Erdbeere ~苺~ 3章 近江連合本部 忍者ブログ
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2012年06月23日 (Sat)
3章/ヒロイン視点

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ホテルに着いた私は、先に寝ていた桐生を見て頬を緩めた。
いつもあんな顔してチンピラに絡まれてるのに、寝てる時は全然違う。

とりあえず、私も寝るか。
情報は集め終わったし、色々あったせいで凄く疲れた。
龍司が言ってた12時の花火ってのも、結構タチの悪い物だったしな。

まぁでもこれで、龍司が何かしら企んでいることが分かった。

ミレニアムタワーを爆発させたんだ。何かを企んでるとしか思えない。


「・・・まぁ、その時にならなきゃ分からねぇよな・・・」


近江連合と交わす盃。
それが成功するのか、それとも邪魔が入るのか。

もしくは、会長自身が受け入れないのか・・・。


考えるだけ無駄だと感じた私は、ゆっくりとベッドに横たわった。
ぎしりと軋む音と共に、視界が見慣れた赤い色に染まる。


「・・・起きてたのかよ」
「無理するなって言っただろ」
「しょうがねぇだろー、軽い情報集めを・・・」
「無理するなって、言っただろ?」


お前だって今さっき、キャバレーでひと暴れしてたくせに。

・・・とはもちろん言えず、私は素直に謝ることにした。
ここでボロを出せば、もっと説教が増えるのは目に見えている。


「・・・わりぃ。つい夢中になっちゃって」
「今日はやけに素直だな」
「んだよ失礼な奴だな。反省してんのに」
「お前らしくねぇからな・・・ん?」


意地悪く笑っていた桐生の表情が、急に変わった。
目を細め、私の首筋をゆっくりと撫でる。

優しく愛でるような指先。
くすぐったくて身を捩っても、逃がしてもらえない。


「・・・」
「おい・・・?桐生、どうし・・・」
「お前・・・今までどこほっつき歩いてたんだ?」
「・・・桐生・・・・?」
「答えろ」


桐生の雰囲気が変わり、低い声が私の耳を擽った。
いつもの説教モードとは違い、何かしら怒っているように感じる。

しばらく私が黙っていると、桐生は思いっきり私のシャツを引き裂いた。
強姦とも取れる行動に、思わずヒッと悲鳴が出る。


「・・・っな、なに・・・?」
「この痕、誰に付けられたんだ?」
「痕・・・・?」
「情報のためとはいえ、身体は使わないって言ってなかったか・・・・?」
「んっぅ!ま、まって!これはっ・・・・!」


桐生が示した場所。
それは先ほど痛みを感じた場所だった。

犯人はきっと、いや、絶対アイツだ。

首筋に残る赤い痕を、桐生が上から噛み付くようにして増やしていく。

でも言えない。
龍司を追いかけていたことを言えば、どんな説教を食らうか分からない。


「っはぁ・・・!桐生、ちが・・・ぁっ・・・!」
「じゃあ何だ?この痕は」
「ひゃ、ん!」
「その男にも聴かせたのか・・・?その声を・・・」
「まっ・・・てっ!」
「お前が何も言わない限り、俺もやめねぇ」
「んっ・・・・」


這いずりまわる舌が、抵抗という言葉を奪い去った。

ゾクゾクと走る快感。首筋を襲う痛み。
私に与えられた選択肢なんて無いのだと、桐生が身体で伝えている。


あけ
「分かったぁ・・・はな、話す・・・よ」
「・・・・」
「今日、お前が行ってたキャバレーに、少し、情報集めに・・・・行ってたんだ」
「キャバレー?・・・俺が郷田龍司に会った場所か」
「・・・・あぁ」


ああ、やっぱり。

見る見るうちに不機嫌になっていく桐生の顔を、直視出来ずに目を逸らした。

私が本気で恐怖を感じるのは、絶対桐生だけだろう。
この関係だからというのもあるし、勝てないということを知っているからでもある。


「・・・それで?」
「そのあと、あいつが言ってることが気になって・・・何か企んでるんじゃないかって思って、後をつけたんだよ」
「お前・・・・」
「盃のこと邪魔しに来たらめんどくせぇし、色々企んでるならそれを先に潰しちまおうって思って」
「・・・それで?」
「そ、それで・・・」


ここまでの話は、ただ無茶しただけの話。
本当の本題はここからなワケで。

冷や汗をダラダラ流しながら、小さな声で説明を始める。


「ま、まぁ、それで、えっと、下手しちまって・・・・さ」
「・・・・・・・」
「い、色々、あった、わけだよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「も、もちろん、変なことさせてねぇぜ!?でもこれは、腕とか押さえられてて、どうしようもない状況で・・・・」
「お前は」


血を吸うかのように、また強く首筋を噛まれた。
一つ、二つ、三つと咲き誇る花が、彼の独占欲の強さを物語る。


「女だということをもっと自覚しろ。男と同じ土俵に立ちてぇんだろうが・・・俺は許さねぇぞ」


咲き誇った花は、明らかに服で隠せない場所についていた。
それに対して文句を言おうにも、桐生は容赦なく私を黙らせる。

いや、ま、待てよ。まさかとは思うけど。

ヒクついた表情で桐生を見れば、その瞳は既に戦闘態勢に入っていた。
今の時間は午前5時。さすがに今からやられたら身体がもたない。


「あ、待てって!あと数時間で、盃の話をしにっ・・・!」
「お前のせいだろ?責任、取ってもらうぜ」
「桐生、ちょっと・・・・んぁ!ひゃ、あ、んぐっ・・・」


止まらない手。聴覚を犯す舌の音。
消えない独占欲の証。

私はそのまま桐生に襲われ、眠れない朝を過ごすことになった。

























あけ・・・・。何かお前、ヤケに疲れてねぇか?」
「あ?あぁ・・・昨日、情報集め頑張ってた・・・だけだ」
「あんまり無理すんなっつっただろ」


近江連合の本部に向かう際中、私は大吾の質問攻めに合っていた。
私はそれに対し、勘付かれないよう適当に言葉を返す。

疲れてる?しょうがねぇだろ。文句は桐生に言えちくしょう。
そんな心の声が聞こえるはずもなく、大吾は私に質問を続けた。


「そういえばあけ、お前、急にスカーフなんてどうしたんだ?」
「へ・・・?あ、いや、これは・・・」
「お前がそういうの着けるの、珍しいんじゃねぇのか?」


大吾が指差した、黒色のスカーフ。
きっちりと首元を覆うそれは、いつもの私が嫌うようなおしゃれアイテムの一つだった。

でも、今日だけはしょうがない。
首元を晒せば、朝方桐生に付けられた独占欲の証が丸見えになる。

虫刺されだ、なんて。

そんなのが通用しないレベルの数の“証”が。


「さ、寒いから、な。私寒いの苦手なんだよ」
「・・・まぁ、確かに寒いけどな・・・・」
「お前には似合わねぇな」
「黙れ桐生!」


ニヤニヤと笑いながら言う桐生に、私は大声を上げた。
誰のせいだと睨んでも、桐生には一切通用しない。

私は諦めて大吾の方を向き、大きな建物が見え始めたのに気づいて息を吐いた。
やばい、ちょっと緊張してきたかもしれねぇ。


「あれ、か・・・・」


緊張からか、呟いた声が少し掠れる。
だって相手はあの近江連合だ。何が起こるかなんて分からない。

アイツが邪魔しにくる可能性だってある。

もちろん、近江の会長が盃を断る可能性だって十分に。

これに成功しなければ、東城会と近江は戦争になるだろう。
私には直接関係ないとはいえ、桐生が関わるなら部外者ともいえない。


「・・・・」
「・・・大丈夫だ、あけ。心配しないで、俺に任せておけ」
「・・・・お前こそ、緊張してるんじゃねぇの?」


私が緊張していることに気づいた桐生が、私の頭を優しく撫でた。

でも、1番怖いのは桐生のはず。
これが成功するかしないかで、桐生の運命自体も変わる可能性があるのだから。

頼ってばっかりはいけないと、気合いを入れ直した私は、桐生の頭をペシッと叩いた。


「っ!」
「私と、この大吾もついてるんだから、大丈夫だ。なっ?」


目の前にそびえ立つ、近江連合本部。
桐生と私自身にそう言い聞かせた私は、近江連合本部内へ1歩、足を踏み入れた。





























私たちを出迎える、立派な建物と骨董品
(静かな空気に響く足音が、私の心をざわめかせた)
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