いらっしゃいませ!
名前変更所
薄らと日の光が入り、あけの顔を照らす。
その眩しさに目が覚めたあけは、気怠い身体をゆっくりと起こした。
「うー・・・」
鈍い腰の痛みに、一度は起こした身体をもう一度布団の中へ沈める。
久しぶりに桐生と二人きりの夜を過ごせたのは良いが、まったく手加減をしてくれなかったため、この通り動けない状態というわけだ。
あけは涙目になりながら、痛む腰と手首を労わる。
手首には昨日の桐生がどれだけ激しかったかを物語るかのように、赤い拘束の跡がハッキリと残っていた。
いつもはここまでしないんだが。
最近は危険なことも多かったし、しょうがないのかもしれない。
お互いに心配が募れば、愛し合うのも激しくなってしまうものだから。
「だからって、酷すぎんだろ・・・こんな跡残しやがって。ばか・・・」
拘束され、桐生の気が済むまで抱かれた。
昨日の夜を思い出したあけは、急に恥ずかしくなって布団の中に潜りこんだ。
そしてすぐに、桐生がいないことに気付いて口を開いた。
「あれ・・・かず・・・ま?」
布団を退かしても、桐生の姿はどこにも無い。
あけは寂しくなって布団から出ると、掛布団で身体を隠しながら部屋を出た。
足元がふらふらする。
掛布団を引きずりながら歩いているのもあるが、1番の原因は体のダルさだろう。
「かずま・・・」
寂しげな声がポツリ、静かな廊下に響いた。
情報屋としてのあけが普段出すことの無い、女性の甘さを含んだ声が。
いなくなったの?
・・・そんなこと無いはずなのに、そう思ってしまう自分が憎い。
「かず・・・ま・・・」
何度も、何度も呼ぶ。
掛布団を引きずりながら歩いてきたあけは、とある一室から水の音が聞こえてくるのに気づいた。
「シャワー・・・室?」
徐々に眠気が覚めてきたのもあり、あけは自分が必死になって桐生を探していたことが急に恥ずかしくなって、その場から去ろうとする。
アイツは起きるのが早い。だから一足早く起きてシャワーを浴びてただけなんだ。
普通に考えれば分かることなのに、どうしてこんなにも取り乱してしまったんだろう。
あけは恥ずかしさを隠すために自分の頬を叩くと、掛布団を持ち上げてダッシュで部屋に戻ろうとした。
しかし、それはもう遅かったようで
「待て」
「はわっ・・・!?」
シャワー室まで来たことを気づいていた桐生に、あけは呆気なくお風呂場へと引きずり込まれた。
むわっとした湯気が、桐生のたくましい身体を隠す。
そこで桐生が裸だということに気づいたあけは、素早い動きで持っていた掛布団に頭から突っ込んだ。
「おいばか!服を着ろっ!」
「お前が朝から俺を呼んでるから出てきてやったのに・・・酷い言われようだな」
そう言われてしまうと、言い返すことが出来ない。
潜ったまま黙り込んでしまったあけを、強引に布団から引きはがす。
「ったく。昨日あんなにしたのに、今更恥ずかしがっても意味ねぇな」
「うううう、うるせー!」
「お前もこのまま風呂に入るか?身体、すっきりさせたいだろ?」
あけの身体は、昨日の夜のままだ。
桐生はあけの首元を優しく撫でると、昨日の夜に付けた赤い痕をもう一度付け直すようにゆっくり舌を這わせた。
ぴくり。
あけが身体を震わせるたび、桐生が楽しそうに笑みを浮かべる。
「あけ。俺はお前を置いてどこにもいかねぇ・・・だから、そんな寂しそうにするな」
「っあ・・・!」
昨日咲かせた赤い痕の場所に、一つ一つまた痕を増やしていく。
色気づいた肌に手を這わせ、抵抗の意味で伸ばしてきたあけの手を、掴んで自分の背中に回させた。
「かず、ま・・・?」
「続き、するか?」
「っ・・・!ばか!昨日何回したと思ってんだ!」
桐生の言葉に、あけが手首の拘束痕を見せつける。
昨日は激しかったとかだけじゃなく、桐生の好きなように散々やられたのだ。
まだ襲おうとする桐生に、怒りのパンチを食わらす。
突然のパンチをあっけなく食らった桐生は、真っ赤な顔をするあけを必死に宥めた。
「お、おい。悪かったから殴るな!」
「じゃあ手を退かせ!ばか!」
もう一度桐生の頭を叩いたあけは、奪われた布団を取り返して身体に巻きつけた。
そのまま立ち上がり、奥の方にあるキッチンへと向かう。
「あけ?」
「まずはご飯にしようぜ・・・平和な時は、少しでもゆっくりしなくちゃな?」
「・・・あぁ。ありがとう」
ここの所、桐生もあけも切羽詰まってることが多かった。
特に桐生は東城会のことで問題が多く、身体面も精神面も疲れ果ててるように見えた。
だからあけは少しでも桐生に気を楽にしてもらおうと、恋人である自分にしか出来ないことをしてあげたかったのだ。
そんなあけの気持ちに気付いてか、桐生はそれ以上何も言わずに、朝ごはんの準備をしようとするあけの後を追いかけた。
「朝ごはん、何が良いー?」
「裸エプロンみたいでやらしーぜ、お前」
「お前、変態すぎてキャラ変わってんぞ・・・」
今だけしか出来ない、平和な会話。
トントンと響き始めた心地よい包丁の音に、今のこの時を楽しもうと、桐生は煙草を咥えながら窓の外を見つめた。
いつかこれが、当たり前になればいいのにと願っても
(ありそうでない、“平和”という名の日常)
その眩しさに目が覚めたあけは、気怠い身体をゆっくりと起こした。
「うー・・・」
鈍い腰の痛みに、一度は起こした身体をもう一度布団の中へ沈める。
久しぶりに桐生と二人きりの夜を過ごせたのは良いが、まったく手加減をしてくれなかったため、この通り動けない状態というわけだ。
あけは涙目になりながら、痛む腰と手首を労わる。
手首には昨日の桐生がどれだけ激しかったかを物語るかのように、赤い拘束の跡がハッキリと残っていた。
いつもはここまでしないんだが。
最近は危険なことも多かったし、しょうがないのかもしれない。
お互いに心配が募れば、愛し合うのも激しくなってしまうものだから。
「だからって、酷すぎんだろ・・・こんな跡残しやがって。ばか・・・」
拘束され、桐生の気が済むまで抱かれた。
昨日の夜を思い出したあけは、急に恥ずかしくなって布団の中に潜りこんだ。
そしてすぐに、桐生がいないことに気付いて口を開いた。
「あれ・・・かず・・・ま?」
布団を退かしても、桐生の姿はどこにも無い。
あけは寂しくなって布団から出ると、掛布団で身体を隠しながら部屋を出た。
足元がふらふらする。
掛布団を引きずりながら歩いているのもあるが、1番の原因は体のダルさだろう。
「かずま・・・」
寂しげな声がポツリ、静かな廊下に響いた。
情報屋としてのあけが普段出すことの無い、女性の甘さを含んだ声が。
いなくなったの?
・・・そんなこと無いはずなのに、そう思ってしまう自分が憎い。
「かず・・・ま・・・」
何度も、何度も呼ぶ。
掛布団を引きずりながら歩いてきたあけは、とある一室から水の音が聞こえてくるのに気づいた。
「シャワー・・・室?」
徐々に眠気が覚めてきたのもあり、あけは自分が必死になって桐生を探していたことが急に恥ずかしくなって、その場から去ろうとする。
アイツは起きるのが早い。だから一足早く起きてシャワーを浴びてただけなんだ。
普通に考えれば分かることなのに、どうしてこんなにも取り乱してしまったんだろう。
あけは恥ずかしさを隠すために自分の頬を叩くと、掛布団を持ち上げてダッシュで部屋に戻ろうとした。
しかし、それはもう遅かったようで
「待て」
「はわっ・・・!?」
シャワー室まで来たことを気づいていた桐生に、あけは呆気なくお風呂場へと引きずり込まれた。
むわっとした湯気が、桐生のたくましい身体を隠す。
そこで桐生が裸だということに気づいたあけは、素早い動きで持っていた掛布団に頭から突っ込んだ。
「おいばか!服を着ろっ!」
「お前が朝から俺を呼んでるから出てきてやったのに・・・酷い言われようだな」
そう言われてしまうと、言い返すことが出来ない。
潜ったまま黙り込んでしまったあけを、強引に布団から引きはがす。
「ったく。昨日あんなにしたのに、今更恥ずかしがっても意味ねぇな」
「うううう、うるせー!」
「お前もこのまま風呂に入るか?身体、すっきりさせたいだろ?」
あけの身体は、昨日の夜のままだ。
桐生はあけの首元を優しく撫でると、昨日の夜に付けた赤い痕をもう一度付け直すようにゆっくり舌を這わせた。
ぴくり。
あけが身体を震わせるたび、桐生が楽しそうに笑みを浮かべる。
「あけ。俺はお前を置いてどこにもいかねぇ・・・だから、そんな寂しそうにするな」
「っあ・・・!」
昨日咲かせた赤い痕の場所に、一つ一つまた痕を増やしていく。
色気づいた肌に手を這わせ、抵抗の意味で伸ばしてきたあけの手を、掴んで自分の背中に回させた。
「かず、ま・・・?」
「続き、するか?」
「っ・・・!ばか!昨日何回したと思ってんだ!」
桐生の言葉に、あけが手首の拘束痕を見せつける。
昨日は激しかったとかだけじゃなく、桐生の好きなように散々やられたのだ。
まだ襲おうとする桐生に、怒りのパンチを食わらす。
突然のパンチをあっけなく食らった桐生は、真っ赤な顔をするあけを必死に宥めた。
「お、おい。悪かったから殴るな!」
「じゃあ手を退かせ!ばか!」
もう一度桐生の頭を叩いたあけは、奪われた布団を取り返して身体に巻きつけた。
そのまま立ち上がり、奥の方にあるキッチンへと向かう。
「あけ?」
「まずはご飯にしようぜ・・・平和な時は、少しでもゆっくりしなくちゃな?」
「・・・あぁ。ありがとう」
ここの所、桐生もあけも切羽詰まってることが多かった。
特に桐生は東城会のことで問題が多く、身体面も精神面も疲れ果ててるように見えた。
だからあけは少しでも桐生に気を楽にしてもらおうと、恋人である自分にしか出来ないことをしてあげたかったのだ。
そんなあけの気持ちに気付いてか、桐生はそれ以上何も言わずに、朝ごはんの準備をしようとするあけの後を追いかけた。
「朝ごはん、何が良いー?」
「裸エプロンみたいでやらしーぜ、お前」
「お前、変態すぎてキャラ変わってんぞ・・・」
今だけしか出来ない、平和な会話。
トントンと響き始めた心地よい包丁の音に、今のこの時を楽しもうと、桐生は煙草を咥えながら窓の外を見つめた。
いつかこれが、当たり前になればいいのにと願っても
(ありそうでない、“平和”という名の日常)
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