Erdbeere ~苺~ 1章 女の情報屋 忍者ブログ
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2011年11月26日 (Sat)
1章/ヒロイン視点

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声が聞こえる。
闇の中で手を伸ばせば、聞き覚えのある声が私の耳を叩いた。


「アンタなんて、生まれて来なければよかったのに!!」


与えられるのは愛ではなく、ただの暴力と罵声。
夢の中の私は、無力にもそれに耐えるだけ。

今の私ならやり返せるのに。こんな、クソ親なんて。


「アンタなんかただの道具よ!」
「そうだ。俺たちのストレス発散に役立てばいいんだよ!」


嫌な悪夢だ。
悪夢だと分かっているからこそ、私は平然とその行為に耐えた。

私がひまわりに預けられるまでの、最悪の悪夢。
忘れたつもりでも、私の身体には恐怖として残ってしまっているのだろう。


痛い、痛いよ。

夢の中なのに、痛い。

痛くて辛い。でも今の私に戻る場所なんて無い。


だけど、私は耐え続ける。
この悪夢を、一人で見続ける生活に。


「お前なんて、死んでしまえ!!!」


ガッ――――――――――

















鉄パイプが振り下ろされた瞬間、私は飛び上がるようにして目を覚ました。

嫌な目覚めなんて、今更のこと。
毎日この夢にうなされている私は、慣れた手つきでその場にあったタオルを顔に被せる。


「あー・・・」


私は昔、両親に虐待を受けていた。
情報屋として働いていた両親の、ストレス発散道具として。

毎日、毎日。

それを助けてくれたのが、カチコミを掛けてきた先の極道の人間だった。
私はその人に救われ、ひまわりという養護施設で年を過ごした。


でも結局、一人なのは変わらなかった。

慣れ合うことが苦手で一人だった私は、極道の世界にあこがれてあらゆる体術を独学で学んだ。


その結果が、今の私。
情報屋としてトップクラスの実力を持ち、そこら辺のヤクザになら負けない腕にまでなった。


「・・・・ふー」


だから私は、毎日変わらない日々を送る。
情報を集めて、絡んでくるヤンキーを蹴飛ばす毎日を。


「いっちょ、やるかー」


これからもずっと、この生活は変わらない。

・・・・そう思っていたんだ。


彼と出会うまでは。


















「ちょっと、いいか?」
(隠し扉の向こう側で待っていたのは、初めて見る堂島の龍だった)
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