Erdbeere ~苺~ 2章 関西の町 忍者ブログ
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2012年06月08日 (Fri)
2章/ヒロイン視点

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「おせぇよ桐生・・・って、だ、大吾?」
「久しぶりじゃねぇか、あけ
「久しぶりだな・・・お前、どうしたんだよ?」
「俺も一緒に、関西に行くことにした」
「へっ?」


あの後、駅で桐生と合流した私は、大吾との久しぶりの再会を果たした。
大吾と会うのは何年ぶりだ?ってか、何で大吾がここに?

何でも、関西にケリを付けたい奴が居るから着いてくるらしい。
しかもそのケリを付けたい相手っていうのが、また厄介な相手で。


・・・近江連合郷田会長の息子、郷田龍司だとか。


そのせいもあって、私は関西に着くまでの間、ずっと桐生を質問攻めにしていた。


桐生が大吾を訪ねた理由は?弥生姐さんとの話は?
盃の事、それに関して他の組の反応とかも、全部。

色んな話を聞いている内に、時間はあっという間に過ぎて行く。

気づけば夜中の11時。
たどり着いた関西の町は、この時間でも賑やかさで溢れ返っていた。


「ここが、関西の町・・・」


雰囲気は神室町とそこまで変わらない。
煌びやかな電飾。着飾る女性達。

いつも見てる風景が、少し派手になったって感じだ。

後はまぁ、聞こえてくる言葉が違うぐらい。
明るい関西弁が周りから聞こえてきて、何だか落ち着かない感じにさせる。


「アンタら、これからどうするんだ?」


しばらく周りを見回していると、大吾が気怠そうに口を開いた。
新地にわくわくしている私とは違い、今にも帰りたそうな顔をしている。

これから、か。そういえば考えてなかったな。
とりあえず街を見て回って、ある程度は情報回収をしておきたい。


「私はしばらく歩き回って、情報を集めるつもりだ」
「・・・そうか。桐生さん、アンタはどうする?」
「俺も少し歩く」
「分かった。・・・だが俺は、あんまり関西に良い思い出が無い。さっさとホテルに戻らせてもらうぜ」


大吾にとってはパクられた土地だし、それもそうか。
納得した私は大吾の方を向き、ホテルが立ち並ぶ方を指差して笑った。


「お前はもう寝てろよ。疲れてるだろ?」
「・・・そうなんだが、一つ忘れてたことがある」
「ん?」
「部屋、2つしか取ってねぇんだ。あけが居ると思わなくて」
「あー・・・」


打ち合わせも何もなしに来たから、予想はしてたけど。
今の時間的に、新しく部屋を取るのはもったいない気もする。

だからと言って、一日中寝ないのも難しい。
悩んだ挙句、私は桐生の腕を掴んだ。


「大吾は先に寝るだろ?だから一部屋使え。私は桐生と一緒で良い」
「いや・・・それはマズイんじゃねぇのか?ここは普通、女が一部屋・・・」
「良いんだよそんな細かいこと。なぁ、桐生?」
「俺はかまわねぇぜ」
「それにベッド一つに男二人とか、狭苦しいだけだろ」
「お、おいちょっと待て・・・お前、桐生さんと二人で寝るつもりか?」
「ん?そうだけど?別にお前とでもいいぜ?」
「お、お前な・・・少しは女だっていう自覚を持て・・・・」


大吾にぐったりされ、首を傾げる。

何か問題でもあったか?別に問題ねぇだろ。
変な奴と二人で寝るわけじゃ無いんだし。

そんな疑問を抱く私を、桐生が後ろから思いっきり叩いた。
パシンッと良い音が響き、目の前の大吾が表情を引き攣らせる。


「っだ~~~~!」
「誰が男と寝て良いって言ったんだ・・・?」
「え、や、し、知り合いだし問題は・・・・」
「無いわけねぇだろ。駄目だ」
「わ、分かったって、分かったからそんなマジになんなよ・・・!?」


目が、目がマジすぎてやばい。
叩かれた部分を押さえつつ、私は必死になって謝った。

何故怒られているのか、イマイチ理解出来てない自分が居る。
変な関係の人間じゃないのに。駄目なのか?


「大吾、お前は先に休んでてくれ。部屋はあけが言った通りで問題ない」
「あ?あ、あぁ・・・・」
「どうしたんだよ桐生?そんなにダメな事言ったか?」
「・・・・」


桐生は無言で振り返ると、私の耳元に唇を寄せた。
甘く低い声で囁かれる言葉は、背中を擽って力を奪う。


「お前は俺の女だって・・・もう一度教えてやらないとダメか?」
「ッ・・・」
「次はねぇからな、あけ
「わ・・・分かった、よ・・・!」


そこでようやく、桐生が怒っている理由に気づくことが出来た。
前も一度このことで、怒られたことがあったっけ。

――――いわゆる、嫉妬。

前に似たようなことを言った際、かなり激しく抱かれたことを覚えている。
情報屋の仕事で男と手を組んで歩いたのを見られて、怒られたことも。


「・・・・っ」
「フッ・・・」


恥ずかしくて桐生から目を逸らすと、ポカーンとした表情の大吾が目に入った。
私と桐生がそういう関係だということを知らないんだから、当たり前の反応だ。

だ、駄目だ。この空気に耐えられない。
さっさとこの場から逃げるという選択肢を選んだ私は、無言でその場から走り出した。


「おい・・・!?」
「じょ、情報集めに行ってくる!あんまり飲みすぎるなよ、桐生!」
「・・・なぁ。あけと桐生さんってどういう関係なんだ・・・?」
「見ての通りだ」


何が“見ての通りだ”、だ。
恥ずかしくてしばらくは戻れない事を覚悟し、私は関西の町を走り抜けた。

さぁ、まずは何からやりに行こう?
何だって良い。新しい場所にはやる事がいっぱいあるから。

関西の情報屋を探りに行ってみる、とか。
有名なショーパブ巡りでも良いな。
情報が得られそうな場所なら、全てが私の仕事場だ。


「ふふっ・・・久しぶりに腕がなるぜ」


新境地での情報収集。
ニヤリと笑った私は、情報を探して歩き始めた。












































情報屋の鷹は爪を剥く
(せっかくなら、関西でも1番にならなきゃな?)
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