いらっしゃいませ!
名前変更所
24日、クリスマス・イヴ。
神室町が華やかな色に染まる頃、私の目の前は赤色に染まっていた。
もちろん、イルミネーションとかそんな綺麗なものじゃない。
赤色――――そう、血の色。
私の鼻をつく鉄の匂いが、聖夜と彩られた日をどす黒いものに変える。
なんで、なんでこんな日に限って。
目の前に広がる悲惨な光景を、私は血を吐きながら睨みつけた。
「っは・・・」
「やーっと静かになったぜ、この姉ちゃん」
「オラ、だったらさっさとここの品物で高いもの、いただいてこうぜ!」
神室町にある、高級アクセサリー店。
今日は聖夜ということもあり、こういう類のお店はどこよりも賑わいを見せていた。
その中での、こいつら。
いわゆる強盗だ。人数は6人。厄介なことに全員が銃を所持している。
最初抵抗したのはいいが、銃によってお客さんと店の人間を人質にとられてしまい、良いように殴られ続けていたってのが今の現状だ。
私の血で染まったガラスケースを、霞みかけた視界で見つめる。
・・・・ちょっと、やばいかもしれねぇな。
なんだってこんな時に限ってこんな事件が起きるんだ。この後皆で飲みの約束してるっつうのに。
「おい、姉ちゃん?」
「・・・・なんだよ」
「さっきの威勢はどうしたよ?品物移し替えてる間、俺たちと遊んで・・・よ!!」
「がは・・・っ!!ぐ、ぁ・・・!」
「やめてあげてよ!!その人死んじゃうじゃない!」
「・・・あぁ?お前も、この女と同じようになりてぇのか?ん?」
「・・・・っ」
私を庇う様に叫んだ女が、男に銃を突きつけられて表情を変えた。
申し訳なさそうに私の方を見てくる女が可愛らしくて、私は思わず笑みを浮かべる。
気にスンナ、と。
無言でそう口を動かせば、女の人が顔を朱色に染めた。
こういう汚いことは、汚いことに慣れてるやつに任せろってことだ。
「はい、姉ちゃん、こっち向いてー?」
「・・・・触んな、クず・・・がっ!!!あっ、ぐ・・・!!グフッ!」
「え?なんて?聞こえなかったなぁ?」
「いいねぇ、楽しいねぇ。怯える奴らだけじゃ、品物移してる時につまんねぇから、お前みたいなやつがいて助かったよ、可愛い姉ちゃん」
楽しそうに笑う男達。
奥では品物を鷲掴みにし、袋に詰めている2人が居た。
ここにいるのは4人。
袋に詰めてる奴ら分戦力がなくなったとしても、4人は銃を構えたままだ。
下手に抵抗すれば、いや、私がくたばっちまえば、私以外の奴らが遊びの標的になる可能性がある。
今は、耐えろ。それしかねぇ。
「きたねぇ、クソガキどもが・・・」
「ひゅー!まだいう元気が残ってるんだ?いいねぇ・・・ちょっと惚れちゃいそうだよ、俺」
「・・・っ。触んな、ク、ズ、野郎・・・っ」
「・・・そぉら、もう1発だ!!」
「っぐぅ!!!」
下腹部に、鋭い衝撃が一つ。
込み上げてきた吐き気を我慢できずに咳き込むと、また赤色に染まった血が出てきた。
口の中が相当切れてるみたいだ。
それだけじゃない。喉奥からも血の味がする。
「あぐっ・・・つ・・・」
「あれ、どうした?姉ちゃん」
「・・・・」
「あれれー?気絶しちゃった?つまんねぇなぁ・・・なら、ほかの女で遊ぶしかねぇかぁ?」
「・・・・っ、か、す、野郎、が・・・・てめ、ぇらの・・・相手は・・・私だろ、うが・・・!」
「おーおー。中々正義感の強い女だなぁ?」
「うる、せぇよ・・・」
大丈夫だ。
もう少し、もう少し耐えれば。
私は自然と浮かびかけた笑みを押さえつけ、後ろ手に持っていたものを更に強く握りしめた。
そう、携帯電話。
私は襲われた時点で咄嗟に携帯電話を入れ、桐生に繋ぎっぱなしにしていたのだ。
会話や様子から場所を特定出来ればこっちのもの。きっと、きっと来てくれる。
それまで耐えれば、私の勝ちだ。
「面白くないねぇ・・・こんな状態になってまで、そんな表情するなんて・・・よぉ!!」
「ッ・・・!!けほっ・・・!!」
血の香り。
消えかける意識。
ああもう、何が聖夜だ馬鹿みてぇだよほんと。
聖夜だのなんだのって雰囲気に呑まれて、こんなところに来るからこうなるんだよな。
あー、いつも通り、つまみ持ってくだけにすりゃ良かった。
流されて桐生にプレゼントを、なんて思うからこんな。
「あー、まじ、ついて、ねぇなぁ・・・・」
「ほんとだな、お前はいっつも巻き込まれやすすぎだ」
「・・・お前にだけは、言われたくねぇよ・・・・」
突如聞こえ始めた声は、私の携帯から響いていた。
この状況を聞いていて、わざと大きな声でそんなことを言ったってことは・・・つまり。
「な、なんだ今の声!?」
「この女、携帯を隠してやがるぞ!!」
「てめぇ、この・・・!!」
刹那、店全体に強い光が走った。
閃光弾だろう。こんなものを使うやつは、あの人以外いない。
私はその光に怯えることなく、強く目を閉じた。
次開けた瞬間には、あの人たちがいるということが分かっていたから。
「・・・・」
「よく頑張ったな、あけ」
「遅くなってわるかったのぉ。場所が分かりにくかったんや。道が混んでたってこともあったんやがな」
目を開けた先に立っていたのは、予想通りの顔ぶれだった。
桐生、真島の兄さん。そして犯人を蹴散らしている秋山と冴島。倒れた犯人を確保している谷村と伊達さん。
どれも皆、今日飲もうと約束していたメンバーだった。
申し訳なくて苦笑いを浮かべれば、もちろんの如く皆からのお叱りの声が響く。
「ったく、何無茶してんのあけちゃん?こんな傷だらけになっちゃって・・・」
「でもさすがや。あけは強い人間やな」
「・・・そんなこと、ねぇよ。傷つきなれてる人間が傷つくのが一番だって思っただけだ」
「そういうのアカン!アカンであけちゃん!俺は許さへんで!」
「あーあー、悪かったって・・・!」
伊達さんと谷村が犯人たちをしょっぴくのを見ながら、私はゆっくりと立ち上がった。
だが、身体中は痛めつけられた直後。
鋭い痛みに私は勢いよく桐生の方に倒れ込んだ。
「っ・・・・!」
「おい、大丈夫か?」
「わりぃ・・・」
目の前がぐらぐらと揺れるのを感じる。
すると桐生が私を肩に担ぎ、真島の兄さんたちに向き直った。
「兄さん達は先にセレナで飲んでてくれ」
「んあ?なんでや?」
「俺はこいつをアジトで治療してくる。こいつのアジトはセレナのすぐ裏だ。治療したら一緒に飲もう」
「なるほどね、分かりました。俺たちは先に行っておきます」
「桐生ちゃん、あけちゃんは傷らだけなんやでー?盛んなや?」
「・・・・兄さん」
「嘘や嘘!まったく桐生ちゃんは冗談通じへんのぉ」
相変わらずな皆を先に行かせ、桐生は静かに歩きだす。
って待て待て。私をこのまま担いでいく気か!?
そのことに対して文句を言おうとした私を、桐生が分かっていたかのように笑った。
私の腰に強く手を回し、逃げられぬようがっちりとホールドされる。
「え、あ、何して・・・!」
「お前のことだから、暴れるだろ?こうしてた方が安全だからな」
「セクハラだぞ・・・!はな、離せ・・・!」
「体が痛いなら大人しくしとけ。お前のアジトに連れてってやるまでの辛抱だろ」
辛抱って言ったって、言ったってよ・・・。
痛む首を無理やり上げてみたものは、周りの視線の痛さだけだった。
当たり前だよな。クリスマスで人通りが多い中をこんな状態で歩くなんて。
恥ずかしさに顔を背けたくなった私は、アジトにつくまで二度と周りを確認しなかった。
桐生の服を力いっぱい掴み、落とされないようにだけ気を付ける。
クリスマスの雰囲気も、ここまで来れば関係ないらしい。
急に静かになったのを感じて顔を上げると、そこはもう見慣れた路地裏だった。
「ほら、ついたぞ」
「っう、さんきゅー」
静かに降ろしてもらい、アジトの鍵穴を開くための行為を行う。
扉をなぞり、出てきた鍵穴に鍵を通し、私は倒れ込むように開いた扉に滑り込んだ。
そのあとを追って、桐生が呆れながら入ってくる。
「ったくお前は・・・心配かけねぇと生きていけねぇのか?」
「悪かったって。ほんと、あんなのに巻き込まれるとは思ってなかったんだよ・・・」
「ま、説教はまたあとでだな。ほら、こっち来い」
「え?なんで?」
「なんで、じゃねぇだろう。薬、つけるぞ」
桐生が手慣れた手つきで私の薬品棚から薬を奪い、ベッドの方へ手招いた。
人の家を自分の家みたいに覚えやがって!まぁ、それだけ付き合いが長いってことなのだが。
どうせ抵抗しても引きずり込まれているのが目に見えているため、私は逆らわずベッドに寝そべった。
そして着ていた服を、桐生の指示通りに全部脱ぎ捨てる。
特に恥ずかしさは無く、とにかく服が擦れる痛みに耐えることだけを考えていた。
「っ・・・み、見るな」
「なんで脱ぐときは恥ずかしがってなかったくせに、脱ぎ終わったら恥ずかしがるんだお前は。良いからうつ伏せになれ」
「・・・優しくしろよ」
「さぁな」
「なっ!?お前、そういうときは普通に優しく・・・ひー!?」
勢いよく消毒液を掛けられ、冷たさと痛みに思わず悲鳴が出る。
ギブアップの意味を込めて強くベッドを叩くが、桐生は一切止めようとしない。
いや、怒るのは分かるけどさ、もっと、もっと優しくしてくれたって!
その叫びさえも悲鳴へと変わり、諦めてベッドのシーツを掴んだ。
「っぐ、ぅ・・・!」
「痛むか?」
「お、まえが、容赦なくするから・・・っ!」
「ん?なんだ?文句でもあるのか?」
「っ~~~~!!あっ、ぐ!ま、待った・・・!ごめ、んって・・・!」
傷に強く消毒液を染み込まされ、もう何も言えない。
私は静かに治療を受け続け、時々走る痛みに歯を食いしばった。
それにしても、ほんと私って傷が絶えないな。
「次は仰向けになれ」と言われて仰向けになった私は、傷だらけの自分の身体を見て苦笑した。
それに気づいた桐生が、どうした?と尋ねる。
「いや・・・傷だらけで、女らしくない身体だなって・・・」
「・・・・お前」
「傷つくのがいやなんじゃねぇぜ?私はいつだってお前の背中を守って戦う覚悟はできてる・・・でも、その、お前にとって、私の身体って、あんまり魅力がないんじゃねぇのかな・・・とか、さ」
そこまで言ったところで、私の唇は桐生に食べられていた。
言葉のとおり、唇をすっぽり包み隠すような形で桐生の唇が私の唇を貪る。
いつもより激しい口づけにすぐに息が切れ、私はぎゅっと桐生の服を掴んだ。
何度も、何度も。
桐生の口づけを受け続けていると、急に桐生がニヤリと意地悪い笑みを浮かべたのに気づく。
「・・・?き、りゅう?」
「お前はどんな女よりも・・・俺を一番欲情させてると思うぜ」
「なっ・・・な、何言って・・・!」
「兄さんには念を押されたが・・・そんな可愛いこと言われちゃ、我慢できねぇな」
「え、あ、ちょ・・・!?」
傷を労わる様に滑っていた手が胸に伸び、突起を優しく弾いた。
治療から突然切り替わった行為に、私は思わず身体を震わせる。
どうにかして逃げようにも、怪我のせいで力がうまく入らない。
それを良いことに桐生は行為を悪化させ、近づけた唇で私の胸を―――。
「ひ、や、あっ・・・!んあぁっ!」
「すっかりその気じゃねぇか」
「ちが、違うっ・・・!」
違わないと分かっているからこそ、私の頭は勝手に抵抗の言葉を吐き出す。
そうでもしないと、狂ってしまいそうになるからだ。
余裕をなくしてしまえば、桐生の思うつぼになってしまう。
私はぎゅうっとベッドのシーツを掴み、与えられる快感から逃れようと身を捩った。
桐生はそれを分かっていてか、私が逃げられないよう腰を強めに押さえつける。
でも、痛くはなかった。
いつもは痛いぐらいに押さえつけてくるくせに。ちゃんと手加減してるってのが分かって恥ずかしくなる。
「っ・・・・」
「じっとしていろ・・・。身体、痛むだろ?」
「お前が、じっとできなく、して・・・っ!んんっ!!」
「たまには大人しく抱かれてろ」
「ん、あぁっ・・・!!ひ、うっ!」
容赦なく熱を帯びているそこに差し込まれる指。
しかも解すことなく2本突き立てられ、私は一瞬息が詰まるのを感じた。
おかしく、なりそうだ。
長い指が私を乱し、壊し、犯していく。
桐生はそれでも足りなかったのか、更に私のあらゆる部分に口づけ始めた。
「あぁあぁ・・・っ!!や、だ、やめぅ・・・!や・・・!!」
「・・・そのわりには、いつもより感じてるじゃねぇか」
「ふ、ぁ・・・」
声が抑えられない。
痛む身体のせいで抵抗が効かないのもあり、私は桐生の思い通りになっていた。
走る快感。
涙目で見つめた先にある、余裕のない桐生の表情。
「あ、き、りゅ・・・」
「・・・もう、大丈夫か?」
「な、んだよ、桐生。余裕、ねぇじゃん・・・?」
「ハッ・・・うるせぇよ。あんまり言うと、手加減しねぇぞ・・・?」
耳元で囁かれ、低く擦れた声にピクリと身体が跳ねた。
その様子を見て、桐生が楽しそうに笑う。
「なんだ・・・?これだけで、感じてんのか?」
余裕のない表情の中に浮かぶ、意地悪い笑み。
こうだからこういう行為中のこいつは苦手だ。
余裕のない表情を隠すだけの、男らしさがあるっていえばいいのか。
かっこいいっていえば、良いんだけどよ。
その分私の余裕が削られていくから困るんだ。
「なぁ、あけ・・・いいか?」
「・・・ん、あ、ぁ・・・」
桐生のソレがゆっくりとあてがわれ、私の身体の中に押し進んでくる。
いつまでたっても慣れない痛みと圧迫感に、呼吸をすることすら忘れかけてしまった。
それに気づいた桐生が痛みを和らげようと、私にたくさんの口づけを落とす。
くすぐったくて身を捩れば、ぐいっと一気にソレが突き立てられていて。
痛みと、教え込まれた快楽と、痺れる身体――――この瞬間が、私は一番苦手だった。
自分が自分でなくなってしまう、最後の瞬間でもあるから。
「あ、・・・・っん、あぁあぁ!!」
「相変わらず、可愛い、反応・・・だな・・・」
「うっ・・・せ、ぇ、あぁぁ・・・っ!!!」
「ほら・・・・動くぞ。掴まれ」
「んっ!!あぁ、やっ、んん、んあぁあぁ!」
容赦ない突き上げに身体が悲鳴を上げ、頭がぐちゃぐちゃになっていく。
耐えられなくて桐生の服を掴み、そしてあることに気付いて手を下に滑らせた。
気付いたこと。それは、桐生の服。
いつも桐生は下以外ほとんど脱がない。それが少し嫌だった。
桐生が脱いだら脱いだで恥ずかしいんだが、私だけ脱いで乱れているという事実は・・・もっと嫌なわけで。
「ん、ぅっ・・・」
「・・・?どうした、あけ」
「うる、さい・・・。黙って、ろ・・・」
「あけ・・・?」
震える手をシャツのボタンに伸ばし、ゆっくりと外す。
露わになる桐生の胸元に顔を近づけ、ぬくもりを感じながら口づけた。
下手したら、爪を立ててしまいそうなほど、桐生の動きは激しい。
それを誤魔化すために何度も桐生の胸にすがりつき、歯を食いしばって声が出るのを堪える。
「んんんっ、んっ、う・・・!」
「あけ、好きだ」
「っ・・・・あぁ、ふっ・・・」
「あけ・・・お前は、どうなんだ?」
「・・・な、にが・・・」
「俺のこと、どう思ってるかって聞いてんだ。答えねぇなら・・・このままだな」
「あ、や・・・ぁ・・・!」
動きを止められ、急に止んだ快楽に正直に反応してしまった。
縋る様に手を伸ばしてしまい、その反応を見た桐生が一段と深い笑みを浮かべる。
「フッ・・・どうした?」
「あ、う・・・っ。きりゅ、う、大好・・・あぁっ!!」
「ん?なんだ?聞こえなかったな・・・」
「だい、す・・・ひゃぁっ!!あ、おま、えっ・・・!!」
「なんだ?はっきりいわねぇとわからねぇな・・・」
「だからっ、だいす・・・あぁっ!!ん、あぁっ・・・て、め・・・!」
こ、こいつ。ワザと・・・!
何度もその言葉を言おうとして口を開くたび、桐生が思いっきり突き上げて私の言葉を喘ぎに変える。
言わせないつもりなんだ、こいつ。
言えって言っときながらそんなの、意地悪すぎだろ。
抵抗の意味を込めて今まで立てていなかった爪を立てると、痛みに桐生が表情を変えた。
「っ・・・・」
「意地悪、すんじゃ、ねぇよ・・・ばか・・・」
「いいだろ。こうでもしねぇと・・・声抑えるしな、お前は」
「そ、れは・・・・」
ちゅっ、と。
桐生にしては珍しく、啄むだけのキスをされる。
「声を抑えないって約束するか?」
「ん・・・」
「それなら、続き・・・してやるぜ?」
「・・・わか、った・・・ん、ぁ、あぁあぁっ・・・・!!」
強く揺さぶられる感覚。
焦らされていた快感が一気に押し寄せ、私はチカチカと揺れる視界の中に沈んだ。
「あけ・・・っ!」
「ひ、あぁっ・・・ああぁああぁ・・・!!!」
起きると身体がギシギシと軋むのを感じた。
隣には裸同然の桐生がいて、見慣れた缶ビールをぐいっと傾けている。
「・・・・てめ、人の冷蔵庫のビールを勝手に・・・」
「ん?起きたか。身体の状態はどうだ?」
「お前のせいで最悪だ・・・」
傷の方は全然よかったが、問題は腰だった。
ん?てかなんか騒がしくないか?
騒ぎに気付いて顔を上げれば、奥の部屋の方に見慣れた奴らがいて。
私は勢いよく布団を被り、隣にいた桐生を睨みつけた。
「おおおおおい!!??なんで真島の兄さんたちが飲んでるんだよここで!!」
「二次会らしいぜ」
「いやそういう問題じゃねぇだろ!?何勝手にいれてんだよ!!」
「セレナを貸し切るわけにはいかねぇからな。しょうがなく連れてきたんだ」
「はぁ!?」
私が見たもの、それはベロンベロンに酔った男たちが転がっている状況。
真島の兄さんも、秋山さんも、冴島さんも。しかも伊達さんや谷村までもが酔いつぶれている。
いや確かにセレナはママさんのお店だし、迷惑かけるわけにはいかねぇけど。
文句言いたげな私を見て、桐生は優しい目で私の頬を撫でた。
「ん・・・」
「お前はゆっくりしていろ。・・・こういう時間を過ごすのも、悪くねぇだろ」
「落ち着けねぇけど・・・?」
「良いからお前は寝てろ。寝ないんだったら・・・もう一度襲うかもしれね「はーい。おやすみなさーい!!」」
クリスマスはおとなしく過ごそうって思ってたのに、そうもいかねぇみたいだな。
苦笑いを浮かべた私はそのまま横になり、桐生の腕枕に頭を預けて目を閉じた。
ま、これがお似合いのクリスマスってとこか?
(次の日起きた後、私がますます布団から出られなくなったのは言うまでもない)
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