Erdbeere ~苺~ 下手くそな愛情表現 忍者ブログ
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2024年11月15日 (Fri)
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2020年08月21日 (Fri)
フレン夢/フレン視点/甘/ちょっとR15気味
幼馴染から発展したが故の、素直になれない話

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最終決戦までにやることはたくさんある。
世界を賭けた戦いの中、リタ達の必要資材の調達のためにノードポリカへ立ち寄っていた。


「リタ達が調達してる間、私達はお金稼ぎ!効率いいねぇ!」
「おい、後ろ・・・」
「見てるってば~!ユーリこそ」
「はっ、見てるっての」


ついでにノードポリカで依頼されていた魔物の牙を取りにきたのだが、僕はどうもそれに集中出来ないでいた。原因は分かっている。目の前の幼馴染の仲の良さに嫉妬しているのだ。

ユーリとアメリィは僕よりも長く時間を共にしてきた。
つい最近思いが通じたのもあって、まだ僕は不安要素を振り払えないでいた。アメリィとは思いが通じ合っただけで結婚しているわけでも婚約しているわけでもない。ましてやユーリにも彼女に対する好意があるのだ。

こんな女々しい考えを抱くことになるとは思わなかったが、アメリィは誰にでも優しくその笑みを振りまく。特に幼馴染であるユーリには僕とほとんど同じ対応をする。こんな決戦の最中に抱く感情ではないのだが、’特別’を感じることが出来なくてモヤモヤしてしまう。

もちろん、特別を感じる行為や言葉は貰っている。けれどその始まりはいつも僕からだから。こんな気持を抱いているなんてアメリィが知ったら何と言うだろう?


「あーー!ちょっとユーリ!!それ私の獲物!!!」
「あ?遅いのが悪いんだろ」
「これ以上早く討伐したらユーリ巻き込んじゃうかなっておもってさ!」
「余計なお世話ってやつだ」
「言ったな!!じゃあ勝負だ!!」
「おい!?俺を攻撃に巻き込むな!!」


大暴れを始めたアメリィにユーリが仕方なく合わせて魔物狩りを進めていく。
僕もこの馬鹿らしい考えを振り払うためにその勝負に乱入することにした。あえてアメリィの目の前の獲物を晶術で撃ち抜けばアメリィの不満げな声が僕に向けられる。


「あ~~~~!!!!」
「君たち2人だけで来たわけじゃないだろう?僕を忘れないでもらいたいね」
「っくそ~~!敵が増えた!!じゃあ一番だった人が報酬を好きにするってことで!」
アメリィ。僕たちは遊びにきたわけじゃ・・・」
「のった!負けねぇぜ」
「ユーリ!」
「いいじゃねぇか、こういうときだからこそだろ?必要分はちゃんとギルドに入れるからよ」
「うんうん!あまり分だけね!この依頼の報酬美味しいし!」


言葉にしなくても分かり合っているような物言いにますます心にモヤがかかる。そのモヤを振り払うように賭けに参加した僕は容赦なく魔物を倒し、アメリィより討伐数を稼いでいった。


「ちょ、ちょっと~~!!!本気出さないでよ!!」
「本気出さないと意味ないだろう?」
「意地悪め!まぁこっから逆転の・・・・」
「わりぃ、こっち終わっちまった」
「・・・・・・」


ユーリと僕の前に出来た魔物の死体の山にアメリィががっくりと肩を落とす。


「うぐぐ、一瞬で終わった・・・・」
「残念だったなぁ?えーっと・・・・おいおい。1体差でフレンの勝ちかよ」
「ふふ、早切りの腕もまだ落ちてないみたいだね」
「こいつは落ちてるみたいだけどな」
「うるせーやい!!大剣なんだからしょうがないだろ!!」
「お前が勝負挑んできて負けたんだから小言ぐらい覚悟しろよな」
「きぃ~~~!!!」


なぜだろう。賭けに勝ったというのにモヤモヤは晴れない。
それよりも目の前で楽しそうに笑う2人に霧が濃くなっていくだけだった。

手にしたお金を握りしめ、2人と共に町に戻る。
その間も2人は楽しそうに話し込んでいた。それ自体に問題はない。引っかかるのは話さなくても分かっているような素振りを見せるところで。

――――いや、その考えが無意味なことは分かっている。
僕とユーリも話さなくて分かることはかなり多い。お互いにお互いを信頼していてこそ、分かっていてこその会話や行動。一緒に過ごしてきた時間が長いアメリィにもそれは存在している。考えれば当たり前のことだ。その当たり前のことが、なぜか振り払えない。


「僕は、どうしてしまったんだろうな・・・・」


ぼそりと呟いた言葉は、アメリィの楽しそうな笑い声にかき消される。


「ユーリ、次の依頼どうする?」
「明日の昼でいいんじゃねぇか?どうせ出発明日だろ」
「あー、そっか。じゃあ久しぶりに夜は自由行動だね!」
「羽目外すなよ」
「ユーリに言われたくないなー。フレンも、ちゃんと休んでよ~!?」
「あ、あぁ」
「んんーー??」


反応の鈍かった僕にアメリィが立ち止まり、ずいと顔を近づけてきた。
突然の接近に心臓が跳ねる。いくら恋人同士とはいえこういう接近に慣れてるわけじゃない。
ユーリは僕の動揺に気づいているのか後ろでニヤニヤと笑っていた。


「フレンなんか体調悪い?」
「いや、問題ないよ。現に勝負には勝ったしね」
「うわはらたつ!!心配したのに!は~~!!働き者のフレンなんかそのお金で夜息抜きすればいいじゃん!」
「お前怒りながら労ってて訳わかんねぇぞ・・・」
「えー?だって下手すればフレン、勝ったお金すら全部ギルドに入れそうじゃん?」


そうするつもりだった心を読まれ、再び心臓が跳ねる。
アメリィはしばらく僕の前でうーんと唸った後、町の入り口にいるシュヴァーン隊長を見つけて何か思いついたように声を上げた。


「いいこと思いついた!」
「ほー、なるほど。いい考えだな」
「でしょ!?」


何も言っていないのに、ユーリはアメリィの考えを見透かしたように笑う。
一度積み重なったもやもやは中々消えてくれない。彼女に時間を貰えば解決するだろうか?あまり考えたことのない悩みに首をかしげているうちにレイヴンさんの手が僕の手に重なった。


「ってことで、よろしくレイヴン。ユーリも!」
「ったくしょうがねぇな・・・・」
「えぇ~?おっさんに何の徳が・・・」
「お礼なら今度したげるよ!」
「ほんと!?よっしゃ~~!!おっさん頑張っちゃうよ~~~!!」
「え、ちょっ、ちょっと!?」
「諦めろ、フレン。オラ行くぞ」
「待っ――――」
「いってらっしゃーい!」


わけもわからないままずるずると引きずられ、僕の叫びは町の中へと消えていった。



















酒場の匂いはあまり得意じゃない。
だがユーリとレイヴンさんに両脇を固められては逃げられるわけもなく、僕は今日の賭け金を使って滅多に飲まないお酒を口にしていた。

普通の酒場より少し質が高い店なのか、口当たりが良いお酒が僕の喉を潤す。
きっと心のモヤモヤもそれを加速させているのだろう。いつもなら歯止めをかける理性も働かずお酒をただただ口に運んでしまう。


「おー、何だかいい飲みっぷりねぇ?」
「まぁ、だからアメリィも飲ませろって言ったんだろ」
「あら、何かあったの?話きくわよ~?」


いつもなら、言わない。話すこともない。
そもそもこんな悩みごとを抱えることなどほとんどなかったからだ。手に入らないでただ見ているだけの気持ちの時の方が、数倍楽だった。もちろんもやもやはあったけれど。
だからつい出てしまう。酔いに緩んだ口元から、霧に包まれた気持ちが。


アメリィの気持ちが分からないんです」
「・・・・・は?」
アメリィは僕といるよりユーリというときの方が楽しそうにしてる。・・・あまり彼女からそういう言葉を言われることもない」
「あー・・・なるほど?」


ユーリとレイヴンさんが顔を見合わせている。呆れられたのかもしれないが、もう止まらない。酔いというものはなんて厄介なんだろう。やはり酒は溺れるほど飲むものじゃない。


「まぁ、あいつは誰にでもあんな感じだもんな・・・・」


心当たりがあるのか、ユーリも少し同情するような目で僕を見てきた。
レイヴンさんもうんうんと頷く。やはり傍から見てもそうなのかと落ち込みかけるが、それを汲み取ったかのようにレイヴンさんが「でもね」と切り出した。


アメリィちゃんはフレンちゃんのこと大好きだと思うわよ。だってこのお酒の場を作れっていったのもフレンちゃんを労るためでしょ?それに・・・・」
「あいつ、おっさんに『前みたいな女の子がいっぱいいる酒場につれてったら殺す』っていってたしな・・・・」
「ほんとよ・・・殺されるのは勘弁だから我慢我慢」


ぶるりと震えるふりをしながらレイヴンさんが手元のお酒を飲み干す。
アメリィがそんなことを?アメリィは僕にそんな素振りを見せたことがない。確かに一度女性のいる酒場に遊びにいったときはすごく怒ってくれたけど、その後からは彼女も遠慮しているのか僕を笑顔で送り出す。僕が貴族の令嬢に話しかけられていても逆にその令嬢と仲良くなってしまうぐらいには余裕だと思っていたけれど。


「あいつもそれなりに我慢してんだよ、フレン」
アメリィが・・・・?」
「あいつ能天気だから分かりづらいけどな、ちゃんと女だってことだよ。傍から見てれば分かりやすいこともいっぱいあるぜ?」


それからユーリとレイヴンさんは僕に、僕が見えていない彼女のことを教えてくれた。
僕に見えないところで嫉妬を我慢してる話だったり、僕が疲れたり傷ついたときは誰よりも慌てたり怒っていたり。

彼女のことをよく見ているつもりでも、僕は見えていなかったみたいだ。
アメリィの話で盛り上がる中、罪悪感をお酒で流し込む。


「この前なんてフレンが怪我した時あいつ周りのモンスター一撃で全滅させたぜ?」
「あれ怖かったわよね~。フレンちゃんには黙っててって言われたけど」
「お前が令嬢にいちゃいちゃされてる時とかおっさんに八つ当たりしてたしな」
「ほんとよ~。おっさん泣いちゃう」


酒が進んでいるせいか彼らも止まらずアメリィの話を続ける。
何だか不思議な気持ちだ。自分でも見ているはずのアメリィの知らない姿を2人は話している。それに対して嫉妬よりも温かい気持ちが湧き上がってくる。

どうやら僕は、余裕がなかったみたいだ。
余裕があるように、威厳ある騎士団を率いる者としての態度を心がけ続けてきた。けれどそれは外側だけの話。
いつだってどこかでは不安を抱え、理不尽なことに苦しさを覚える。その逃げ場を僕は彼女に求め、勝手に期待していたんだ。それ故にアメリィに過度な期待をしていまい自分を更に不安へと追い込んでいた。なんて情けない話だ。


「あ、そういえばこの前アメリィちゃんに相談受けたんだけど」
「相談?」
「そうそう。フレンと同じ部屋だけど襲わ―――――ぐふっ!?」
「なっ・・・・!?敵襲!?」
「レイヴン~~~~!!!」


話を遮るかのようにファイアボールがレイヴンさんの顔面にヒットする。敵襲かと慌てて立ち上がれば、顔を真っ赤にして息を切らしたアメリィがレイヴンの胸ぐらを掴んでいた。


アメリィ・・・?」
アメリィちゃん!ちょ、ちょっと!誤解だから!」
「ごっ、誤解じゃないでしょ!完全に言うところだったじゃん!変態!!」
アメリィ、一旦落ち着いて・・・!なんでここに?」


今にもレイヴンさんを殺しそうな勢いなため止めに入れば、気まずそうな顔で目を逸らす。


「・・・心配だったから、私も同じ場所で飲んでただけ」


その顔は真っ赤に染まっていて、今までの話が嘘じゃないことを裏付けていた。あぁやっぱり、彼女は見えないだけで僕のことを思ってくれていたんだ。傲慢なのは僕で、彼女に望みすぎていただけなんだと。

素直に心配かけたことを謝ろうとした僕の背中がとんと誰かに押される。
押された衝撃でバランスを崩した僕は、まだ真っ赤だったアメリィの腕の中にそのまま飛び込んだ。慌てる僕たちを尻目に、アメリィの怒りから逃げ出した2人が僕に鍵を投げつける。


「んじゃ、ここ上の宿とってあるからやるよ」
「なっ・・・・」
「ごゆっくり~~!!」
「レイヴン~~!!覚えてろーーー!!!!」
「こ、こら、アメリィ静かに。とにかく部屋へ行こう」


ここは酒場だ。騒がしいとはいえさすがに大声を上げて騒いでいいものではない。
レイヴンさんへの怒りを抑えきれないアメリィをなんとか引きずり、ユーリから投げ渡された鍵で2階の部屋へとアメリィを押し込んだ。


「もー!なんで邪魔するの!あいつの口を燃やしてやらないと・・・!」
「そんなことより、何を相談したのか僕に教えてくれないかな?」
「っ・・・・」


ぴたりと。怒りに任せて暴れていたアメリィが石像のように止まった。
経験は少ないとはいえさすがに僕も男だ。あそこまでレイヴンさんに言われればアメリィが何を相談しようとしていたかぐらいは分かる。

でも僕たちは元々幼馴染で。どこかユーリと同じように冗談めいた言葉を言い合うことが多く、お互いそういう雰囲気をむず痒く、もどかしく感じてしまう傾向にある。だからこそ素直にまっすぐに思いを伝えれるときと伝えれないときがあるわけで。

僕はなるべく真っ直ぐに伝えようとしているけれど、やっぱり幼馴染の今までの顔があると中々素直になれない。それほどまでに厄介なのだ、この照れくささというやつは。


「言わなきゃ、だめ・・・・?」
「気になるじゃないか。それともレイヴンさんには相談できて僕にはできない?」


ああ、また。意地悪を言ってしまう。
これではまた言い合いに――――なんて思っていたがアメリィは何も言い返さなかった。何度か唇を噛み締めて、覚悟を決めたかのように大きく息を吸い込む。


「っ・・・この前、部屋わりで、私達2人だけ別宿になったとき・・・・フレンがなにも、してこなかっ・・・・たから・・・・・その、わたしに、魅力って・・・・ないかなって・・・」


聞き取りづらいレベルでか細くぼそぼそと呟かれた言葉に思わず咳き込んだ。


「なっ、そんなわけないじゃないか・・・!」
「だ・・・だって、その前も・・・」
「・・・・僕が我慢してるっていう考えはないのかい?」
「そ・・・れもそっか・・・・」


妙に納得して、焦りすぎちゃったかなと誤魔化し笑いを浮かべるアメリィに、それこそ我慢の限界を迎えそうになるのを感じた。


「ってことは、襲われる覚悟はできてるんだね?」
「え、い、いや・・・・えっと」


別にそういうことをするのが始めてなわけじゃない。
恋人同士、長く想いあった者同士。しかも決戦前となればいつ何が起こるかも分からない。求めたいときに求めることはもちろんする。

ただ一緒にいる時間からすれば、たしかにそういうことをする回数は少ないかもしれない。
それはもちろん、次の日の旅を気遣ってのことだ。それにアメリィから求められることはほとんどないため、僕の方にも不安があったというのもある。

けれど、今こんなことを目の前で言われて。
しかも他のメンバーとは別の宿。こんな状況で我慢なんて出来ると思うかい?


「僕は君があんまり求めてこないから、こういうのは苦手なのかなと思ったんだよ」
「・・・・恥ずかしいから、たしかに・・・・でもたまには、言ってるよ・・・?」
「本当にたまにだろう?」
「ご、ごめん・・・でも、恥ずかしくて、いやでも!・・・・その」


アメリィはまた何か考える素振りを見せた後、僕の方に大きく歩みよった。
思わぬ接近にバランスを崩した僕をそのままアメリィが乱暴に押し倒す。


「わ、わたしいつも、素直に・・・・その、言えてなくて・・・いっつも冗談ばっかりで・・・フレンに、襲われるの、待ってた。でもね!その・・・・」


真っ赤な瞳が、震える声が。


「フレンが、ほしいの」


理性なんて意味ないんだと、酔いも重なった僕の思考を蝕んでいく。


「ほんとは、フレンが・・・欲しい。でも恥ずかしくて、あんなことばっかり言っちゃって・・・」
「・・・・・アメリィ
「それに、こんなこというと、はしたないかなって・・・・フレンがどういう人が好きかも分からないから、こういうのあんまり求めると、嫌がられるかなとか・・・・」
「そんなことないさ。求められて嬉しくないわけないだろう?」
「・・・不安、だったの。ほんとは止まらないぐらい欲しくて、好きだから、フレンのこと」


成人してるとは思えないぐらい無邪気で子供らしい彼女が、大人の女性の声で僕を誘う。


「・・・僕もだよ、アメリィ。止まらなくなるのが怖いぐらい、君が欲しい」
「っ・・・やっぱ、ちょっとまって。心臓止まりそう」
「ここまで来て、待てると思うかい?」
「う、いや、待たなくてもいいけどっ・・・・」


一度分かってしまえば悩んでいたのが馬鹿らしくなる。
消えたモヤモヤの代わりに湧き出してきたのは彼女への欲。
きっと明日起きたら怒られるんだろう。僕たちは素直じゃないぐらいの愛情表現が良かったんだと思えるぐらいになる、予感がする。


アメリィ


名前を呼んで、上にのる彼女の首筋に手を這わせる。
そのまま抱き寄せて耳元でもう一度名前を呼べば、ぴくっと肩が震えかわいい声が漏れた。


「・・・・まずい、な」
「んぅ」


我慢しきれず乱暴に顔を上げさせ、唇を奪う。
このまま、このままずっと、壊れるまで求め続けたい。幼馴染の壁を越えた僕らの行く先は誰も知らない感情の沼の中に。罪悪感なんて必要ない。僕も彼女も表から見たら想像できない沼の中にいることが、優越感になるのだから。
























「やっぱ、素直に言うの、やめる」


朝起きて――――というよりほとんど仮眠しただけの状態だったが、それに不満げな表情を浮かべるアメリィが枯れた声でそう呟いた。


「なぜだい?」
「わかるでしょ」
「分からないな」
「・・・・ほとんど寝れなかったよ」
「しょうがないじゃないか、あんなこと言われて止まれるほど僕は大人じゃない」
「動けない・・・」
「それは・・・その、すまない・・・・」


謝りつつも、僕にだけ見せる表情を見れた優越感で僕は笑っていた。
その笑顔に気づいたアメリィが更に表情を歪ませる。


「笑ってる!」
「幸せだからね」
「しばらくはおあずけです!」
「止まらないぐらい欲しいんじゃなかった?」
「・・・それは、そうだけど。でも私が保たないのでダメ!」
「大丈夫さ」
「大丈夫じゃないでしょ!あー!もう!痕もびっしりだし!洋服から見えちゃうよ・・・!」


文句を言いながらももたれかかってくる体重に心地よさを感じながら。


「え、ちょっ、ちょっと!」
「二度寝しよう」
「わぁ、珍しい・・・・」


彼女を引きずり込んで、もう一度。夢じゃないよと自分に言い聞かせるように目を閉じた。








下手くそな距離感の僕たち

(ねぇ、ちょっと、あんた達起こしに行きなさいよ)
(おっさんパス。もし見るもん見ちゃったら見たいけど殺されちゃう)
(行かないなら私が今ここで殺してあげてもいいけど?)
(やめて!!)

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 ・龍如(桐生・峯・オール)
 ・海賊(ゾロ)
 ・DB(ベジータ・ピッコロ)
 ・テイルズ
 ・気まぐれ

◆Thanks!
見に来てくださってありがとうございます。拍手、コメント読ませていただいております。
現在お熱なジャンルに関しては、リクエスト等あれば優先的に反映することが多いのでよろしければ拍手コメント等いただけるとやる気出ます。
(龍如/オール・海賊/剣豪)