Erdbeere ~苺~ 6章(2) その正体こそ 忍者ブログ
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2013年02月18日 (Mon)
6章(2)/ヒロイン視点

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変な外国人の集団から助けられて、その後。
もちろんのこと、私は桐生に説教を食らっていた。

説教だけならまだいいが、そこに大吾を心配してきた柏木さんまで加わってしまい。


「弥生の姐さんも心配していたんだぞ!」
「だから無茶するなって言っただろうが。俺の話、聞いてなかったみたいだな?」
「い、いや、無茶も何も、勝手に襲ってきたっていうか・・・・」
「それに大吾にも聞いたが、お前、色々と敵の中でも無茶やらかしたそうじゃないか」
「それは本当か、柏木さん?」
「あぁ。大吾がヒヤヒヤしたって言ってたぜ」
「・・・・おい」
「ハ、ハイスミマセン・・・本当にスミマセン・・・」


なんだこいつらは。
私の親か。親ならあれだな。柏木さんがお母さんで、桐生がお父さんってとこか。

・・・・危うく吹き出しそうになった。この考えはやめよう。

とりあえず今は、私たちを捕まえた組織について考えるのが先だ。

一通り大吾の話は聞いたが、私が捕まるよりも前に彼らは自分たちを「ジングォン派」と名乗っていたらしい。
二人の長い説教を聞き流しつつ、ジングォン派に繋がる情報を思い出していく。

ジングォン派。

それは今でこそ消されてしまった、韓国系のマフィア組織の名前。
なんで消されてしまったのか、なんて詳しい事までは知らない。
私が知っているのは、過去にその組織が東城会とやり合っているということだけだ。


「(まぁ、大体想像はつくけどな)」


当時、その場に居たわけじゃない。
だがその時のジングォン派は、神室町で一大勢力を築いていた海外組織の一つだったと聞いている。

そんな組織を、神室町でまだ育ちきれてない東城会が放っておくか。
答えは簡単。放っておけるわけがない。
向こうを潰せばこちらが成り上がれる。そういう状況だったと聞いているからな。

まぁ、全ては情報。

見たわけじゃないから、何とも言えないが。


「おいあけ!!聞いているのか!?」
「はい!!!!」
「大体お前は昔から風間の親父さんにも心配を・・・・」


悪いな、柏木さん。
今は柏木さんの小言より、柏木さんや自分の情報を整理するのが先なんだ。

とりあえず話をまとめると、私たちを攫ったのはジングォン派。
そのジングォン派のことを知ってる柏木さんでさえ、詳しくは覚えていない。

そして当時の担当刑事のことも分からない、と。

んでもって、そのジングォン派の生き残りが、郷龍会と繋がってる可能性があるわけだ。


「(ジングォン派、郷龍会・・・・攫われたままの会長。神室町を狙ってる龍司・・・)」


他にも色々と問題がありそうだが、とりあえず把握できる問題はこの4つ。
次は一体、誰が何を仕掛けてくるのか。

どれから解決すればいいか―――なんて考え込み始めていた私の頭に、鋭い痛みが走る。


「やっぱり聞いてねぇようだな・・・あ?」
「桐生・・・?か、顔が、顔が怖いぜ・・・?」
「とりあえず桐生、あけ。明日に5代目の本葬儀がある。出席するだろう?」


桐生の説教を止めた柏木さんの言葉に、私達二人は頷いていた。
寺田の最後を看取ったのは私達だ。行かなきゃ、いけない。


「寺田に最後の挨拶をしなくちゃいけないので、出席させてください」
「私も頼むぜ、柏木さん」
「・・・・あぁ。お前達から今の状況を弥生の姉さんに説明しておいてくれ」
「了解。任せろ!」


そう言うと、柏木さんは満足そうに頷き、セレナの裏口から出て行った。
大吾も私たちに会釈をし、慌てて柏木さんの後を追いかけて行く。

さて、と。
本葬儀が明日。ここまで活発化したアイツらが、その間、大人しくしてるなんて保証はない。
特に郷龍会は、お構いなしに挑発してくる可能性がある。

そうなると、ただ葬式に参加するのは危険だろう。

それなりの備えをしていかなければ。


「んじゃ、明日まで私はアジトに行く」
「アジト?それはどこにあるの?」
「ここのすぐ傍だ。大丈夫、逃げたりする口実じゃねぇから」
「・・・まぁ、貴方は味方に嘘を吐ける性格じゃないみたいだし、いいわ」
「・・・んだよそれ」
「警察の勘よ。貴方もついていくの?」


狭山の視線が、すっと桐生に移る。
その先にあった桐生の苛立った表情に、思わずヒクッと顔が引きつるのを感じた。

出来れば来ないでほしい、が。
この状況じゃ、絶対来る。
100%来る。


「あぁ。少し・・・話したりないことがあるしな」
「そう。説教はほどほどに、ね。明日葬儀なのだから」
「・・・分かっている」


分かってない。
絶対分かってない。

長年の付き合いから分かるんだ。
桐生の目が、全然笑ってないことに。


「じゃあ、また明日来る」
「いや・・・待てっ!おい、引っ張るな!!!」


そのまま私は狭山に見送られ、桐生にずるずると引っ張られることになった。





















「いや、ま、待てって桐生・・・!とりあえず、落ち着こう・・・!?」
「どれだけ俺を心配させれば気が済むんだ、お前は」
「ほ、ほんと、そんな・・・わざとじゃ、ねぇしさ?」


現在、アジト内。
明日に備えて全ての薬と情報を整理し終えた私は、それが終わるのを待ってましたとばかりに桐生に追い詰められていた。

アジトという名の通り、この場所は最低限の施設と生活空間しか用意されていない。
そんな中でこの桐生から逃げ切る手段など、ほぼ皆無なわけで。


「あ、あの、な・・・・」
あけ
「いや・・・だって、な、その・・・ほら、なんつーか・・・」
あけ
「・・・あ、明日、大切な葬儀、だしさ・・・・」
あけ
「はい。すみませんでした・・・・」


大人しく足を止めると、その場で深い口づけを受けた。
息が出来なくなるようなその口づけに、意識していないのに足が震える。

どうしても慣れないその行為。
私の服を弄り始めた桐生の手を、止めることは出来ない。

そのままお仕置きという名の行為を受け止めることしか、私には。


「覚悟は、出来たな?」




























そして始まる、甘い夜。
(求められるのは嬉しいけど、やっぱり恥ずかしいんだよ・・・)
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