いらっしゃいませ!
名前変更所
沖縄に来て、1年。
何もないとある日のこと、アサガオは無人状態と化していた。
それもそのはず。
いつも子供たちの世話をしていて疲れているだろうと、名嘉が子供たちを2日預かってくれたのだ。
咲ちゃんもそれが嬉しかったらしく、喜んでいるというメールもさっき貰った。
それにしても。
無人になっちまうと、ここまで暇になるなんて。
桐生なんかよほど疲れてたのか、まだ寝てやがるし。
「久しぶりに静かだなー、力也」
「そうっすねー。昨日、お楽しみだったんすか?」
「・・・・さらっとそういうこと言うなよお前は。ぶっ殺すぞ」
「じょ、冗談すよ・・・・」
でもまぁ、そう思うのもしょうがないことだ。
夫婦に近い関係の男女が、子供たちが居なくなった部屋ですることといえば一つ。
力也の言うとおり、私は昨日、がっつり桐生に食われた。
いつものように好きなようにされて。
確かに素直になれない私も悪いが、屈辱的なことばっかりしてくる桐生も悪い。
・・・だけど、少し不安にもなった。
いつも私が抵抗して、それを押さえ込んで桐生と繋がる。
そういうことをする時はいつも同じ。
私から誘ったこと、何か行動を起こしたことなんて、一切ない。
やっぱりそういうのは・・・男としては嫌なのだろうか。
「なぁ力也」
「はい?」
「力也って、もし彼女とかいたら、夜は色々積極的にしてほしいタイプか?」
「はっ・・・?い、いきなり何を・・・」
「お前だってさっきいきなり言っただろうが。そのぐらい恥ずかしがらないで答えろよ」
気になったら聞く。
心に抱いた疑問をすぐさま力也にぶつけた私は、焦る力也の解答を待った。
力也は照れながらも、どこかニヤけた表情で答える。
「やっぱり色々してもらいたいっすよ。責めるのも好きっすけどね」
「・・・そか」
「なんで急にそんなことを?」
「いや、私はいつもクセで抵抗ばっかりしちまうからな。そういうのは男はやっぱ嫌なのかと思っただけだ」
「いやー、俺だったら姉貴みたいに抵抗しそうな女の子をじっくり落としていくってのも好きっすけどね!」
「・・・うるせぇ」
「あだっ!!答えただけじゃないっすか!なんすか?もしかして、兄貴を喜ばせたい、とかっすか?」
「・・・・・・・・」
「いだだだだだだ!!」
的確なところをつかれ、何も悪くない力也を力の限りぶん殴った。
思いっきり鳩尾に入ったその攻撃に、力也が甲高い悲鳴を上げる。
でも正直、こういう話を出来る相手がいるのは嬉しい。
そりゃ下品だけどな。でもこういう話を伊達さん何かにしたら、速攻からかってくるし。
私は自分が女だということも若干忘れかけ、男同士がするような会話に花を咲かせた。
「姉貴でもそういうの悩むんすねー。可愛いじゃないっすか」
「・・・・お前、本当に殺すぞ」
「でも兄貴なら、そういう姉貴をいじめて楽しんでそうっすけどね」
「う・・・・まぁ、否定はしねぇ」
「だけど喜ばせたいっていうなら、やっぱり姉貴から誘ってみる、とかどうすか?」
「誘う・・・?」
「自分から色々するんすよ!脱がしたり、キスしたり、ご奉仕したり・・・のわっ!?」
言いながら力也がキス顔してるのがむかついて、もう1発ぶん殴る。
・・・誘うって。私からか?
私からしようって誘うのか?
そんなの、恥ずかしくて死にたくなっちまう。
でも確かに、どれも桐生に対してはしたことないものだ。
たまには、そういうのも良いだろうか。
「あー、まー・・・実行するかは別として、さんきゅ」
「いえいえ!姉貴の可愛らしい一面を見られたんで、満足っす」
「・・・・やっぱりむかつく。ちょっとお前そこになおれ」
「いや待ってくださいよ!!俺はただ思ったことを言っただけ・・・ストップ!ストップ!!」
悲鳴を上げる力也に容赦ない蹴りを浴びせる。
するとアサガオの方から怒鳴り声が響き、私は咄嗟に力也から身体を離した。
刹那、視界を覆い隠す黒い物体。
それが桐生の鞄だと気付いた瞬間には、力也が地面に平伏していた。
可愛そうに、とは思いつつ。起きるのには手を貸さない。
「桐生、いきなり物投げるのは危ねぇだろ」
「朝っぱらから騒ぐからだろうが。うるせぇぞ、お前ら」
「いや、朝じゃねぇし?時間見ろよ」
「・・・?もうこんな時間だったのか・・・」
腕時計を見せつけると、桐生が納得したように頷いた。
飛ばしてきた鞄も桐生本人に返し、それからやっと力也を起こす。
「大丈夫か?力也」
「いてててて・・・どうして俺なんすか・・・」
「悪いな。一番狙いやすかったんだ」
「うわー、桐生ひっでぇ」
「・・・別にお前でもよかったんだぞ」
「なんでもないです」
桐生に冗談は通用しない。
そのことが良く分かる桐生の反応に、私はすぐさま冗談を言うのを止めた。
起き上がった力也が、鞄がぶつかった場所を押さえる。
相当痛かったのだろう。少し痣っぽくなってるしな。
しょうがなくポケットから薬を取り出し、それをハンカチに染み込ませて手当てをしてやる。
「っー!!痛い!!痛いっすよ!!」
「うるせぇな。良く効くんだよ、我慢しろ」
「それで?お前らは何の話をしてたんだ?」
「それがっすねー」
「おい・・・力也?」
普通に話そうとする力也を、殺気を込めた目で睨みつけた。
何てめぇ、普通に言おうとしてるんだ?と。
私の無言の威圧に気付いたのか、力也は慌てて口を紡ぐ。
そしてあろうことか、もっとややこしい言い方に言葉を変えた。
「俺たちだけの、秘密の話っすよ。ね、姉貴」
「・・・・っ」
「・・・そうだったのか。それは悪かったな」
「あ、き、桐生。ほんっとどうでもいいような会話してただけだからな。気にすんな」
やばい。その言い方は本当にやばいって。
桐生の嫉妬深さはずっと前から経験済みだ。
そんな言い方したら、変に桐生が嫉妬を抱く可能性が高いっていうのに。
桐生の声が少し低くなったような気がして、思わずピクッと肩が跳ねる。
ああ・・・これは、やばい。
完全に、どこかのスイッチが入ってる。
「あけ」
「お、おう?」
「・・・今日の夜ご飯は、お前の当番だったか?」
「ん、あぁ。もう材料はさっき買ってきたから、あとでぱぱっと作るよ。早めに食べて、ゆっくりすっか」
「あぁ・・・久しぶりに酒でも飲むか?」
「良いな!じゃあツマミも作るよ」
このマズイ空気を断ち切るため、力也を砂浜に放置したまま、私はそそくさとアサガオの方に戻った。
力也には悪いが、残り少ない休み・・・桐生とのんびり過ごしたいってのもある。
アサガオに戻ってから、時計を確認し、すぐに料理へと取り掛かった。
昼過ぎの今から準備すれば、食べ終わってから十分飲んでゆっくり出来るはずだ。
「よっしゃ、いっちょ作るか!」
「手、切るなよ」
「桐生じゃないから切らないっての!」
「ったく・・・言うじゃねぇか。最初は震えながら切ってた奴が」
「・・・う、うるさいぞ・・・!」
名嘉が作ってくれた、桐生との時間に甘えるために。
私は慣れない手つきで包丁を握り、今晩の料理の支度を始めた。
久しぶりのお酒は、美味しい。
料理を食べ終わった私たちは、日が沈む方向を見ながらお互いに酒を酌み交わしていた。
子供たちがいる前じゃ、あまり飲まないのが私たちのルール。
煙草も必ず縁側でって決めたしな。
ツマミとして作ったからあげを放り込みながら、桐生の肩に身体を寄せる。
「どうした?・・・もう酔ってきたのか?」
「いや・・・こんな時間久しぶりだからな。ちょっと・・・こうさせてくれよ」
桐生に甘えていると、ふと力也との会話の内容が頭に浮かんだ。
自分から誘えと。彼はそう言ってたけれど。
私にとって自分から出来る行動といえば、こんな小さな甘え方が限界なわけで。
独りでに“誘う”自分を想像し、「やっぱりそんなの無理だ!」と想像を追い払う。
「あー・・・」
「お前、さっきから変だぞ。やっぱりもう酔ったんじゃないのか?」
「んなわけ・・・」
酔った?
その単語を聞いて、私はふと昔のことを思い出した。
昔に伊達さんと秋山と一緒に飲んでた時、あり得ない量の酒を飲んで、私が酔いつぶれたことがあったのだ。
そしてその時私は、自ら桐生を誘ったと、そう聞いた覚えがある。
つまり酔いのせいにしてしまえば・・・いやでもそれじゃ、結局は私自身が誘ったことには・・・。
「何を・・・考えてるんだ?」
少し桐生の声が苛立っているのを感じ、私は慌てて考え込むのを止めた。
もう一度お酒を口に含み、勇気を振り絞って自ら桐生の唇に口付ける。
突然のことに驚いたのか、桐生は何も言わず私の口づけを受け入れた。
舌を入れ、恥ずかしいと跳ねる心を押さえつけ、何とかお酒を相手の口に流し込む。
「はっ・・・ぁ・・・ぷっ・・・!!なんだよその顔!!」
「・・・お前がいきなりこんなことをするからだろう」
「何?驚いた?」
「やっぱり酔ってるんだろ、お前」
「まさか。酔ってるわけねぇだろ。・・・今のは、単純にしたかったからしたんだよ。私からするのは、おかしいか?」
ああ、くっそ。恥ずかしい。
恥ずかしいけど、こんな機会は年に1~2回あるかないかだ。
やる時にやっておかないと、きっと後悔する。
私は恥ずかしさを捨て、桐生の上に覆いかぶさった。
そのままゆっくりと桐生の身体を押し倒し、自らのシャツに手を掛ける。
・・・やばい。
そしてこっからどうすればいい?
ぬ、脱がせばいいのか?
私は脱いだんだから、桐生も脱がせばいいんだよな。
脳内の混乱を表に出さぬよう、気を付けながら手を動かす。
「お、おい?あけ・・・?」
「うるせぇ・・・黙ってろ・・・!」
「な・・・・っ」
桐生のシャツに手を掛け、少し急ぎ目に脱がした。
露わになる立派な身体に赤面しそうになるが、それを見られるのは恥ずかしいと、私は桐生の胸に顔を埋めた。
そして目に入った場所へ、次々と口づけを落としていく。
すると桐生が僅かながら反応を見せ、ピクッと身体を震わせた。
「ん、んっ・・・」
「お・・・い。あけ・・・っ」
「何だ?がらになく、声が震えてんぞ」
「お前が・・・っん」
楽しい。
いざ行為を始めると、恥ずかしさよりも楽しさが勝った。
いつも私をイジメてる奴が、私に好きなようにされている。
その光景、声、行為、全てが私の中に眠っていた何かを目覚めさせたような気がした。
胸を舐め、甘噛みし、それからゆっくりとお腹を舌でなぞる。
そして私の手は桐生の膨らみかけたソレへと伸び、一気にチャックを引き下ろした。
「ッ・・・・」
さすがに、ソレを見ると私の動きも止まる。
誰よりも立派であろうソレに、恥ずかしさが一気に込み上げた。
で、でも、ここで止まったら相手の思う壺じゃねぇか。
頭上で桐生が静止の声を掛けているが、そんなことなどお構いなしに、私はソレを口に含んだ。
途端、桐生の手が私の頭をグッと掴む。
上を覗き見ると、桐生の表情がいつになく快楽へと歪んでいた。
「ん、んっ・・・ふ・・・っ」
「あけ・・・っ!もう、やめ、ろ・・・っ」
「んぁ・・・っ。ふっ・・・なんでだ?たまには良いんじゃねぇのか?こういうのも」
「っぐ・・・!」
何度も、何度も。
動きを止めることなく、ソレを舐め上げる。
顎が痛い。
桐生からじんわりと溢れる液体と、自分の涎が混ざり合い、口の端から垂れそうになった。
それが垂れないように強く吸い上げた瞬間、ドロリとした液体が口の中に放たれる。
あまり味わったことのない、欲望の味。
桐生から放たれたそれを一生懸命飲み込んだ私は、突如襲ってきた疲れにため息を吐いた。
「ん、ふぅ・・・・。ったく、出すなら出すっていえよ、ばか。いきなり出すな・・・」
「お前がいきなりそんなことするからだろうが」
「でも気持ちよさそうだったじゃん?」
「・・・普段お前がしないようなことだったからな」
「たまにはこういうことしてあげないと、桐生がすねちゃうかな、なんて思っ・・・・」
視界が、回る。
気付けば私が桐生に押し倒され、両手を押さえつけられていた。
一瞬で出来上がった逃げられない状況に、私は思わずゴクリと喉を鳴らす。
「それで?」
「・・・へ?」
「お前はそういう知識を、どこで得たんだ?」
「あ、いや、それは・・・」
「それが力也との秘密の話か?」
「・・・い、いや・・・」
そうでもあるし、そうでもない。
こういうことをするという知識自体は、昔から私が持っていたもの。
でも、それをすれば喜びますよ、と。進めてきたのは力也。
あー、この場合、違うっていったら嘘になるのか?
そんなことを悩んでいる内に、桐生の手が私の下着を強引に外していく。
「お仕置きだな・・・」
「な、なんで・・・!」
「俺以外の男の前で、そんな無防備な話しやがったんじゃ・・・許せるわけねぇだろ?」
「あ、いや、だから、それはっ・・・」
「まぁ、お前からしてくれたことは嬉しかったぜ。だからその分は差し引いて・・・」
ニヤリと笑う桐生の表情が、私の背中に冷や汗を流した。
「たっぷり啼かせてやるよ・・・覚悟しろ」
正直、驚いた。
確かに俺に迫ってきたあけの表情は、酔っているときのものじゃなかったからだ。
いつものあけなら、こんなことはしてこない。
いや、してくれたことは嬉しいのだが、俺はその知識を吹き込んだ奴の方が気になっていた。
そして思い出したのは、今日の昼に会った力也との会話。
秘密の話と言っていたが、あけのことだ。無防備に力也に相談した可能性が高い。
俺のことを考えて、そういう悩みを持ってくれるのは正直嬉しかった。
だが相談相手が男となれば別。
俺の嫉妬心が牙をむき出しにし、今目の前にいるあけをどうイジめてやろうかとそれだけを考える。
「あ、や、桐生っ・・・」
まず、手を柱に括り付けた。
自由の利かなくなったあけに対し、俺は容赦なく秘部へと指を埋める。
まだ何もしてないというのに、中はしっとりと濡れていた。
声を堪えようと必死になっているあけの耳元に顔を近づけ、ワザと恥ずかしい言い方をしてやる。
「なんだ・・・?もう濡れてるぜ?どうしてなんだ?」
「ひ、んっ・・・んんっ・・・!!」
「まさか、俺のを咥えながら感じてたのか?・・・・悪い子だな」
「ぁ、ち、ちがうっ・・・・」
「・・・お仕置きだ」
低く囁くと、ヒクッとあけの中が反応を見せた。
普段強気なあけが、こういう時は俺の言いなりになる。
その征服欲に、再び自分の中の欲望が熱を持つのを感じた。
だが、まだだ。
俺はその欲望を押さえつけ、あけの中に指を入れつつ、親指で蕾の部分に触れた。
同時に行われる容赦ない攻めに、早くもあけが声を漏らし始める。
「ぁぁっ・・・ひ、ぅんっ!」
「どうした?もうイきそうなのか?」
「ち、がっ・・・あぁあぁっ・・・ん、ふぁ・・・っ」
「勝手にいくなよ。俺の許可が出るまで・・・いくのは禁止だ」
そう言いながらも、責める手は止めない。
この状態じゃ、1分ほどしか持たないだろうと、俺は分かっていた。
それでも手を止めず、あけを苛め抜く。
するとあけの声色が徐々に変わり、限界がきはじめていることを俺に知らせた。
だから、なんだ?
止めてやるわけないだろ。
「あ、だめ、おねがっぁぁあ・・・っ、や、ぁ、やめ・・・ひぅっ・・・・」
「いきそうなのか?しょうがねぇな・・・いかせてやるよ」
「んっ、あぁあぁ・・・っひゃ、あぁあ!」
「ただし、俺は許可を出してない・・・いけば・・・分かってるよな?」
「っ・・・!?ま、やだ、やぁっ、やめ・・・だ、め、ひぁぁあ・・・・っ!!!」
一瞬の気の緩みを突き、俺はあけを絶頂へと追いやった。
どう誤魔化しても、あけが達したことは見ただけでも分かる。
まぁ、俺がそうしたんだけどな。
荒い息を吐きながら放心状態のあけに、俺は軽い口づけを落とす。
そして休む暇も与えず、もう一度秘部へと指を突き立てた。
「はっ、ぁ・・・はぁっ・・・ん!!」
「いくなって言ったはずだぜ」
「なんっで、だって・・・!お前、がっ・・・」
「なんだ?俺のせいにするつもりか?まだまだ足りねぇみたいだな・・・・」
「んあぁあぁっ!ふ、ひっんっ・・・!!」
「我慢しろよ。まだ・・・許してねぇからな」
「んっ!!はぁあぁっ・・・ひ、ぅっ・・・!も、ゆる、し・・・っ」
あけの瞳から一つ、二つ。
大きな涙が零れ始め、さすがにイジめすぎたかとその涙を舌で掬った。
だが、わりぃな・・・・あけ。
ここまでお前が反応を見せてくれるとは思わなかったんだ。
滅多に涙ぐまないあけが涙ぐんで、それでも必死に俺の言いつけを守ろうと歯を食いしばる。
押さえきれない声を漏らして。縋りつくような瞳を向けて。
こんなので、我慢しろだなんて無理な話だ。
もっと、もっと泣かせたい。そんな最低な欲望が俺から理性を奪い去っていく。
「ん?・・・なんだ?またいったのか?」
「はぁっ・・・ぁ・・・っ」
「いつまでたってもお仕置き、終わらねぇぜ?それとも・・・」
わざと、弱いと知っていて耳元に唇を近づけた。
囁くように声を吹き込めば、指を入れたそこがヒクッとうごめくのを感じる。
「こういうこと、されたくてワザとか?」
「ち、ちがうっ・・・・」
「説得力ねぇ顔してるぜ?」
「ふ、ぁ」
「ほぅら・・・」
「あぁぁっ・・・!ひっ!ひぁあぁっ!」
「・・・・ん?またいったのか?」
「・・・・っもう、一馬、ぁ・・・・許して・・・お願、い・・・・」
震える声。
あけから零れる涙が生理的な涙ではなく、普通の涙だということに気付いた瞬間、俺は理性が戻るのを感じた。
急いで手首を縛っていた紐を解き、あけの唇に口づけを落とす。
するとあけの方から唇を貪るようにキスを交わしてきた。
怖かったのかもしれない。キスをしながら回された手が、微かに震えている。
「一馬、ごめ、ごめん、なさっ・・・」
「わりぃ・・・歯止めが効かなかった・・・」
「んっ・・・!」
優しく口づけるたび、一生懸命応えようとするあけが愛しい。
俺は再びあけの下の部分に手を這わせると、今度は優しくそこを愛撫した。
怯えながら感じていた表情とは違う、甘くとろけたような表情。
そんな表情されちゃ、我慢できねぇ。
「あけ・・・もう、いいか?」
余裕をなくしてそう尋ねた俺に、やっといつもの調子を取り戻したあけがニヤリと笑った。
「珍しく、余裕ねぇじゃん?」
「お前もなかっただろうが」
「それはお前のせいだろ?・・・怖かったんだからな」
「これに懲りたら、俺を嫉妬させるようなこと、あんまりするんじゃねぇぞ」
「別に・・・してねぇよ・・・・」
まぁ、そうだろうな。
どちらかといえば、あけは何が俺を嫉妬させてるのか、あまり分かってねぇんだろ。
男の世界で、男同然に生きてきたせいもあるんだろう。
女としての感覚が少し鈍くなってるのかもしれない。
そしてそんなあけが、俺だけに見せる女の表情―――それがたまらなく愛おしくて、俺はいつもあけをイジめちまうんだ。
「・・・いくぞ」
「んぐぅ・・・っあ・・・!!」
充分解したそこに、じっくりと己の欲望を埋めていく。
相変わらず狭いそこは、受け入れた人間が俺しかいないことを示していて、更に俺を興奮させる。
走り抜ける快感。縋りつくようなあけの声。
我慢できなくなって一気に奥深くまで突けば、悲鳴混じりの声があけから上がった。
「ふあぁ、あぁっ・・・・!あぁっ、かず、ま・・ぁ・・・っ!!」
「あけっ・・・・」
「ん、ぁっ・・・あぁぁぁ・・・・っ!!」
湧き上がる欲望。
あけの締め付けに耐えられず、俺は己の欲望を全て彼女の中に吐きだした。
「は、ぁっ・・・・」
「ん・・・。かず、ま・・・」
「・・・しばらく、このままでいいか・・・?」
「・・・・あぁ」
あけに覆いかぶさったまま、俺は目を瞑る。
さぁて、明日は力也に何かしらお灸を添えてやらねぇとな。
お前はずっと俺のものだ・・・覚悟しておけよ、あけ。
次の日、なぜか力也に冷たく当たる桐生の姿があった。
(何やってんだアイツ?何か力也にされたのか?)
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★龍如(峯短編集)
★龍如(連載/桐生落ち逆ハー)
【海賊】 ★海賊 さよならは言わない
★海賊 ハート泥棒
【DB】 ★DB 永遠の忠誠(原作・アニメ沿い連載) ★DB 愛知らぬが故に(原作・アニメ沿い連載) ★DB プラスマイナスゼロ(短編繋ぎ形式の中編) ★DB(短編)