Erdbeere ~苺~ 13章(3) サシの勝負 忍者ブログ
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2012年05月26日 (Sat)
13章3部/ヒロイン視点

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神宮との戦いが終わり、私たちはアレスの中に居た。
所詮神宮も政治の人間。どれだけ人数が居ようと神宮自体は弱い存在だ。

まぁ、これで安心できれば良いんだけどな。
そうはいかないって、分かってるけど。


「終わったんだな」
「・・・錦・・・」


次の問題である存在が姿を現すまで、そう時間は掛からなかった。
エレベーターから姿の現したのは、錦山という神宮に踊らされていた桐生の幼馴染。

そして桐生の、もう一人の敵。

でも踊らせていた神宮も消えたわけだし、もう戦わなくていいんじゃねぇか?
アレスに入ってきた錦山の表情がとても戦いに来た“以外”には見えなくて、私は由美さんに治療を受けながら二人の様子を見守ることにした。


あけちゃん・・・。ごめんなさいね」
「なんで謝るんだよ」
「女であるあなたを、こんな戦いに巻き込んで・・・」
「それは由美さんも、だろ?」
「でも私は・・・戦えないわ」
「十分だよ。戦ってる」
「・・・ありがとう、あけちゃん」


こうして会話している内にも、桐生と錦山を包む雰囲気は険悪なものになっていく。

錦山が権力に溺れたのは、桐生に負けたくなかったかららしい。
錦山も由美さんを愛していた。でも由美さんの中には桐生しかいなかった。


だから、由美さんを奪い返したかった、と。


傷を気にしながら話を聞いていた私は、その光景を無言で見守り続けていた。
ここまで来たら、私の出る幕なんて存在しない。
桐生と錦山が望んでいる戦いが・・・どんなものか、感じ取れたから。

本当に、本当に好きなんだな、由美さんの事が。
だって幼馴染やおじいちゃん達を裏切ってまで、手に入れたかったんだろ?

運命を捻じ曲げてまで手に入れたかった存在なんて、ある意味凄いよな。
羨ましいとさえ、思えてしまう。


「決着をつけようぜ、桐生」
「あぁ・・・決着を、つけよう」


これが男同士の戦いってやつか。
桐生と錦山がほぼ同時に着ていた上着を脱ぎ、睨み合った。

後はもう、本当に見守るだけ。
私は静かにその場から立ち上がると、由美さんたちを安全な場所に移動させた。


「お姉ちゃん・・・」
「心配そうな顔するなって。大丈夫だから」
「一馬・・・」


桐生がモテる理由、なんとなく分かったよ。
それから、由美さんが愛される理由も。

桐生が持つのは立ち向かう強さ。そして何に対しても受け入れる優しさ。
由美さんが持ってるのは強い女性の心。女性として、男の人を見守る強さ。

どっちとも、私には手に入れることの出来ないものだ。


「(くそっ・・・)」


私には未来図が見えている。
桐生と由美さんと、遥が描く幸せな未来が。

錦山がこの戦いに敗れてもきっと、桐生に迎え入れてもらえるはずだ。
アイツは強い。強くて優しいから。


私は・・・どうなるんだろうな?
この戦いが終わったら、どうなるんだ?

今まで通りの、日常に戻るのか?


私自身の未来図は、何一つとして見えてこなかった。
今までの戦いで得てきたものが多すぎて、日常が物足りなく感じる。


「・・・おじいちゃんも、いないしな・・・」


両親を見返すためにしていた情報屋も、今では意味の無いものになった。
見てくれていたおじいちゃんが、居なくなってしまったからだ。

何もない。
私には、もう、何もない。

突如襲われた悲しみに、私はぎゅっと自分自身の身体を抱きしめた。


「お姉ちゃん?どうしたの?」
「いや・・・桐生は、強いなって、思ってさ・・・・」
「うん・・・おじさん、すごく強い」
「私はこの戦いが終わったら・・・何を、するんだろうな・・・これから・・・」
「お姉ちゃん・・・」


こんな所で、弱くなってる場合じゃないのに。
私はふるふると首を振り、心配そうな顔をする遥に笑顔を見せた。

遥を心配させてどうするんだよ、私は。
こういう時だからこそ、今は私がしっかりしなくちゃいけねぇだろ。


「安心しろ、遥。私はずっと遥のためにいる。由美さんも、桐生も、守るから」
「ふふ・・・。一馬が聞いたら怒りそうだわ」
「・・・・あー・・・確かに」


桐生はどっちかって言うと、守るタイプだからな。
由美さんの言葉に、私は目を細めながら桐生を見つめた。

普通の人から見たら、ただの殴り合いの喧嘩。
何のために戦っているか。それを知っているからこそ見えるこの戦いのかっこ良さが分かる。


「ねぇ、あけちゃん」
「ん?」
「・・・もし、もしも何かあったら、一馬を、遥を・・・お願いね?」
「何もねぇよ。私が守るって言ったばっかだろ」
「・・・ええ。そうだったわね。ごめんなさい?」


悪戯をした子供のように笑う由美さんを、私は責める気になれなかった。
ただただ、幸せになってほしいという気持ちが募る。

由美さんに何かが起こることはあり得ない。
私がそうさせない。何かが起これば私が守ると、決めたからだ。
錦山が変な気を起こしても、私が絶対に守り抜く。


「がはっ・・・!」


遠くで音がしたかと思えば、錦山が吹き飛ばされて床に転がっていた。
それを見つめて立っているのは桐生。

やっぱり、桐生は強い。
桐生はフラフラになりながら錦山の服を探ると、何かを握りしめて私たちの方に歩いてきた。
さすがの桐生でも、かなりのダメージを負ったみたいだ。


「由美・・・」
「一馬・・・!」


歩いてくる桐生を、由美が優しく抱きしめる。
そして桐生が錦山から奪ったペンダントを見つめ、嬉しそうに微笑みながらペンダントのカギを開けた。

ペンダントの中身。
ここからでも見えてしまったそれは、桐生の若いころの写真だった。

由美さんはああやって、桐生を忘れることが出来なくて、ずっと想ってたんだな。

二人きりの世界を邪魔するようなことはしたくない。
だけど居なくなるわけにもしかねぇし、もうしばらくここで見守ろう。


「一馬・・・私、私ね、まだやらなきゃいけないことがあるの」


しばらく話をしてから、由美さんは急にそう言ってペンダントを手に取った。
綺麗な光を放つペンダント。桐生の写真が入れてある大事なペンダント。

でも確か、あのペンダントって、100億がどうたらって言ってた気が・・・?

私の記憶は正しかったらしい。
由美さんがペンダントを謎の機械の中に置いた瞬間、突如壁が動き始めた。
どうやらあのペンダントが鍵となり、100億への道を開いたようだ。


「へぇ・・・ペンダントが鍵になってたのか」
「そうよ。・・・そうだわ、あけちゃん。これ、持ってて頂戴」
「へ?」


扉を開けた由美さんは、爆弾を持っていない方の手でペンダントを私に投げた。
大事な写真が入ってるペンダントなだけに、慌てて落とさないようにキャッチする。

これが、若いころの桐生か。
今と変わらず、中々良い面構えをしている。

って違う違う。今はそんなことをしてる場合じゃない。
私は由美さんの行動をしっかり見守るため、ペンダントをズボンのポケットに閉まった。


「この100億は、あってはならないものよ。だから・・・消そうと思うの」


持っていた爆弾を100億の上にセットし、機械のボタンを押す。
ピッ、ピッ、と規則正しい音が響き始め、爆弾の時間が進み始めたことを知らせた。

これで、これで本当に全てが終わる。

ホッとして気を抜いた瞬間、2発の銃声が聞こえ、私の視界を赤く塗りつぶした。


「くっ、ぐ・・・!?」
「き、きりゅ・・・う・・・」


桐生が、桐生が撃たれたみたいだ。

でも、それだけじゃない。

痛い。治療された腹部じゃなくて、左腕が痛い。
私も・・・撃たれた・・・?


「あぁああぁああぁ・・・っ!!」
「一馬!あけちゃんっ!」
「桐生ぅ~!!」
「お前・・・じ、神宮・・・く、くそ・・・!」


後ろから撃ってきた奴の正体は、神宮だった。
こいつ、まだ諦めずに小癪なことしやがって!

怒り任せに取り出そうとした銃は、治療の際に階段側に置いてきてしまっていた。
その間にも、神宮の銃口が桐生を向き、今にも命を奪おうとしている。
どうすればいい?どうすれば、どうすれば。


「遥!!」


桐生の叫びに、私の迷いはすぐに無くなった。
傷ついた桐生を庇うように立った遥を突き飛ばし、私が庇うように両手を広げて立つ。

そうだ、私が犠牲になれば良いんだ。
この3人の中で、奪われて良い人なんて誰もいない。

だとしたら、私が。
桐生の幸せのためになれるなら、それも良いとしよう。

どうせもう、私には、思い描ける未来図が残っていないから。


あけ・・・!?やめろ、あけッ!!!」
「お、お姉ちゃ・・・ん・・・!」


―――――パァン。

1発の銃声が響いた。
私の心臓を捉えたのだろうか?

何故か、痛くなかった。
痛むのは左腕と、腹部だけ。

ああ、死ぬ間際って、痛くないってことなのか?


「由美ぃぃ!」


本当は分かっていた。私が撃たれていないことに。
でも、気づきたくなかった。

またあの、麗奈さんやシンジの時と同じ。


「なん、で・・・なんで、なんでだ・・よ・・・!」
「由美!しっかりしろ・・・!大丈夫か!?」
「お母さん!」


私はしがみつくように由美さんを抱きしめ、涙を流した。
早く手当をしなきゃ、死んでしまう。

だが、この場の空気を、こいつが読んでくれるわけがなかった。
応急処置をしようと立ち上がった私の前で、神宮ニタニタと汚い笑みを浮かべている。


「どけよ」
「どくのは・・・お前だ、小娘ぇ・・・・やっと見つけた私の金だ。邪魔をするなぁ!」
あけ!!!」


引き金が引かれるよりも先に、神宮の動きが止まった。
何が起こったのかと驚いて後ろを見れば、錦山がナイフを神宮に突き刺している。

そしてそのまま、100億のある部屋に神宮を押さえこんだ。
錦山はふらふらになりながらナイフを投げ、足元に転がっていた神宮の銃を手に取る。

何をしようとしているのか。
私には、分かってしまった。
でも止めるだけの覚悟と、体力が、もう私には無かった。


「錦?やめろ・・・!」
「最後のケジメぐらい、俺につけさせろや!」
「錦・・・!」


1発の銃声と。身体が吹き飛ぶほどの爆風。
錦山はケジメを付けるために、自らの身を犠牲にし、100億と共に散った。
桐生の大事な幼馴染だったのに。どうして、こんな。

私が守りたいと思うものだけが消えていく。
守れずに、私に情けなさだけを刻み込んで。

爆風が納まったころには、桐生が由美さんを抱きしめている姿が目に入った。
由美さんの震える声が、静かになったアレスの中に響き渡る。


「ごめんね、遥・・・やっと、お母さんって、言って貰えたのに・・・」
「お母・・・さん・・・」
「由美・・・ずっと、10年前からずっと、それ以上前から・・・言えなくてすまなかった」


“好きだった、お前の事が”
その一言が悲しくて、私は涙を抑えきれなかった。

失ったのは私じゃない。
辛いのは、私じゃない。

そう言い聞かせても、自分の無力さと、この状況にも関わらず嫉妬している自分に、私は唇を噛みきった。
血の味がしても力を緩めず、拳をただただ震わせる。


「この指輪・・・持っててくれたんだ・・・。一馬がくれた、たった一つの、プレゼントだもんねぇ・・・」


お願い。
死なないで。

これ以上、桐生から全てを奪わないでくれ。

私なら、いくらだって犠牲になってやる。
桐生との約束なんて、桐生の幸せのためなら捨ててやる。

そうだ、私が、桐生が好きなんだ。
好きな奴のためなら、なんだって、する。


「由美・・・さん・・・」
あけちゃん・・・貴方に渡した・・・ペンダント・・・・」
「これか?これがどうした・・・!?」


由美さんの傍に駆け寄り、ポケットに入れていたペンダントを差し出す。
それを見た由美さんは微笑むと、そのペンダントを私にしっかりと握らせた。


「貴方が、もっていて・・・頂戴・・・?」
「なんで・・・?なんで私を庇ったり、これを、これを私に・・・なんで・・・!?」
「いいのよ・・・私も、どこかで、覚悟してた・・・。だから、貴方に、一馬と遥を・・・見守ってて欲しいの・・・」
「意味わかんねぇよ・・・何が覚悟だよ・・・?私なんか、犠牲にしちまえばよかったじゃねぇか・・・!」


優しさなんて、掛けなくて良いんだ。
今まで10年間苦しんできたんだろ?

だったら幸せを目の前にした時ぐらい、逃げてくれれば良かったんだ。
覚悟から、死から、逃げてくれれば。


「できない・・・わ・・・」
「なんで・・・!?」
「だって、貴方と、会った時から・・・妹みたいで・・・貴方のことも・・・忘れ、られなかっ・・・たから・・・」


目の前が滲んで見えなくなる。
由美さんは死にそうになりながらも、今までため込んできた思いを私たちに吐き出した。


「一夜でも、一目でもいい・・・一馬に会いたいっていう夢が・・・叶ったし・・・ね・・・」
「由美・・・!」
「遥・・・良い?遥は、どんなことがあっても・・・逃げちゃ、だめよ・・・」
「お母さん!」
「逃げたら・・・お母さんみたいに、幸せが・・・逃げちゃうわよ・・・・。だから、絶対に・・・逃げちゃ・・・だ、め・・・・」


由美さんの震える手が、遥の頬を撫でる。
消えゆく命を目の前にして、何もできないのが現実なんだ。

ふわり、と。
ゆっくり微笑んで、それから崩れ落ちる由美さんの身体。
遥は動かなくなった由美さんを抱きしめながら、ずっとずっと悲痛な叫び声を上げていた。


「お母さん・・・!お母さん!お母さん・・・!!!」


朝の光が私たちを照らす。
私は呆然とその場に立ち尽くし、悲しみに暮れる二人の姿を見ていることしか出来なかった。

ここの所、色んなことがありすぎて疲れてるみたいだ。
さっきまで流れていた涙が、枯れたように流れなくなる。


桐生は大事なものを失った。
同時に、私も、この戦いの最中でおじいちゃんを失った。


そして今また、私は守るべきものを失った。

私は、私の、存在意義さえも、失った。


本当は元から、私の存在意義なんてものはちっぽけなものだった。
おじいちゃんに成長を見てもらいたい。それだけのもの。

でもそれだけが、私の生きる道の“全て”だったことには変わりない。

全てが終わり、失ったことを痛烈に感じた今、生きる気力さえも見当たらなくなるぐらい真っ暗だったから。


「・・・っ」


呆然と立ち尽くしていた私の腕を、遥が怯えた様子で掴んできた。
何事かと周りを見渡せば、いつの間にか警察官に囲まれている。

ああ、そうか。捕まえにきたんだな。
ここまで騒ぎを大きくしちゃ、捕まるのも当たり前か。

捕まるのを覚悟した、その時。
全員銃を下せ!と、弱々しい声が警察官の銃を下させた。


「伊達、さん・・・」
「桐生、あけ・・・。お前たちは何もわるくねぇ、だが、桐生。お前はここで捕まったら、もう二度と出てこれねぇ。悪いことは言わない・・・俺についてこい」


すっかり忘れてたけど、桐生って仮釈放中なんだっけ?
それでこの騒ぎの事で逮捕されたら、もうお終いに近い。

どうしても回避できないって言うなら私が代わりになるよ。
そう伊達さんに言おうとして近づいた私を、桐生のふらつく手が止める。


「桐生・・・?」
「良いんだ、もう。俺は、由美も錦も、風間の親っさんも・・・もう、皆・・・いない・・・」


その言葉に、私は思わず桐生の頬を叩いた。
反射的な行動。でも後悔はしていない。

桐生の表情を見て、悔しかったんだ。
さっきまで私が忠誠を誓っていたあの男の表情とは・・・まるで違う。
全てを失って、桐生は心さえも失おうとしている。


それだけは、私でも許せなかった。
守れきれなかった無力な私が言うことじゃないのは、分かってるけど。

でも、どうしても、壊れていく桐生を見ていることだけは出来なかった。


「ざけんじゃねぇよ!由美さんの言葉、忘れたのかよ!?」
あけ・・・」
「由美さんはお前に、残したものがあるよな・・・・?お前にはまだ、守らなきゃいけねぇものが、あるだろ!」
「守らなきゃ・・・いけないもの・・・」
「それにな、お前が死んだら由美さんだって悲しむって・・・分かってんだろ・・・!?じゃなきゃ、何のために由美さんは体を張ったんだよ!?由美さんは、私だけじゃなく、お前も守るために身体を張ったんだろ!?」


桐生は気づいたように顔を上げ、遥を優しく抱きしめる。
そうだ。それでいいんだ。


「伊達さん、代わりが必要なら、私をパクっちゃってくれ」
「・・は?」
「は?じゃねぇよ、さすがに説明つかねぇとか、あるんじゃねぇの?」
「・・・馬鹿かお前。お前今、俺が言いたいことを説教してくれたばっかりだってのに、次は俺から説教を食らいたいのか?」


急に口が悪くなった伊達さんに、ちょっとイラッとする。
言い返そうとして口を開くと、それよりも先に伊達さんが私を怒鳴りつけた。


「お前も、逃げようとするな」
「・・・っ」
「お前だって、やることがあるだろう?」
「何が・・・あるんだよ・・・」
「何もないのか?本当に?よく思い出してみろ、これまで会ったすべてのことに、お前は必要とされてないのか?」


“貴方に、一馬と遥を見守っててほしいの”


少し前の由美さんの言葉を思い出し、私はヤレヤレと首を振った。

あーあ。もう全てを捨てて生きるつもりだったのに。
でもまぁ、桐生の大事な人の頼みってなら、断れねぇじゃん。

握っていたペンダントを胸に寄せ、しっかりと微笑む。


「わーったよ。うっせぇなぁ。私は伊達さんを心配して言っただけだぜ?上からお叱り受けるんじゃねぇかなって」
「はっ。よく言うぜ、あんな死にそうな顔してたくせに」
「うるせぇよ・・・」
「分かったら行くぞ・・・・さっさと来い」


最後の最後でイケメンな伊達さんに、私は小さく「ありがとう」と呟いた。
あいつも何だかんだで私をからかってくる奴だったから、面と向かっては言ってやらないけどな?



























終わるつもりだった場所が、また始まりになっていて
(由美さんが残したペンダントに、私は優しく口付けた)
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(龍如/オール・海賊/剣豪)