Erdbeere ~苺~ 10話 大切な時間 忍者ブログ
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2012年11月11日 (Sun)
10話/ヒロイン視点

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ドロシーのアンダータでレギンレイヴへ戻ってきた私たちは、5thバトルが始まるまで休暇を取ることになった。

ギンタはお腹が空いたから食べ物を探してくると城へ。
ジャックとナナシは、ドロシーの水浴びに釣られて湖へ。

アルヴィスはベルと仲良くお散歩。

そして私は・・・。


「んで?さっきのアルヴィスの話、じーっくり聞かせてもらおうじゃねェか?あぁ?」
「もー!私が戻ってきてから説教ばっかりじゃない!」
「お前がさせてんだろうが!」
「嘘よ。歳取って説教癖ついたんじゃないの?このジジイ」
「ンだとォ!?」


アランとの言い合いを始めていた。

原因という原因は私なんだけど、もう6年前も昔の話なわけで。
だからといって、あのアランが私を逃がしてくれるわけもなく。


「あ、ちょ、ちょっと、離して・・・!?」
「あーあーうるせェよ。久しぶりの休暇なんだ。俺に付き合いやがれ」
「・・・?説教じゃないの?」


てっきり説教されると思っていた私は、アランの言葉に首を傾げた。
アランは私の方を見ないようにしているのか、一切振り返らないまま私を引きずる。

お尻が、お尻が痛いよ。


「あだだ、ちょ、ちょっと、アラン!」
「っ・・・お前とゆっくり話がしてぇんだよ。またゲームが始まりゃ、皆がうるせぇからな」
「・・・りょーかい」


引きずるのを止めてほしかったけど、やめろと言ったら抱きかかえられそうだったので止めた。
そのままアランの部屋まで引きずり込まれ、ポイッと乱暴に投げ捨てられる。

ここが、アランの部屋。

出かける準備で必死だったため、ベッドは朝の状態のままだった。

それを見て、思わず朝の事を思い出す。
久しぶりだったとはいえ、あれだけアランに好きにされたんだ。
恥ずかしくないわけがない。


「~~~~っ」
「顔真っ赤だぜ?ラング
「誰のせいだと思ってんのよ。あーもう!」


乱れたベッドを整え、新鮮な空気を入れるために窓を開ける。
少し薄寒い空気が部屋の中を駆け抜け、じめっとしていた部屋の空気を一掃した。

後ろを振り返れば、まだアランが楽しそうに笑っている。

ああいう、意地悪いところは本当に昔のままだ。
いや、下手すると、昔よりも悪くなってる気がする。


「・・・そういえば」
「んぁ?」


プポラの実のジュースを片手に、アランが私の方に顔を向けた。

なんだかんだでメルの一員になったけど、私は部屋割りが無かった気がする。
他の部屋も空いてるとは言えない状況だったし、もしかして私の部屋・・・ない?


「私の部屋って・・・」
「ここだ」
「・・・思ってた通りの回答で満足したわ」


昔もクロスガードのメンバーが多くて、私の部屋はアランと一緒だった。
懐かしい思い出に浸りながら、ゆっくりとアランの方へ身を寄せる。

背中の温もりに身を預けると、長くなったアランの髪が私の頬を擽った。

昔と違う長い髪。
やけに大人びた横顔。

そのすべてが私をかき乱していく。


「・・・・い。おい。いきなりどうしやがった?」
「んー・・・?」
「ぼーっと人の顔見やがって。何考えてやがんだ?」
「・・・今のアランの方が、好きかもって考えてた」
「そりゃどういう意味だよ」


嬉しそうな、不満そうな。
微妙な表情を浮かべるアランに、慌てて説明を付け足した。


「あ、いやその。・・・なんていうか・・・今の方が、かっこいいかもって・・・」
「なんだ、お前。髪の毛長い方が好きだったのか?」
「昔のアランって、どっちかっていうと若々しかったからさ。今のアランはこう、大人の魅力っていうか・・・変に色気があるっていうか・・・」


言ってて恥ずかしくなった私は、フイッとアランから顔を背けた。
アランはそれが気に食わなかったのか、背後からぎゅっと私を抱きしめる。

そして私の耳元に唇を寄せると、わざととしか思えないほど低い声で囁いた。

ゾクリ、と。言い様のない感覚が私の身体を襲う。


「んん、アラン・・・!」
ラング


悔しい。

いつもギンタ達と言い合ってるぐらい、中身は馬鹿なのに。

こうやって好き勝手されるのが、凄く悔しい。
だからせめて、本気の勝負だけでも勝ちたいって思ってたんだよね、私。

それは今でも、叶ってないことだけど。


「・・・いつかぶっ飛ばしてやるんだから」
「なんか言ったか?」
「ッ!も、耳元やめてよっ」
「やめねぇよ」
「・・・この変態オヤジ」


この馬鹿力に捕まったら最後。
何を言おうが離れないアランに、諦めて腕を絡める。

ベタベタするのは恥ずかしいけど、こうやって温もりを感じているのは嫌いじゃない。
自然と絡め返される腕に喜びを感じ、思わず頬が緩んだ。


「ふふっ」
「急に笑い出しやがって・・・気持ちわりぃ奴だな」
「そういう所も変わってないわね、アランは」
「ハッ・・・。お前もな」


たとえ恋人同士だろうと、容赦なくお互いに言葉を浴びせる。

それが私達。昔から変わらない光景。

良く喧嘩して、ダンナさんに痴話喧嘩は止めろってからかわれたっけ。
本当に怒って喧嘩を止めたのは、ガイラさんだったかな。


「アラン」
「あ?」
「・・・好き。大好き」
「・・・そういう所は変わったな、お前」
「そう?」
「俺が言わせようとしても言わなかったくせによ」
「6年も経てば、大人になるのよ」
「・・・だったら」


グイッと無理やりアランの方を向かされ、唇を奪われた。
容赦なく舌を入れられ、この前の時と同じように吸い尽くされる。

聞こえる音と、舌と、逃がさないように掴んでくるアランの腕。

その全てが容赦なく私を犯し、壊していく。


「ん、っ・・・!」
「こういうことにも、そろそろ慣れてもらわねェとな?」


大人になったなら、出来るだろ?と。

挑発的な笑みが私を捉え、私は抵抗出来ぬまま、もう一度口付けを受け入れた。


「・・・っふ、ン・・・」


こんな平和な日が、ずっと続けばいいのにね。
戦いも、戦争も、殺しもなくなって、ずっと。


ラング


そのためにも、私は私のやるべきことをやろう。
ダンナさんの息子であるギンタが、教えてくれたように。

仲間を、信じて。

仲間がいれば、何だって出来るって。
彼がそう、教えてくれたから。


「少しは慣れたか?」
「・・・慣れないわよ」
「じゃあ、もう1回だな」
「っ!?」


今度こそ、戦いに終焉を。



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