という言葉を知らなかった。
抵抗すれば手首を縛り、暴言を吐けば焦らしに焦らされて狂わされる。
そんな追い詰めるような行為に私は一晩中啼かされ、この有様というわけだ。


「龍司、水ー」
「自分で取れや」
「水ー」
「・・・・」
「龍司、水・・・んぁっ!」


水が飲みたくて何度も要求していると、急に龍司が私の耳を舐めた。
それに反応して声を上げる私を、龍司がニヤリと意地悪い笑みで見つめる。

くそ、こいつ。私がこういうの苦手だって知っててやってるんだ。
むかついてデコピンを食らわせてやろうかと思ったけど、やったらまた倍返しを食らいそうだったからやめた。

これ以上やられたら、本当に腰が立たなくなってしまう。


「うー、腰・・・痛い・・・・」
「寝とけや。今日は特に何もないやろ」
「寝るけど・・・良いから水くれよ」
「そない喉乾いたんか?・・・・まぁ、あれだけ声出せば当「だー!!良いから水っ!!!」


平気で恥ずかしいことを言おうとする龍司を止め、大きな声で声でもう一度水と叫んだ。
さすがの龍司もからかいすぎたと理解したのか、笑いながら枕元にあった水を手に取る。

何だよ。意地悪ばっかしやがって。

あるなら最初から出せよな!

そう文句を言おうとした私に気付いた龍司が、急に私の首元を掴んで引き寄せた。
―――そして。


「え、ちょっと、待っ・・・!」


塞がれた唇。
割って入ってくる舌を押し返そうにも、龍司の力が強くて押し返せない。

それでも意地で唇を結んでいると、急に龍司の手が私の胸に伸びた。
すーっと撫でるような感覚に、思わず身体の力が抜ける。

そしてその瞬間を狙って、龍司が舌を滑り込ませてきた。

割って入ってくる舌。流れ込んでくる水。
喉を癒す感覚はあるが、龍司の容赦ない口づけに意識が薄らいでいく。


「っは・・・はぁっ・・・・」
「水、飲めたやろ?」
「普通に、飲ませろって・・・」
「なんや。まだ足りんかったんか」
「違うっ!そういう意味じゃないっ・・・んっ!!」


また、力強く口づけられた。
逃げられない強さに、諦めて全てを預ける。

冷たい水の感覚が、とても心地良い。

なのに龍司が口づけを止めないから、すぐに身体は熱くなっていって。


「龍司・・・っも、やめ・・・・」
「良い顔しとるで、あけ
「ふっ、ぁ、どこ触って・・・!!」


かろうじて着ていたバスローブの紐を外され、何も身に着けていない状態になる。
慌てて布団の中に潜ろうとするが、龍司はそれを許さず、逃げようとする私の腕を掴んだ。

掴んで、引き寄せて、私の首元に顔を埋める。
チクッと鋭い痛みが走ったかと思うと、私の首にまた一つ、赤い花が咲いていた。

しかも、シャツのボタンをきちんとしめないと見える位置に。

ドレスなんて論外だろう。仕事の服は絶対に着れない。


「っ!!てめぇ!見える位置につけんなって言っただろ!?」
「こうすれば仕事で、派手な服は着れへんやろ」
「困るんだけど?」
「勝手に困れや。ワイはそないな仕事、許したつもりはあらへん」
「っ・・・・ぁ・・・!」


チクリ、と。また痛みが走る。
首筋に、まるで血を吸うヴァンパイアのように吸い付かれて、壊れそうになる。

痛いのに、動けない。
抵抗出来ない。
龍司の香りがふと鼻をくすぐって、もっと私をおかしくさせる。

もう、しょうがない、よな。

このまま龍司に任せよう。
心のどこかで嫉妬してくれている龍司が、少し嬉しかったから。

・・・・このまま。


「今日まで、だからな・・・?」
「ええから、大人しくしとけや」


低く囁かれた声に、私はそっと頷いて目を閉じた。

チョコのかわりに私を。
ハッピーバレンタイン、龍司。






















【桐生/エロ表現有(R18)/ギャグ甘/ヒロイン視点】


「ねぇ、お姉ちゃん」
「ん?」
「チョコレート、準備した?」
「・・・は?」


チョコレート?準備?
朝出かける前に遥から飛び出した言葉を、私はまったく理解することが出来なかった。

なんか今日、誰かの誕生日だったっけ。
遥の言葉に真剣に悩んでいると、遥が驚いた表情で私のことを見ているのに気付いた。

そ、そんなに忘れちゃいけないことだったか?

そんなことあったか!?カレンダーには何も書いてないぞ!


「お、お姉ちゃん落ち着いて?」
「いやだって、そういう風に言うってことは・・・重要なことなんだろ?」
「うん・・・お姉ちゃんにとっては重要かな?」
「私にとって・・・・」


何だろう。
私に関わるもので、チョコレートが必要なこと。

・・・・やっぱり、誰かの誕生日や記念日ぐらいしか思い当たらない。
でも桐生との記念日は今日じゃないし。
考えても思い浮かばなかった私はお手上げとばかりに降参し、遥に答えを促した。


「わりぃ。わかんねぇ・・・答えはなんだ?」
「えっとね、今日はバレンタインだよ!」
「バレンタイン・・・あぁ・・・!?」
「ってことで、お姉ちゃん頑張ってね!!」
「え、あ、あぁ・・・?」


学校に行く遥を見守りつつ、言われた言葉を頭の中で整理する。

バレンタインデー。それは愛する男に女が贈り物を送る日。
今までの私には縁のないものだったから、すっかり忘れてしまっていた。

やっぱり、こういうのは送った方が嬉しいのか?

気になることは聞けば早いと、私は玄関に立っていた桐生に声を掛けた。


「なー、桐生」
「ん?どうした?」
「今日、バレンタインだろ?何か欲しいの、あるか?私にあげれるものだったらやるけど・・・」


バレンタイン。
その言葉を聞いて、桐生が驚きの表情を私に向けた。

まさか覚えているとは、とか。そんな感じの表情だ。
悪かったな、イベント事に疎い女で。


「んな驚いたような表情すんなよな・・・」
「お前がそう言ってくれるとは思ってなかったんだ。・・・それで?なんでもいいのか?」
「あぁ。私がやれるものだったらな」


チョコレートは準備してないし、やれるものをやるのが妥当な方法だ。

―――なんて思って言ったことを、私はすぐに後悔した。

気づいたら抱きかかえられている身体。
桐生が意地悪い笑みを浮かべながら向かっている先は、おじさんの部屋だ。

って、まて。おじさんの部屋?
まさかと思い桐生の方を見れば、耳元で低く囁かれる。


「何でもくれるんだろ?だったら、1週間・・・お預け食らった分、もらうぞ」
「い、いや、まてよ・・・まだ朝だぜ・・・?メシ食ってからでも十分・・・」
「そんな短時間じゃ満足できねぇ」
「はい!?」


そんな短時間って、いったいどれだけやるつもりだ。
単純に身の危険を感じ始めた私は、おじさんの部屋に降ろされた瞬間、逃亡を試みた。

が、しかし。
もちろんのこと、あの桐生から逃げられるわけも無く。

すぐに桐生の腕の中に捕まると、後ろから抱きしめられた状態でシャツの中に手を入れられた。

胸元をやんわり行き来する手が、桐生に教えられた快楽を私に与え始める。


「あっ、ぁ・・・・!」
「どうした?・・・もう感じてんのか?」
「っ・・・うる、せ・・・んっ、う・・・ぁ!」


桐生だけが知っている、私の弱点。
そして桐生だけに教えられた、女としての感覚。

後ろから掛かる桐生の息が熱くなっていくのを、ぼんやりとする意識の中で感じていた。
桐生も感じてくれてるんだって思うと、嬉しくなるのと同時に、恥ずかしいと思う気持ちが勝ってしまう。


「き、りゅっ・・・ん、あ、せめて・・・布団・・・でっ・・・・」
「ダメだ。俺への贈り物なんだろ?」
「あぁぁ・・・っ、ク、そ・・・っ!バカ・・・っ」
「・・・・まだ余裕だな」
「っ!!違っ・・・・」


ズボンの中に入ってきた手が、濡れはじめていた下着をずらし、一気にその濡れている場所へと指を突き立てた。
休む暇もなく与えられるその感覚に、踏ん張っていた足がガクガクと震える。

激しく、だけど的確な場所は触れずに動く指。
焦らすようなその動きに身体が震え、身体を支えるために壁に手を突く。

すると耳元に桐生の顔が近づき、トドメとばかりに甘い声で囁いた。

ワザと息を吹きかけるような喋り方が、更に私の理性を蝕む。


「どうした?少し腰が動いてるぜ?」
「んな、こと・・・っ」
「ほら・・・言ってみろ。どうしてほしいか」
「な、んで・・・!誰がそんなこと・・・ひぁっ!!」
「なら言わせるまで、だな」


容赦ない攻め。
なのに触れてほしい場所は的確に避ける。

まるで、じわじわと浸食されていくような感覚。

その感覚に耐えられなくなった私は、小さな声で桐生が求めるものを口にした。


「桐生、が、・・・ほしい」
「ん?なんだ?」
「・・・っ!!くそ・・・っ桐生が、ほしいって・・・言ったんだよ・・・!!」


“良い子だ”

そんな風に優しく囁かれたら、もう、何も考えられなくなる。
今日は大人しく桐生に捧げよう。バレンタインデーのプレゼントとして。


「・・・ハッピー、バレンタイン・・・一馬」
「最高の贈り物だ。・・・美味しくいただくぜ、あけ





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◆Thanks!
見に来てくださってありがとうございます。拍手、コメント読ませていただいております。
現在お熱なジャンルに関しては、リクエスト等あれば優先的に反映することが多いのでよろしければ拍手コメント等いただけるとやる気出ます。
(龍如/オール・海賊/剣豪)