Erdbeere ~苺~ F14.仙豆の無駄遣い 忍者ブログ
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2023年07月17日 (Mon)

14話/甘/R18/※ピッコロ視点

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荒い、吐息。
月明かりが天井から差し込む中、涙目で懇願するゆえを見下げる。


「いつも以上に体力ないな?」
「っぁ、言いながら、動くなぁっ・・・!」
「まだ満足してないんでな」
「も、むり、何回目だと思って・・・・!」


言葉を遮るように腰を沈めれば、奥を貫いた熱にゆえの中が大きく反応した。
文句を言いながらも欲しいと強請る体は、本当に正直だ。今後また同じことがあってもすぐに思い出せるよう、更に刻みつけなければ。

何度も吐き出した欲望の液が厭らしい音を立ててこぼれ落ちる。
それをゆったりと眺めていると、ゆえの震える手が俺の手を掴んだ。


「ぁ、う、もう限界、ピッコロ・・・・」
「・・・・仙豆食うか」
「・・・・そんなことに仙豆使うなんて無駄遣いだよ・・・・」
「そうか?ならこのまま頑張るんだな」
「ひゃんっ!?うそ、ちょっと!終わりっていう選択肢は!?」
「まだ気絶してないだろ?」


お前の願いは気絶したら寝かせてくれ、だったよな?と笑う。
いくら勝負についてこれなくなったとはいえ、ゆえは普通に俺たちの中では悟空に並ぶ強さを持つ戦士の一人だ。気絶したくとも出来ない、が答えだろう。


「ん、ぁっ、も、奥、だめっ」
「はっ・・・だがここが一番良いんだろう?」
「んんっ!あ、あっ」
「クッ・・・はは、お前の体はまだ欲しがっているようだがな」
「ッ―――――!は、あっ」
「またいったのか。そら、もっと感じろ・・・・!」
「あぁあっ、や、むり、ひ、ぁっ」


ゆえが元に戻ってから毎日のように行為を繰り返しているのは、ただ欲しいからではない。


(下手をすれば、こいつが他のやつにこうされる可能性があったんだ・・・ッ)


今回は相手がただゆえの戦力を狙った犯行だったから助かっただけだ。普通に考えれば敵地のど真ん中に“女“というだけで、何かをされる可能性があった。その可能性の一ミリが見え隠れするだけでも、腹の中が気持ち悪くなる。

ふざけるな。
こいつは、俺のものだ。

魔族の血がそう騒ぐ。
騒いで、離さないとゆえに噛みつき、何度も熱に犯されるゆえの中に精を放つ。


「ぁあぁ・・・・ッ、や、おなか・・・っ」
「まだ入りそうだぞ?言ったそばから溢れ出てるしな」
「それはピッコロが動くからっ、で、あっ、んんんっ」


昔はこんな感情を抱くなんて思わなかった。

支配欲はあった。
なければ世界を支配しようなんて思わないだろう。
魔族の血、といえば言い訳で、それでいて簡単な話だ。

最初はこの感情を“支配“だけだと思っていた。

悟飯の時と同じ、魔族に染めてやろうと。
元々悪魔なら染まりやすいだろうと馬鹿なことを考えていた。

だが気づけば周りをちょこまかと騒ぐ存在がいなければ寂しいと感じるようになり、その甘さを手放すことができなくなった。悟飯のときとは違い、誰にも触れさせたくないと考えるようになった。それは、支配欲よりも濃く、どろどろと、混沌を極める感情だった。


ゆえ・・・・」


何をやっても一緒に引っ付いてきて


ゆえッ・・・・!」
「ぴっ、ころ、あっ、はう・・・・っ」


馬鹿騒ぎして、そのくせして誰よりもこちらを見てきて。近づいてきて。誕生日なんかも祝いやがって。何もかも、こいつが悪い。


「お前が悪いんだ。お前が、俺をこうさせてるんだッ・・・!」
「あっ。ぁ、あっ!」
「だから俺が満足するまで付き合ってもらうぞ・・・!」
「ひっ、ぁ・・・・ッ!」
「フッ・・・気絶出来んほど俺に鍛え上げられたことに感謝するんだな」
「っ・・・・・」


声も出ないほど快楽に溺れたゆえが寄越した視線は、「感謝なんかできるか」と恨み言をこちらに告げていた。
























月明かりではなく、日の光が差し込む午前8時。
やりすぎたと1ミリだけの反省をして、ぐったりと沈むゆえを見つめると、目を開けることすら出来ないらしいゆえが何とか顔をこちらに向けた。


「仙豆食うか?」
「もったいないから、いい・・・・さすがにもう、終わり、でしょ?」
「・・・・あぁ」


引き抜いた熱から溢れ出した欲望を、魔術で取り出したタオルで拭き取る。
手慣れた作業を見ながら、声を出すのも辛そうなゆえが俺の手に触れた。


「今日の修行、免除してほしい、です・・・・・」
「・・・・そうだな。さすがに休むか。最近は立て続けにほぼ1日修行をしていたしな」
「それも、そうだけど。本気で、お、起きれない・・・・・」


枯れた声は、まさに“瀕死“


「・・・・・すまん」
「嬉しいん、だけど。体が・・・・」
「離れていた半年分が中々に収まらなくてな」
「うぐ・・・・それ言われると、何も言えない・・・・」


体を清め終わったゆえに服を着せると、何とか起き上がったゆえが魔法で水を取り出した。
片手間でもう一本水を取り出し、俺に手渡してくるゆえはようやく生き返った顔をしている。


「ふー、ようやく落ち着いた」
「今日は我慢してやるから、早く回復しろよ」
「無茶言う!・・・・修行の疲れとかと種類が違うんだもん。しょうがないじゃん」


何も身に纏っていないゆえの体には、無数の噛み跡が残っていた。
それは俺との行為の証。
その証が消えたのは、それこそフリーザ軍に囚われたあの月数ぐらいだろう。

普段着る服や道着からは見えないところにつけろと言われていたが、ここしばらくは二人きりでの生活が続いている。そのため、誰にも見られないだろうと上側につけた噛み跡が、服を着たゆえの肩口からちらりと顔を覗かせた。


「・・・・ん?どうしたの?」


その赤い独占欲を見て口元を緩めた俺に、ゆえが首を傾げる。
そして視線の意味に気づいたのか、慌てて鏡を取り出したゆえが鏡を覗き込んで声を上げた。


「あぁあぁ!?バカ!見えないところにつけてっていったのに!」
「最近は俺以外と会わないんだ。別に良いだろう」
「いやいや!悟飯達の用事とか、パンのお守りとか手伝いするじゃん!」
「あー・・・まぁ、その時はこれでも着けてろ」


手を翳し、紫の道着に見慣れたマントを着けてやる。


「うぐっ!?お、おも・・・・っ」
「ちょうどいい修行になるな」
「あれ・・・これってこんな重たかったっけ・・・うぐぐ・・・・」
「はぁ・・・基本の修行からやり直しだな」
「おかしいな。これでも半年間フリーザに付き合わされて修行したんだけど・・・・」


拗ねた顔をしながら告げられたフリーザの名前に、嫌でも耳がぴくりと動いた。


「どんな修行だったんだ?」
「んー?ほぼ殺し合いに近かったよ。あいつも私に利用価値があったから殺さなかったんだろうけどね」
「まぁ、極限状態での戦闘は一番良い修行だ。だが、お前の場合は力自体はある。どちらかといえば弱点をついてくるような戦闘技術が必要になる修行のほうが大事だろう」


俺の言葉に、ゆえは珍しく納得したように頷く。


「・・・・・そうだね。なんというか、ピッコロ以外の修行だと楽しくないし、物足りないかも」


その発言は、正直意外だった。

修行を嫌っているわけではないが、好きなわけでもない。そんな反応を見せるゆえは修行を適度にサボり、時には真剣に取り組む。少なくともサイヤ人や俺のように“修行が好き“という類ではないと思っていたばかりに、何となく尋ねてしまった。


「お前、俺との修行が好きだったのか?」
「え、そうだけど・・・・・」
「・・・・強くなることが好き、とかではなくか?」
「・・・・う、うん。だってピッコロは教え方上手だし、私の弱点知り尽くしてるし、それに・・・・」


クスッと可愛らしく笑ったゆえが、俺に顔を近づける。


「戦ってるピッコロを見るのが、凄く好き」


そういえば昔もそんなことを言っていたような気がする。精神と時の部屋で、毎日のように殴り合っているというのにゆえは笑顔でそんなことばかり言っていた。

殴られながら、「かっこいいなぁ、ピッコロは」なんて言うゆえは変な趣味でもあるのかと思ったが、確かに“そういう気質“はあるのかもしれない。

俺が魔族の顔でゆえを支配しようとすると、とても幸せそうに笑う。

―――――それが、俺を最大限に煽っているとも知らずに。


「え?いや、ちょっと待って?なんで押し倒してくるの?」
「・・・・・すまん」
「すまんじゃなくて。待ってよ、もうしないっていったよね!?」


収まりつかなくなった熱をぐりぐりと腰に押し当てれば、気づいたゆえが目を見開く。


「う、うそでしょ?何回シたと思ってんの!?」
「いまので収まりつかなくなった」
「なんで!?ただピッコロとの修行が好きって言っただけでしょ!?」
「十分な煽り文句だろ」
「・・・・色んな意味でピッコロって煽り耐性低くなった?」


どちらの意味でも煽るその発言に、俺は無言で仙豆を差し出して笑った。


「そこまで言うんだ。俺の修行にも付き合ってもらおうか。煽り耐性を上げる修行を、な」





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