Erdbeere ~苺~ ネクタイを解く手 忍者ブログ
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2014年04月29日 (Tue)
するり、と。その手が動くのを追ってしまう
(桐生:龍5:微エロ/甘/※ヒロイン視点)


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普通の、一人の人間として。
極道とは一切縁のない場所で過ごし、働く。

それが今の、私と桐生の姿。

普段は見ない、ピシッとした仕事姿の桐生。
いつもはワインレッドのシャツに、白いスーツだから。


見慣れないというのもあって、最初は少し―――どきどきしていた。

最近は慣れたから、そんなでもないけど。
私は桐生と一緒に家に入ると、自分自身も着ていた仕事着を豪快に脱いだ。


「ふぃー!あついー!!」
「ッたく・・・色気も何もねぇやつだな」
「うっせー」


自分だって、色気なんざないぐらいに適当に制服脱いでるくせに。
そう言おうと思って桐生の方に振りかえった私は、目の前に映った光景に後悔した。

するり、と。
桐生がネクタイに手を掛け、それをゆっくり解いていく。

私は自分のシャツに手を掛けながら、普通なはずのその桐生の動きを、捉われたかのように見つめていた。


どきどきと、心臓がうるさくなる。

色気。これが色気なのだと言われれば、私は桐生に何も言えない。


解かれるネクタイ。
細められる瞳。

あいた胸元。

少し乱れた、シャツ。


「っ・・・」


思わず、息を呑んだ。
私らしくない。こんなのでドキドキするなんて。

男らしい色気なんて、今までたくさん見て来たじゃないか。
桐生は歳とは関係なく、そういう色気を放つ男だった。

何をいまさら。


「・・・・・おい、どうした?」
「っ、な、なんでもない!!」


私の様子がおかしいことに気付いた桐生が、そっと私の顔に手を這わす。
今顔を見られてはいけないと思った私は、咄嗟に桐生へ背を向けた。

だが、それがいけなかったのだろう。
背後の桐生が、すっと雰囲気を変えたのを、私は嫌でも声から感じ取ることになる。


「こっちを向け」


耳元で響く、低く甘い声。
ぞくりと背中に何かが走るのを感じ、私は慌てて声を上げた。


「な、なんでもないから、ちょ、ちょっとまて」
「どうした?さっきまで恥ずかしがってなかった奴が、今更恥ずかしがるわけじゃねぇだろう?」
「うるさい・・・っ」
あけ
「・・・・うるさい」
「こっちを向け」


命令だ。
これは、命令。

逆らえない。
逆らってもいいのに、私の身体は自然ということをきいてしまう。


「・・・・」


ゆっくりと桐生の方を振り返った私は、出来る限り顔を隠そうと下を向いた。


「顔、赤いぞ」
「・・・・うるさいっつってんだろ」
「どうした?今更恥ずかしがったわけじゃねぇだろ?・・・いったい何にそんな顔を赤くしてるんだ?」


イラついて桐生の顔を見上げれば、桐生が楽しそうな表情を浮かべているのが目に入る。
細められた目が意地悪く歪んで、私の悔しがる表情を映し出していた。


・・・悔しい。

まだ乱れたままのシャツの首元に、ふと目が移る。


「・・・っ」


そして、また目が移る。
解きかけたネクタイに掛けたままの、手に。


「・・・・・」
「お前、まさか・・・」


意地悪く歪んでいた瞳が、更に意地悪い輝きを放つ。
嫌な予感がして一歩下がるがもう遅く、私は既に壁際に追い詰められていた。

ドンッ!と壁に手を突かれ、逃げられる場所がなくなる。

そのまま桐生の顔が私の耳元に近づき、囁いた。


「俺に欲情したのか?」


ああ、なんだか。
おかしいみたいだ。

いつまでも否定できない私に、桐生が笑う。


「・・・・恥ずかしがるな。嬉しいぜ、あけ
「・・・ちが・・・」
「違わないだろ?」
「・・・ったく。ずるいんだよ、お前は・・・」


否定することを諦め、私はむすっとした表情で桐生の腕を強く掴んだ。
桐生は、そんな私を見て笑う。


「そんな俺がすきなんだろうが」
「うわ、なんだそのベタなセリフ」
「ったくお前も相変わらず生意気だな・・・それなら」


壁についていた手がそっと私の手を掴み、そのまま壁に押し付けた。
驚いて抵抗が遅れた私を、桐生が余裕の表情で――――。

って、まて。

桐生のもう片方の手にあるものを見て、私の表情が一瞬にして引きつる。


片方の手で押さえつけられた私。
余った片方の手には、さっき解いたネクタイ。


映る、笑み。

ネクタイを持った手を近づけた瞬間、私は桐生の目的を理解し、大声を上げた。


「うわぁあああやめろ変態ぃいいい!!!!」
「なら、お前も変態だな」
「んだと!?」
「俺が変態なら、それを好きなお前はもっと変態だろ?」
「~~~~っ!!いいから放せこのっ・・・・」
「・・・しょうがねぇなぁ」
「・・・・・っ!!」






































暴れる私を、押さえつけた、唇
(全てを奪われる感覚に、私は負けを認めるしかないのだ)

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