Erdbeere ~苺~ 主従関係の玩具 忍者ブログ
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2012年06月17日 (Sun)
~もしも陰陽師と式神だったら~
(ヒロイン式神/鬼畜/微エロ/ヒロイン視点)

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私は人に悪夢を見させる妖怪だった。
人に触れることで心を読み、その姿で魅了し、夢を食らう悪霊。

でも今の私に、そんな姿はもう無い。
私はとある陰陽師に捕えられ、今や道具のように扱われていた。

主人の命令に従うだけの存在。それが今の私。


「おい、あけ
「ん?」
「何ぼーっとしてんだ。・・・行くぞ」


夢を食らうことで自らを強くする。
だから私は、多くの夢を食べる必要があった。

夢は見る本人の力が強いほど、美味しくなる。
陰陽師の力なんて、高級品そのものだ。

そこで私は今の主人である桐生に目を付け、呪いを掛けようとして。

―――逆に“主従の呪い”を掛けられた。


「・・・次はどこだよ」
「相変わらずだな、お前は」
「んだよ。こんな夜中に任務に呼ぶお前も相変わらずすぎるだろ」


あの時殺されるはずだったと思えば、幸せなのかもしれない。
死ぬことを恐れていた私の気持ちを見抜き、彼は生かす代わりにこの呪いを掛けた。

そう、私の命は桐生一馬というこの男のもの。

彼の気持ち次第で殺され、彼の気持ち次第で痛みを刻み付けられる。
私は逃げることなく、桐生に従い続けた。
いつか、いつか、私に屈辱を合わせたこの男を、殺すために。


『何だ、お前たちは』
「・・・あれが今回の対象?」
「あぁ、そうだ。早速やってもらうぜ、あけ


同じ仲間だった妖怪を、彼の命令で殺す。
私はいつになったら、この命令を聞かないで済むようになるんだろうか。

彼は私に何も許してくれない。

命令に逆らうことはもちろん、離れることも、隠し事さえも。

早く彼から逃げなければ、私はいつか壊されてしまう。
そんな気さえしてしまうような、絶対服従の関係。


「どうした?・・・また出来ねぇっていうのか?」


彼の笑みが憎い。
私の心を見透かしているであろう、その瞳が。


「うるせぇよ」


反抗心からの言葉。
ああ、きっと、この言葉が強がりだってことも見抜かれてるんだろうな。

かつて同類だった仲間を、自らの手で狩る。
しょうがない。人間達にとって私達は悪者なんだから。
私は唇を噛みしめると、背中の翼を利用してその場から飛び上がった。


「ごめんな、本当に、ごめんな・・・・」
『お前は・・・なるほど?その男に捕らわれたか』
「・・・・あぁ」
『お前ほどのものがな・・・フフ。どうする?私と手を組むか?』
「・・・・」


駄目なんだ。
それじゃあ、お前がやられてしまう。

むごい殺され方をするより、私の手で。
命令通りに殺すことを躊躇っていた私を、桐生の低い声が急かす。


「おい、さっさとしろ」
「・・・あ・・・あぁ」
「・・・・」
「・・・・」


何故、彼が私に妖怪を殺させるのか。
私はこの意味を知っている。

私に忠誠を誓わせるためだ。
殺させ、躊躇う私を痛めつけ、精神的に壊していく。

そうなんだろ?分かってるよ。だってそうだろ。


「・・・・」


そうじゃなきゃ、私にこんなことさせる利点は無い。
自分で殺した方が早いじゃねぇか。

こんな主人に逆らう気満々の奴を生かして、何になる?
楽しんでるんだろうな、反抗心の高い私を服従させて。


「・・・・あけ
「ッ!がぁあぁっ!?」


考えに思考を奪われていた私は、痺れを切らした桐生に服従の痛みを走らされた。
痛みが体中を巡り、立っていられなくなる。


「命令に従え、あけ。お前は俺の式神だ」
「あぁ、ぐっ・・・・」
「アイツを殺せ。殺せないなら・・・」


痛みに目が眩む。駄目、駄目だ。
私がやらなきゃアイツが苦しむことになる。

私は桐生の腕を掴み、痛みに震える手で妖怪の動きを止めた。
そのまま、痛みなく死ねるよう、悪夢の世界へと誘う。


『ぐ、ぁ・・・・・・』
「ごめん、な・・・・」
「また、それで殺したのか。・・・お前は相当、痛めつけるのが嫌いなんだな」
「お前だって、相手が人間ならむごい殺し方はできねぇだろうが。同じだよ、はげ」
「口の利き方、また教え直した方が良いか?」
「ッ・・・が、ぁぁぁあぁっ!」


最高の服従方法である、痛み。
桐生は意地悪く笑いながら、痛みに苦しむ私の顎をクイッと持ち上げた。

痛みに目の前が眩む。
その中でも、ハッキリと見ることが出来る彼の顔。
悔しい。殺してやりたいぐらい恨んでるはずなのに、手が出ない。


「あ・・・・ぐ・・・」
「これからもきちんと教えてやるよ。お前が俺のものだっていうことを、その身体に」
「・・・や、・・・」


近づいてきた唇を、私はただ受け入れた。
降りていく手が、私の身体を弄ぼうとも、私は抵抗出来ない。

撫で上げられる胸。
まるで俺のものだと言うかのように貪られる唇。

抵抗してもどうせ、痛みで縛られて酷くされるだけ。

囚われ続ける私は、永遠に彼の玩具。


「あ、や、やめ・・・て」
「フッ・・・・綺麗だぜ、お前の身体は」
「ひっ・・・」
「ほんと、ただの式神や妖怪だなんてものに終わらせるには・・・勿体ねぇ」
「あっ、や・・・だ・・・」
「もっと声聞かせろよ」
「いつ、か・・・っ」
「ん?」 「いつ、か、ころし、て・・・やるっ・・・」
「・・・そうじゃねぇと、服従しがいがねぇからな。せいぜいやってみせろ」
「ぁ、あぁっ!」
「出来るものなら、な」
「あぁあぁあ・・・・!」


――――そう、ただの、玩具。









































逆らえない私を、彼は弄び続ける
(壊れるまで、いやきっと、壊れてもずっと)
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