いらっしゃいませ!
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朝は、眠い。
たとえ眩い光で目を覚まされたとしても、私は一切動こうとしなかった。
体が重いのだ。
主に、腰が。
その原因である私の恋人―――秋山は、すやすやと寝息を立てて眠っている。
平和な、朝。
つい先日まで、私達は死闘の中にいた。
大切な人の死。
裏切りが裏切りを呼んで。
秋山は、とても大切なモノをたくさん失った。
でも彼はそれでも、笑っていた。
もっと大事なものと出会い、手に入れられたから満足だと。
それが私だというのだから、おかしな話だ。
私は何もあげれないのに。まぁこれも何かの気まぐれだろうと。
そう思って、彼の愛に応えた。
「っ・・・」
少し体を起こしただけで、ずきりと腰が痛んだ。
乱れたシーツが昨日の行為を記憶に呼び覚まし、私は慌ててベッドから目を逸らす。
窓の隙間から溢れる、眩い朝日。
寝言でも言いそうなぐらい気持よく眠っている秋山の顔と、朝日が溢れる窓を交互に見つめ、あることを思いついた私はニヤリと笑った。
人の気持ちもしらないで。
窓に掛けられたカーテンを勢い良く開き、眩しい朝日を一気に部屋の中へ呼びこむ。
「っん、んん・・・・」
光が差し込んだ瞬間、私の隣に寝ていた秋山がモゾモゾと動き出した。
眩しいと訴えるかのように隣の私の腕を掴むが、それを無視してあくびを漏らす。
すると、諦めたらしい秋山がぎゅうっと私の腰に抱きついた。
なんだこれ。
かわいい女の子にされるならまだしも、こんなのをおっさんにされても嬉しくない。
そんな意味を込めて、私はそっと秋山の鼻に手を伸ばし、摘んだ。
「っ!?」
「なーに心地よく寝ようとしてんだよ。起きろ」
「ちょ、ちょっと何するんだよあけちゃん・・・!お、怒ってる・・・?」
そりゃ苛立ちもするだろ?
ほとんど隠されていない私の体についた、赤い痕。
腰の痛みと、枯れた声。
それの犯人は、こいつ。
怒りだけじゃない。恥ずかしさもある。
だからこそ、手が出てしまう。
「いたっ、いたいってばあけちゃん!なんで殴るのさ!?」
「うっせぇ」
「あけちゃんってば!・・・・こら」
寝ぼけた声から――――彼らしい低く、甘い声に。
背筋がぞくりと震えるのを感じた瞬間には、私の視界がぐるりと変わり、天井と秋山の顔だけが目の前に映っていた。
いつの間に、なんて思う暇もなく。
してやったりといった表情を浮かべる秋山を、私は無言で睨みつける。
「やだなぁ、そんな顔しないでよ」
「・・・じゃあ、どけよ」
「だーめ。そんな真っ赤な顔して・・・・逃すわけないでしょ?俺が」
自分じゃ分からないが、昨日のことを思い出していた私の顔は、朱色に染まっていたらしい。
指摘されて顔を隠そうとするも、秋山は許してくれなかった。
隠そうとした両腕を絡めとられ、ベッドに押し付けられる。
秋山はあいている方の手で私の頬を撫で、優しく耳元に口付けた。
「ん、やめろ・・・っ」
「あー・・・そういうのズルイね。やっばいなぁ・・・欲情しちゃうよ」
「はぁ!?こんの変態ッ!」
じたばたと暴れても、秋山の手は緩まない。
秋山の体が私の上に乗っかっているのもあり、逃げ出すことはほぼ不可能だ。
それを良いことに、秋山は私の胸に手を伸ばし、そのまま耳元で囁いた。
「変態?そうしてるのはあけちゃんだよ」
「んなわけあるかっ・・・!わ、私みたいなのに欲情するのが変態なんだっ!」
「分からないなら教えてあげようか?」
ああ、嫌でもわかる。
耳元で、ニヤリと秋山が笑っているのが。
ふっと熱い息を吹きかけられ、びくっと体が跳ねた。
「んっ!」
「ほら、そういうのだよ。昨日も・・・・あけちゃんのその表情が、声が、俺を欲情させてるんだよ・・・・」
「それ、は・・・っ!お前が勝手に・・・っ」
「お前、じゃないでしょ?」
「うるさいっ」
「あけちゃん」
「・・・だ、だからっ・・・・」
吹きかけられる吐息は消え、変わりにきたのはねっとりとした熱い舌の感覚。
「あけ」
滅多にされることのない、呼び捨て。
なにが、欲情させてるだ。
私にこんな思いをさせてるのも、お前だって言うのによ。
こんなの、ずるい。
こんなの・・・勝てっこない。
「・・・・秋山」
「だめ」
「・・・っ」
「ほら、逃げられないよ?それとも、もっとこうされたい?」
「っあ・・・・しゅ、駿・・・っ」
吐息と共に、彼の名を呼ぶ。
秋山はその声を聞いて嬉しそうに笑うと、私の体を優しく抱きしめた。
もう、抵抗する気すら起きない。
どうせ抵抗したって捕まる。押さえ込まれる。
そしてそれが、嫌だと思えない・・・私がいるから。
悔しくてそんなこと言えないけど。
だから目を逸らしながら、私もその抱擁に優しく応えた。
「はー・・・もう、本当に好きだよ、あけちゃん」
「・・・・っさい」
「かわいいなぁ・・・」
何度も、何度も言われる言葉。
「あけちゃん」
「ん・・・?」
「・・・愛してる」
「・・・・ん」
言葉の変わりに。
触れるだけの、キスを。
(今のもう1回やって!!と、暴れ始めた秋山を、いらだちで蹴りだすまで5秒もいらなかった)
たとえ眩い光で目を覚まされたとしても、私は一切動こうとしなかった。
体が重いのだ。
主に、腰が。
その原因である私の恋人―――秋山は、すやすやと寝息を立てて眠っている。
平和な、朝。
つい先日まで、私達は死闘の中にいた。
大切な人の死。
裏切りが裏切りを呼んで。
秋山は、とても大切なモノをたくさん失った。
でも彼はそれでも、笑っていた。
もっと大事なものと出会い、手に入れられたから満足だと。
それが私だというのだから、おかしな話だ。
私は何もあげれないのに。まぁこれも何かの気まぐれだろうと。
そう思って、彼の愛に応えた。
「っ・・・」
少し体を起こしただけで、ずきりと腰が痛んだ。
乱れたシーツが昨日の行為を記憶に呼び覚まし、私は慌ててベッドから目を逸らす。
窓の隙間から溢れる、眩い朝日。
寝言でも言いそうなぐらい気持よく眠っている秋山の顔と、朝日が溢れる窓を交互に見つめ、あることを思いついた私はニヤリと笑った。
人の気持ちもしらないで。
窓に掛けられたカーテンを勢い良く開き、眩しい朝日を一気に部屋の中へ呼びこむ。
「っん、んん・・・・」
光が差し込んだ瞬間、私の隣に寝ていた秋山がモゾモゾと動き出した。
眩しいと訴えるかのように隣の私の腕を掴むが、それを無視してあくびを漏らす。
すると、諦めたらしい秋山がぎゅうっと私の腰に抱きついた。
なんだこれ。
かわいい女の子にされるならまだしも、こんなのをおっさんにされても嬉しくない。
そんな意味を込めて、私はそっと秋山の鼻に手を伸ばし、摘んだ。
「っ!?」
「なーに心地よく寝ようとしてんだよ。起きろ」
「ちょ、ちょっと何するんだよあけちゃん・・・!お、怒ってる・・・?」
そりゃ苛立ちもするだろ?
ほとんど隠されていない私の体についた、赤い痕。
腰の痛みと、枯れた声。
それの犯人は、こいつ。
怒りだけじゃない。恥ずかしさもある。
だからこそ、手が出てしまう。
「いたっ、いたいってばあけちゃん!なんで殴るのさ!?」
「うっせぇ」
「あけちゃんってば!・・・・こら」
寝ぼけた声から――――彼らしい低く、甘い声に。
背筋がぞくりと震えるのを感じた瞬間には、私の視界がぐるりと変わり、天井と秋山の顔だけが目の前に映っていた。
いつの間に、なんて思う暇もなく。
してやったりといった表情を浮かべる秋山を、私は無言で睨みつける。
「やだなぁ、そんな顔しないでよ」
「・・・じゃあ、どけよ」
「だーめ。そんな真っ赤な顔して・・・・逃すわけないでしょ?俺が」
自分じゃ分からないが、昨日のことを思い出していた私の顔は、朱色に染まっていたらしい。
指摘されて顔を隠そうとするも、秋山は許してくれなかった。
隠そうとした両腕を絡めとられ、ベッドに押し付けられる。
秋山はあいている方の手で私の頬を撫で、優しく耳元に口付けた。
「ん、やめろ・・・っ」
「あー・・・そういうのズルイね。やっばいなぁ・・・欲情しちゃうよ」
「はぁ!?こんの変態ッ!」
じたばたと暴れても、秋山の手は緩まない。
秋山の体が私の上に乗っかっているのもあり、逃げ出すことはほぼ不可能だ。
それを良いことに、秋山は私の胸に手を伸ばし、そのまま耳元で囁いた。
「変態?そうしてるのはあけちゃんだよ」
「んなわけあるかっ・・・!わ、私みたいなのに欲情するのが変態なんだっ!」
「分からないなら教えてあげようか?」
ああ、嫌でもわかる。
耳元で、ニヤリと秋山が笑っているのが。
ふっと熱い息を吹きかけられ、びくっと体が跳ねた。
「んっ!」
「ほら、そういうのだよ。昨日も・・・・あけちゃんのその表情が、声が、俺を欲情させてるんだよ・・・・」
「それ、は・・・っ!お前が勝手に・・・っ」
「お前、じゃないでしょ?」
「うるさいっ」
「あけちゃん」
「・・・だ、だからっ・・・・」
吹きかけられる吐息は消え、変わりにきたのはねっとりとした熱い舌の感覚。
「あけ」
滅多にされることのない、呼び捨て。
なにが、欲情させてるだ。
私にこんな思いをさせてるのも、お前だって言うのによ。
こんなの、ずるい。
こんなの・・・勝てっこない。
「・・・・秋山」
「だめ」
「・・・っ」
「ほら、逃げられないよ?それとも、もっとこうされたい?」
「っあ・・・・しゅ、駿・・・っ」
吐息と共に、彼の名を呼ぶ。
秋山はその声を聞いて嬉しそうに笑うと、私の体を優しく抱きしめた。
もう、抵抗する気すら起きない。
どうせ抵抗したって捕まる。押さえ込まれる。
そしてそれが、嫌だと思えない・・・私がいるから。
悔しくてそんなこと言えないけど。
だから目を逸らしながら、私もその抱擁に優しく応えた。
「はー・・・もう、本当に好きだよ、あけちゃん」
「・・・・っさい」
「かわいいなぁ・・・」
何度も、何度も言われる言葉。
「あけちゃん」
「ん・・・?」
「・・・愛してる」
「・・・・ん」
言葉の変わりに。
触れるだけの、キスを。
(今のもう1回やって!!と、暴れ始めた秋山を、いらだちで蹴りだすまで5秒もいらなかった)
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